あんにょん由美香の作品情報・感想・評価

「あんにょん由美香」に投稿された感想・評価

ヒルコ

ヒルコの感想・評価

2.2
どうしても、もちろんそれは仕方ないことではあるんだけど、松江監督が主人公でしかなく、林由美香の存在そのものは単なる素材でしかない感じがします。そりゃあ死んでしまった人で一本映画を撮るとなったらそうするしかないんだけど、松江監督と林由美香の関係が中途半端に希薄なので、他者によるそのまた他者の思い出をなぞることしかできないのが作品としての物足りなさを覚えます。最大の謎は、林由美香が何に対して「まだまだだね」と言ったのか??深追いしない割にその一言が唱え続けられる違和感。
林由美香さんへの興味が更に湧いた。
衝撃度はなかったけども、亡くなられてからわずか数年後に撮られた本作では、交友関係のあった方たちのインタビューや韓国AV事情とか聞けて面白かったです。最後、集まった「純子」撮影メンバーの楽しそうな表情が良かった(^^)
馮美梅

馮美梅の感想・評価

3.0
「松江君まだまだね」と言われたまま、この世界から旅立って行ってしまった1人のAV女優、林由美香。

そんな彼女が何故だか韓国のAVビデオに出演していた。何故なのか?その足跡を知りたくて、監督が今まで由美香さんと、公私問わず、縁のある人たちに女優「林由美香」という人間とそして日韓合作で撮影された「純子」という作品にかかわる人たちにインタビューしたドキュメント。

みる人によっては、単なる1人の女優をこよなく愛する人たちが集まって、ワイワイ自分たちだけで盛り上がっているように感じる人もいるだろう。

でも全編通して決して、見てて苦にならなかった。
問題の「東京の人妻純子」の説明とシーンなどもなんだか妙に面白おかしくそして切なくなってきた。

印象的だったのが、由美香さんの話をする男性たちが皆、笑顔だったこと。由美香さんという存在は亡くなっても、どこかで由美香さんがまだ、生きているんだなと。

「東京の人妻純子」の当時の韓国側の役者さんやスタッフ達のインタビュー、AVに出演した、それにかかわったということだけでも、仕事がもらえなかったりする厳しい現実、彼らにとって、その時の生活ゆえにしたことも結果的に、その後の、それぞれの運命に重くのしかかっているというのは辛くて切ない。

そんな性に対しての日韓の意識のギャップもなんだか不思議な感覚に感じた。

本当ならあまり映画として出演したくはなかっただろうし、彼らにとって必ずしも楽しかった経験ではなかっただろうに…。

最後に映画に描かれてないシナリオの結末を完結したいと願う松江監督の願いを快く引き受けてくれた韓国の監督と出演してくれた人たちの思いで作られたエンディング…

7年の時を経てようやく本当に「純子」が完結した。

多くの人たちにとって、名も知らないAV女優、林由美香さんという存在…でも、女性の本当の力強さを持って、たとえAVやポルノ映画においても、仕事をいつでも真摯に受け止め、楽しんでいたという人がいたというのを、この作品で知ることが出来たし、彼女の為に集まってくれる人たちがいる、いつでも面白おかしく、懐かしんでくれる人たちがいるということは、女優冥利に尽きるのではないだろうか…

最後、少しホロリとしてしまいました。
さて、由美香さんは松江監督とこの作品をどう評価するのだろうか、気になりますが…(笑)
玉露

玉露の感想・評価

3.0
作品の存在は知っていたけど、なかなか機会がなく『監督失格』後に
ずいぶん後にレンタルDVDで鑑賞
牛丼狂

牛丼狂の感想・評価

3.5
2009年公開。松江哲明が監督。林由美子や平野勝之の作品は未鑑賞。
2000年に制作された韓国と日本の合作ピンク映画『東京の人妻 順子』を軸に物語が進む。日本では、林由美子と過去に携わった人たちへのインタビュー。そして韓国へ行き、順子撮影スタッフたちにインタビュー。順子と林由美香を重ねるような演出に劇的なものを感じるのは事実。そうするために、テロップや、監督自身がカメラの前で誘導しているのも事実だろう。いかにせよ、林由美香自身の魅力というよりは、その周囲の大人達を描くのが最たる主題であり、林由美香のイメージを構築するというのはおまけに過ぎない。
しかし誘導するために過剰な説明や不要なシーンだと思ったのもいくつかあり。テロップの数はもっと減らせるだろうし、「二度死ぬ」の説明は見ていてこっぱずかしくなるものだった。
幻のラストシーンを撮影するというのは、カメラがあることで現実を変えるというのが顕著に表れている。しかし私には不要に感じられた。
松江監督は猫愛好家だが、発見したらカメラを回したがるようだ。ドキュメンタリーは主観でしかない、というのを描けている。撮影の動機が弱いという意見もあるだろうが、松江くらいの関係性の人が、単純な好奇心で撮るのも、アリなのではないかと思う。総合的に見たらかなり好みの「ドキュメンタリー映画」だ。
Ryosk

