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孤独の人
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『孤独の人』に投稿された感想・評価

ただ遠乗りするだけの自由も殿下には許されないんですか?

皇室というものを考えるきっかけになる作品

吉彦(津川)は侍従の前で泣いて訴える。映画の終盤で、今度はバンカラの岩瀬(小林)が銀座へ連れ出して帰ってきたところで、教務主任の前で同じように泣き崩れる。殿下にただ人間らしい生活を体験させてやりたいという青年の一途な想い。

『レベッカ』では画面は不在という存在に圧倒されたが、こちらは白手袋や顔の見えない姿が貴人の空気を伝える。女子生徒の写真を目にした時の、クラス会議で恋愛が議題に上った時の固く握った手。彼は周りから凄まじく隔絶されていた。

皇族だっておならもすれば、下ネタに笑ったりもする。これほどまでに人権を悉く奪われている存在が許されてよいのか。だが一方でこの考えは、戦争に敗れた新時代の雰囲気に飲まれすぎているような気もする。これに寄りそい過ぎるのは甘い気もする。
国学に始まり、水戸から長州へと激震のきっかけとなった尊皇思想。日本史ではこういうものが出てくると、かなりやっかいだもの。抑圧だからといって、もし後醍醐や後鳥羽のようなのがSNSをやり始めたとしたら・・・ 

彼らの殿下のためを思ってという空回りは226の青年将校にも近い。帝は幼い時から帝王学を授けられる。血気に逸った同級生たちが不用な心配などしなくてもよい、最後はそう大夫に諫められた。大体色々と悪い遊びを覚えて、もしマリネラの殿下みたいになったらどうするんだ 笑

と、ここまで考えたうえで、しかし2016年夏のあのビデオメッセージを振り返ると中々感慨深い。少しずつだが変わってきているのか。


原作では、学生同士の同性愛も赤裸々に描かれている。吉彦と岩瀬は後輩(の男子)を取り合った仲だという。戦国時代の武将か梨園のような光景がこの時代の学習院に残っていたのだ。

長らく、日本社会において菊・菱・鶴は三大タブーみたいなことをよく言われていたが、この小説はまさにこのタブーの領域に踏み込んだ。それをわずか23歳で発表した男、実はその男はもう一つのタブーとつながっている。

彼は学習院に学び、皇太子殿下のご学友となり新聞記者になる。結婚して妻もいたが、ある時、四谷にあったというバー「スポット」で年上の女と出会う。彼女の名はメリー喜多川。劇中では吉彦の年上の恋人で月丘夢路が妖艶な雰囲気を振りまいていたが、似たようなことがあったのかもしれない。

このメリーの後の思想行動に夫が影響を及ぼしたのではないか。慎太郎もそうだが、この藤島泰輔という人は恵まれすぎている。長者番付に何度も登場しているような人物で挫折がない。そして経歴をざっと見ただけでも分かることがある。徹底して大衆を侮蔑している。憎んでいるといっていい。

彼は事務所の発展期に大きな力を貸したと推測されるが、もっと核心にこの人物がいたのではないか。ジャニーのセクハラ メリーのパワハラといわれた帝国の成長にこの人物が大きく加わっていたからこそあれだけの成功を収めたのではないか。

こちらのタブーは剝がれつつある。これから明るみになるのを期待したい。
教授

教授の感想・評価

-
明治天皇から現代に至るまでの「天皇」の人となりに興味が湧いて色々見たり聞いたり調べたりしている中で本作を知った。

特に太平洋戦争終結後に「人間宣言」を行い、天皇は「神格化」を否定して「荒人神」ではなくなった。
それより以前から、そうは言っても伝統的に学習院で学業に勤しむなどで、民間人との交流は生まれる。
本作は平成天皇(現在の明仁上皇)の皇太子時代の「御学友」たちの物語。

主役を務める津川雅彦= 千谷のまだまだあどけなく、晩年の太々しさのない演技の清々しさ。
殿下=皇太子という「空虚の中心」によって翻弄される少年故の屈折。
「若者」という当時における「新しい世代」の登場と、その主張と、旧時代(そして現在も機能する)権威によって傷ついていく様を丁寧に表現している。

一方でもう一人の学友である岩瀬を演じる小林旭の初々しさもありつつ、既に堂々たる貫禄と、外圧や「大人」に対して優等生としての気品を保ちつつ反抗してみせるナイーヴさとタフさを湛えた演技の凄み。

何より「空虚な中心」たる皇太子殿下の威光や権威に対して、若者たちが驚愕する「大人の権威」の脆弱さ。
それは修学旅行のエピソードや、戦後の自由を謳歌しているはずの、その青春のイベントである恋愛においても分断の象徴となる「権威」の禍々しさに集約される。

「権威」の前では、自ずとその支配を内面化し、遜ることの歪さと、まだ「子供」である立場でできる反抗が皇太子を銀座に連れ出す程度でしかないという無常。

それらの社会階級的な格差や分断によって「天皇制」を描写しつつ、その日本において絶対的な伝統と権威の象徴の「周辺」を描くという物語的な視点が見事。
そして、それらを前傾化させず、爽やかな青春映画として仕立てた作劇が素晴らしく、とても面白かった。
YAZ

YAZの感想・評価

3.6
平成天皇高校時代の観る
芦川いづみ出演

学習院高等科御学友藤島泰輔の
ベストセラー小説の映画化で
皇太子と同級生達の青春映画

小説も賛否両論あったようですが
出版1年後に映画化ししてしまう
今では考えられないフットワーク
の軽さ、昔は許容性あったのですね

映画は男子高校生青春映画で
学習院の生徒は真面目だという偏見
を裏切る自由な環境です
皇太子は白手袋と声だけですが希望さ
れた生徒は御学友ということで学内で
交流を持てるよう

津川雅彦が主役扱いだけど実質は小林旭。
デビュー何本目か分らずクレジットも
その他の一人ですが皇太子と自由に付き
合おうとする純粋な青年を活き活きと
演じており好印象です

いづみ様女子部の生徒で小林旭の彼女で
すが制服姿も無くエピソードも拡がらず。
原作ではイロイロある役のようですが
映画版では華にもならずでした

かなり貴重な作品のようでいづみ様出演
知ってましたがこれは観れないだろうと。
配信してくれたPrimeに感謝であります

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