砂さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

砂

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GODZILLA 星を喰う者(2018年製作の映画)

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アニゴジ3作目。いよいよ満を持してギドラの登場である。

メカゴジラが破れ万策尽きた人類は、ついに諦めの境地に達する。そこで神への祈りといういわば逃避へと進むわけだが、これには計略があった。
諸々の後
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GODZILLA 決戦機動増殖都市(2018年製作の映画)

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アニゴジ2作目。
絶望的な前回から、自己増殖するナノメタルによって構築されたメカゴジラの残骸を発見することからストーリーが進む。

モスラの因子を受けついだ種族が登場し、侵略者たるメカゴジラの存在も感
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GODZILLA 怪獣惑星(2017年製作の映画)

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賛否のある評判に少し躊躇していたアニゴジ。
まだ一作目ではあるけど、思ったより普通に全然良かった。
冒頭で語られるこの世界の怪獣史は、設定だけ先にみていたのでここまで巻かれるのかと驚きはしたが。

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主戦場(2018年製作の映画)

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ここまで「いま観るべき映画」といえる作品は久々に観た。

まず映画は編集者の主観があり、ことドキュメンタリーという形式は主張を織り混ぜないことは不可能である。
そして私は中道であると思っているので、作
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デヴィッド・リンチ:アートライフ(2016年製作の映画)

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鬼才・デヴィッドリンチが自分を語るドキュメンタリー。最初に書くとかなり面食らった作品で、リンチや映画への観方が変わるような作品だった。

本作について。
構成としては意外にも、「作品について」はほとん
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A Film About Coffee ア・フィルム・アバウト・コーヒー(2014年製作の映画)

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コーヒーについてのドキュメンタリー"的"映画。私はコーヒーがとても好きで色々書籍を読んだりもしてるけど、映画はあまり観たことがなかった。
有名な作品には「おいしいコーヒーの真実」がある。本作は、生産者
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ニーチェの馬(2011年製作の映画)

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鑑賞から時間が経って、再鑑賞することで思うことが変わるのが芸術だけど、本作もその1つ。7年ぶりくらいになるだろうか、久々に借りた。
映画のあらすじについては割愛。

改めて観て注目したことは、生活にお
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Vision(2017年製作の映画)

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何と言えばいいか、とても言葉を整理するのが難しい映画だった。
プロットを軸にして考えるには難しく、森=様々な時間軸(記憶)が並行して存在する場所、と捉えて超越的な何か、観念的な、言語化しがたい何かを映
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アルビノの木(2016年製作の映画)

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私は二項対立する価値観を隠喩を用いて表現する作品や、生殺与奪を行う者の内面的葛藤を描いた作品が好きなので、本作はピンズドと思って借りた。
が、感想を言うと期待外れであった。

猟師を兼業とする主人公は
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泳ぎすぎた夜(2017年製作の映画)

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すごく穏やかで可笑しげのある「まなざし」の映画だった。
けっこう珍しい映画である。

舞台は冬の青森・弘前で、主人公の男の子の小さな冒険の物語…と書くと冒険譚っぽいのだけどそうではなくて、もっと素朴に
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フレンチアルプスで起きたこと(2014年製作の映画)

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「ザ・スクエア」が非常によくできた映画だったので、リューベン・オストルンド監督の作品を遡る形で本作を鑑賞。
アルプスのリゾートゲレンデで起きた出来事によって、夫婦の亀裂が修復不可になるすれ違いの様を5
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

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「ロブスター」「聖なる鹿殺し」など怪作を作るヨルゴス・ランティモス。今回題材としたのは、中世イギリスの宮廷で愛憎交えた権謀術数というのだから、とんでもないことになっている。


貴族の生活という虚栄の
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馬を放つ(2017年製作の映画)

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私はキルギスの歴史や文化に全く明るくないのだが、本作はそれらが非常に重要。が、物語においての意味合いは漠として理解できる。

*以下ネタバレ含みますが、そこまで重要ではないと判断したのでチェックはつけ
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ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

昨今ハリウッドにおけるヒーロー・怪獣など日本でいう特撮のジャンルはエンターテインメントの中に時代の表象を盛り込んでくるという作りがスタンダードとなってきているが、このゴジラも「モンスターバース」という>>続きを読む

GODZILLA ゴジラ(2014年製作の映画)

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新作を観る前に、復習がてら。公開時に観て以来なので結構内容忘れてた。

改めて今観ると、怪獣映画の文脈で「人が脅威に感じるもの」を描いていたように思える。日本人とアメリカ人にとって端的にトラウマを直球
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山<モンテ>(2016年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