Ryoskの感想・評価

4.0
ぶち抜けたところはないもののストーリー性の高い展開。過去を探ると結局それらはたまたまなこともあるけど、その過程で人が動き動かされる様子が楽しい映画。
ドキュメンタリーって面白いなあ。このドキュメンタリーの制作をキッカケに、離れ離れになっていた人たちの人生を少しずつだけ動かして、再会したり思い出したり、という動きが連鎖していく。
松江さん、このドキュメンタリー、が中心になって周りを巻き込んでいく感じが楽しい。松江さんの作品はいつもそうだけど。
最後の展開は「赤羽」のサイコロマンと同じだな、と思った笑笑
しゅん

しゅんの感想・評価

3.8
本題は、韓国のエロビデオに出演したAV女優 林由美香さんについて追っていく内容。いきさつはよく解らなかったが、彼女についてインタビューを受けた人たちが当時を思い出してるときの顔が、楽しそうというか、キラキラしているというか、素敵だった。林さんが魅力のある人間だったことがよく判るドキュメントでした。

このレビューはネタバレを含みます

☆☆☆★★

劇場内超満員で、補助椅子も設置しての上映。
館内の客層は若い人が大半を占め、その中でも女性客が目立つ。
この中でデビュー当時の林由美香を知っている人は、おそらく殆ど居ないだろうと思う。

※ 1 作品を観た事は無いのだけれど、監督松江哲明の名前と顔は以前から知っていた。『童貞。をプロデュース』を始めとする諸作品のドキュメンタリーで注目を集めていたし、本人自身かなりの出たがりと思え、様々なイベントやトークショー(UP LINK 等)に出演していたので、何回かをそれらの際に会場に居たので知ってはいた。

元AV女優で、ピンク映画に大量に出演していた林由美香が亡くなったのは知っていた。
死後その存在が広く知られる様になり、多くのメディアに取り上げられる様になった。
何だか早くも神格化される位の存在になっていくにつれて、奇妙な思いにとらわれる。
まるで死んだ瞬間から作品が高騰し始める画家の様に…。

白状すると、彼女が主演したAVはデビュー作を始めとして数作品を観ている。
パッケージ写真を見れば解るが、男から見て「可愛らしいから」が単純な理由からだったのだが…。
もう1つ白状すると、それらのAVでは、本来の“抜く”とゆう目的は果たせなかった…。結局数作品観たがやはり同じ…何故だったのだろう?その辺りの記憶は曖昧だ。

彼女が活躍し始めた当時は、AV業界も色々と過度期に差し掛かった時期だったのじゃないだろうか?
当時はイメージ映像が主流の美少女AV女優と、様々な過激パフォーマンスで容姿よりも企画や淫乱さを売りにするAV女優との両極が当たり前の時期だったのだが、林由美香は美少女路線でありながら、過激な事も平気でこなす“元祖”と言って良いのだろうか。
猛烈な勢いで主演作品を撮りながらも、次々に新しい美少女AV女優のデビューの中で、次第に埋もれて行く。そしていつしか活躍の場はAVからピンク映画へ…。
「ああ、頑張っているんだな…」その程度の思いしか無かった。

テレビの出現で観客を減らした日活が、起死回生の策として起こしたロマンポルノ映画は、AVの発展によりズルズルと終焉を迎える。多くのロマンポルノ女優さん達は女優業を断念された事だと思う。

AV女優の旬は短い。殆どの女優さんは1年以内に居なくなるのは当たり前の世界。その中でも僅か数人がその後も活躍している。その1番の成功例が飯島愛であり、彼女の成功に憧れてデビューするAV女優は多い。※ 2 昨今ではAV女優になる為のステップとして、一旦グラビアアイドルを通過する美少女アイドルも当たり前になって来た。

林由美香がAV業界からピンク映画に活躍の場を移行したのは必然的だったのだろうか?
ロマンポルノ出現以前から脈々と続いていたのが《ピンク》映画です。
“ロマンポルノ”と“ピンク”の違いって何だろう?
単純には日活には常設館があり、作品の規模や撮影期間がピンク映画よりも大きい。対してピンク映画は撮影期間数日。予算も少なく、公開されるかも解らない。反面自由に撮りたい作品が撮れる。だから、最近公開される娯楽映画の監督にピンク映画出身が多い…そんなイメージが在る。その辺りは詳しい人の著作やブログ等を参考にして貰いたいのですが…。

