テトロ 過去を殺した男の作品情報・感想・評価

「テトロ 過去を殺した男」に投稿された感想・評価

若いハンソロどっかで観たと思ってたらあ!これだった!と思い出したコッポラの傑作。アメリカのコッポラが撮ってるけどもはやアメリカ臭微塵もなし。前作『胡蝶の夢』もビンビンに無国籍な感じの傑作だったし、この作品の何処でもない感じ、ギャロの正体不明な異人感にはまったくもって幻惑されてしまう。だいたい『ゴッドファーザー』からしてヨーロッパ映画みたいだったし、そもそもアメリカって国自体が移民の歌じゃない国として色んな人種の血とセンスが入り混じってるわけで、だからこそ多様な傑作が生まれてきたんだろうし、てかこれアメリカイタリアスペインアルゼンチンの合作だった。日本もこれからますます異人の方々が増えていきそうだし、てえことは何十年か後には異国臭ビンビンの日本映画がつくられてたりするのか?もしれないしいっそ早くそうなればいい。のかもしれない。
slow

slowの感想・評価

4.8
光は時に闇よりも深く、闇は時に光よりも正しい。光源の影へと身を隠し、誰かの舞台を照らす日々。一度はアメリカで葬られ、ブエノスアイレスで息を潜めていた物語は、静かな夜に心する。

夢にまで観る、美しい白と黒の世界。その奥行きと立体感を自分の記憶と錯覚したのか、鑑賞後夢にまで観た。嬉しい。
オールデン・エアエンライクの好演。これは怪演とか、そういう類のものではなくて、役者としての初々しさであったり、その時にしか作れなかったであろう表情などが存分に収められていて、その純度に萌えてしまう。この繊細な若者ぷりは『コントロール』でイアン・カーティスを演じたサム・ライリーに受けた衝撃に近い。ヴィンセント・ギャロも良い。髪ボサボサでも流石の存在感だし、こういう佇まいで語る役には抜群にハマる。そして、マリベル・ベルドゥの喜怒哀楽が残すシーンの余韻。本作を滞りなく回し、緩急を与え続けたのは紛れもなく彼女だと思う。
街並みといい生活感のある部屋の様子といい、モノクロに映えるそれらを見ているだけでもかなり楽しめたし、音楽を始めとしたサウンドワークも刺激的。特に繰り返される扉の音はとても意味深で心に響いた。
これ監督はフィリップ・ガレルかジム・ジャームッシュかマノエル・ド・オリヴェイラか。もちろん、その誰でもなくフランシス・フォード・コッポラなのだけれど、自分の知るコッポラらしくないカメラアングルなんかもあり、とても新鮮。ここまで充実した映画は久しぶりに観た。これは大事な大事な映画となりそう。
あらすじ
かつて作家として将来を嘱望されながら、ある日突然、生まれ育ったNYの街や家族のもとを飛び出して、行方知れずとなったアンジェロ。その異母弟であるベニーは、18歳の誕生日を前に、兄の消息をたどって、アルゼンチンのブエノスアイレスへとやって来る。しかし久々の再会を果たした兄は、いまやテトロと名前を変え、過去を封印して別人として生きていた。やがてベニーは、兄がひそかに書きためていた原稿の束を発見し…。


モノクロで描く現在と、カラーで描く過去。
その対比が綺麗でした。

途中で何となくもしや…と思ったら、やっぱりそうだった。
ラストはある意味ハッピーエンドだと思う。
ザン

ザンの感想・評価

3.5
モノクロとカラーの上手い使い分け。過去の出来事と劇中劇をカラーにすることによって、そのドラマチックな性質を強調している。弟?クンがその直後に知らされる衝撃事実を前に、おばはん連中と風呂場で無邪気にはしゃいでいるのは虚しい。
F.コッポラ監督とヴィンセント・ギャロ。
これすごく好き!ジャケ写からハードボイルド系かと思ってたら、いい意味で全然違ってた!

めちゃかっこいい美しいモノクロ映像で、一部回想シーンのみカラー。舞台はアルゼンチンの田舎町。哀愁を帯びた美しい音楽。
長らく生き別れていた年の離れた兄弟と、心優しい兄の恋人、個性的な隣人たち。
少ない登場人物と限られた舞台設定で、淡々とゆっくりと、大きな事件も起こらず、でも人への慈しみに溢れた雰囲気は、5〜60年代ヨーロッパ映画を彷彿とさせる。犬も可愛いし。

ただ残念なのは、ラスト30分、演劇祭に向けて旅立つあたりから、舞台設定が大掛かりになって雰囲気が変わっちゃうんだよな〜。
それまでの雰囲気のままで、最後までいって欲しかった〜。むむむ…

家族の愛情とその難しさを描く人間ドラマ。職業監督として成功したコッポラ監督が、本来撮りたかったパーソナルな映画は、こういうのだったんだろうな。
ヴィンセント・ギャロとアルデン・エーレンライク、二人の存在感と繊細な演技に心打たれる。ラストのハグも良かった…
中庭

中庭の感想・評価

4.3
交通事故の不意を突くショック演出の鋭さは、速めのモンタージュと切断された音響効果により見事に設計されたものだった。これには黒沢清も敵わないんじゃないか。テトロの住む部屋の、さらに奥の部屋へ通ずる擦りガラス付きの扉の配置と重厚さの印象も素晴らしく、その扉の前で優雅に踊るレオタードの女にはつい見惚れてしまう。テトロがサングラスの奥から覗く山肌がきらめくアナログな技巧や、擬似家族を超えた独特の集団性を構築したあの五人の車旅の道中など、面白いシークエンスばかり。
meg

megの感想・評価

3.0
兎に角映像が美しい!そこにヴィンセント・ギャロ演じるエキセントリックな“アーティスト感”が素晴らしく調和している。またコッポラ監督らしい陰影の巧みな使い方にはただただ感嘆するばかり。ただ物語は散らかってしまった印象。家族・恋愛・暴力などなど様々な要素を詰め込んだ結果、全てが中途半端になってしまっている。特に取って付けたようなテトロと批評家の確執には違和感を覚えた。何とも言えない、不思議な雰囲気を湛えた作品。
ろみ

ろみの感想・評価

3.8
アルゼンチンが舞台のモノクロ撮影(回想シーンはカラー)で、昔のヨーロッパ映画のよう
モノクロならではの光と影の使い方が美しい
ずっとハグをされてもし返さなかったベニーの最後のハグ、病室のシーンが好き
にやにやフニャフニャした18歳のベニーを演じたオールデンがよかった
モノクロで、ブエノスアイレスが舞台のせいか、古いヨーロッパ映画みたいなナイストーン。ギャロもいいんだが弟役の新人が若き日のデュカプリオみたいでかっこ良く、見飽きない。「衝撃的なラスト」と銘打ってこうゆうオチの作品が増えた気が…。
abekoh

abekohの感想・評価

3.3
ちと鼻に付くけど、ビンセント・ギャロの格好良さが正義か。カットバック部分がカラーなのはジョニーは戦場へ行ったのオマージュかな
>|