そうそう林由美香だ。

飯島愛がデビューした時期に林由美香はピンク映画に活躍の場を移した。
まるで新しい美少女AV女優達に押し出される様に…。異論は在るのでしょうが、これはあくまでも素人意見です。彼女をよく知る人達からすれば「決してそうじゃない!」って叫びたいところでしょうが。

本作品はその中で、1本の韓国で撮られた“Vシネマ”から彼女を読み取ろうとする。

発端は…。

彼女と関わりが深かった関係者とのインタビューを通して、《林由美香》とは何者だったのか?と問いながら、彼女が主演したVシネマとゆう名の韓国初?の《AV》作品を考察する。

言ってみればこれは、新藤兼人が生前の田中絹代を筆頭とする映画人にインタビューをして、日本の偉大な映画監督溝口健二を考察した『ある映画監督の生涯 溝口健二の記録』を模倣している様に思えた。果たして本人がそれを意識していたかどうかは、本人のみぞ知るのだが…。

しかし、これを完成に導くのはとても難しい。
インタビューだけで構成して行くのだから、どこかに“終着点”が必要になって来る。
新藤兼人はそれに対して、自分の師匠にあたる溝口と田中絹代との関係を知る強みから“ある一言”に終着点を求め、映画を完成させている。

監督松江哲明が見つけた終着点は、彼女が残した韓国作品のある1部分にその終着点を探し出す。
結果として日韓の文化の違いと共に、彼女と関わった男達の画面には描かれていない“確執”が炙り出されて来る事となった。
現実に彼女の《裏の裏》を知る者に取って、彼女の存在は決して消えてはいない。
一方監督松江哲明にとって彼女は《撮れなかった女神》である。
その辺りの、撮る側と撮られる側の間には大きな溝が伺われる。
曰わく「(彼女を撮るのは)お前じゃないだろう!」との空気。
※ 3 だからこそ今回の上映前に、林由美香及び関連特集上映の際に在った色々な出来事が、彼女関連の作品上映には今後も付き纏って行く可能性が強い。

映画の終着点は不思議な魅力に溢れている。
理想と現実を量りに掛けて夢を諦めた男。
日韓の文化の違いも在るが、彼女の作品に出た為に、以後チャンスすら貰えずにいた男等々。
最後に全員で…ちょっとウルウルとしてしまった(笑)

実にうまい具合に終着点を見つけた松江監督。映画公開前から評判になるだけの事は確かに在る気がします。
但し、本来の林由美香本人を考察する目的は、最終的に彼女が主演した作品の考察で終わった事が、少し残念な気もどこかに在るのも事実。
最後のセリフに関しても、裏で何か在ったのか?と思わせる位の弱腰で、明らかに逃げに入っているのがドキュメンタリーとしてはいただけない。

林由美香も飯島愛も亡くなった。
数多くデビューしたAV女優も、引退後のその後や転落した末路が時々報道される。
最近では彼女達をバラエティー等のテレビ番組で見る事も多くなった。
でもその中で林由美香の様に、死後になってまで関連書籍・映像が次々と話題になる女優が今後果たしてどれだけ存在するのだろう?
※ 4 北野武の映画のセリフでは無いけれど、「まだまだ始まったばかり」なのだから。

※ 1 レビュー後数作品を劇場で観た。正直言って、それ程面白い作品には残念ながら出会えてはいない。

※ 2 その後、AV女優になる為のステップとして。一旦アイドルを経験してから、その人気を利用して活動するAVの仕事をこなし、短期間に駆け抜けて行くアイドルAV女優が増えた。
アダルトビデオ初期を知るだけに、本当に嬉しい…ゴホッ!いや全くとんでも無い時代になったものである。

※ 3 この時の上映会には、確か平野監督との間で何らかのトラブル…とまでは行かなくとも、平野監督作品の上映が中止される事態が起こった。
平野監督はその後、『監督失格』を発表する。

※ 4 鑑賞直後のレビュー。

(2009年7月19日ポレポレ東中野)
aya

ayaの感想・評価

3.0
2005年に急逝して改めて評価を高めた女優の林由美香をテーマに、『童貞。をプロデュース』の松江哲明監督が彼女の足跡を辿るドキュメンタリー。

この映画より先に平野監督の「監督失格」を観ていたのですが、監督失格は監督と林由美香の濃密な関係を軸としてるので、平野勝之という男の目に映った林由美香という女性を個人の視点で表現しているという印象を受けた。
しかし、この作品ではその様な視点とは違う客観的な視点で撮られていて、林由美香という人間がそのまま映し出されていると感じた。

これを観たら彼女に入れ上げた男たちの気持ちもよく分かる!笑

観る人を選ぶ作品なのかもしれませんが、個人的には興味深く鑑賞できました!
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