豊穣をもたらす山は恵みであるが、荒涼とした緑なき山は生命にとっての試練である。

霧がかかり山頂が見えない岩山と不毛の大地に囲まれた、今にもうち倒れそうな粗末な家のカットから本作は始まる。
時は中世、
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空の大怪獣 ラドン(1956年製作の映画)

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huluにて鑑賞。
ゴジラシリーズに登場する怪獣、ラドン。単体での映画があったことを実は知らなかった。本多猪四郎が監督を務める本作は、初代ゴジラにも通じたテーマを持った特撮映画だ。

熊本・阿蘇の炭鉱
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透明人間(2018年製作の映画)

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13分の短編アニメーション。

本作における「透明」とは実存としての存在ではなく社会的存在としての「不在」を指しているのだろう。「モノ」には触れられるのに、「重さ」がなくて、人には見えない存在。生きて
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PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.3「恩讐の彼方に__」(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

サイコパスSS3部作の最後は狡噛の物語。
タイトルから、「狡噛の物語」の終焉を予想していたがそうではなかった。

前回の劇場版でもそうだったように、東南アジアが舞台になる手前どうしても話が単調になって
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ざくろの色(1971年製作の映画)

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アルメニアの詩人、サヤト・ノヴァの生涯を詩的なビジョンの連続で描いた(非)伝記的な叙事詩映画。

物語はあらすじを読まないと意味が汲み取れない。説明も会話もないし、直接的な描写もない。
言葉ではなく、
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ロブスター(2015年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

「聖なる鹿殺し」から遡る形で。ヨルゴス・ランティモスという人は本当にねっとりした会話とにじみ出るような変態性が随所にみられる。
本作もまったく奇妙な映画だった。各転換点において、「嘘」がキーワード。
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桜桃の味(1997年製作の映画)

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キアロスタミ作品でも人気の本作は少ない材料で、1つのメッセージを美しく描いた作品だった。

別作と同じくうねる道を車が走るというシーンが何度も続き、社内の会話劇がほとんどという作品。構図もパターンが限
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

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得体の知れない不安感がそのまま映画となったような、恐ろしく不気味な映画だ。

本作の特徴として広角の第三者視点(斜めに対象が配置されること多い)、じわじわと寄る/引くカメラワーク、小さなウソを重ねるど
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エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

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アレハンドロ・ホドロフスキーの自叙伝的映画。
普通の老人の回顧録とはやはり根本的な部分から違う。前作、「リアリティのダンス」から続いたところから話は始まる。
本作での主題は、「詩」と、「アイデンティテ
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ニンジャバットマン(2018年製作の映画)

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これが発表されたときタイトルだけで吹き出したが、バットマンで異世界転生モノのような何かをやろうという意味不明の発想を十二分に活かした怪作である。

バットマンへの愛情が感じられる演出の数々、アニメでな
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わが悲しき娼婦たちの思い出(2011年製作の映画)

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ガルシアマルケス原作、中編小説の映像化。
私はガルシアマルケスの作品が好きなので、映像作品はどうなるのか観てみたかった。
原作の内容は完全には覚えてないが、概ね同じだったと思うのでここは割愛する。
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ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

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非常に現代的な映画で、タイトルがまさに体を表した作品だった。

現代アートのキュレーターが関わることになるとある出来事と展示、2つの事柄から話が展開する。
この作品で中心となるのはタイトルの通り、「s
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風が吹くまま(1999年製作の映画)

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初めてのキアロスタミ作品。

自然と一全となった昔の生活を送る美しい山の村へ、珍しい葬式を取材するため訪れた主人公はその時を待つが終始何も起きない。あまりにゆったりとした時間の中で、村人たちとの交流を
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

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想像していた以上に様々なテーマが込められており、非常に難しい映画であったように思う。一言でこんな映画、と言うことができない。
物語で描かれるすべてがメタファーであるといっても過言ではない。
序盤は不和
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希望のかなた(2017年製作の映画)

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カウリスマキによる、難民三部作の二作目。
今回は中東からの難民問題を主題とした作品であり、いつものカウリスマキらしく普通の人々の人生が交錯するドラマである。

映画に登場するのは普段通りの冴えない人々
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PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.2「First Guardian」(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

先月に続いてのSS2作目。
今回は過去の話ということだが、今後を匂わせる展開もあり、かつ主要キャラの掘り下げも行われる。

1作目が2期の延長であったのに対し、こちらは1期を展開させたものだった(活躍
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祈り(1967年製作の映画)

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まず端的にこの映画を観賞後に出てきた言葉は、美しい映画的寡黙だった。
時代や宗教的意味合いを越え、非常に普遍性のある作品だった。

異なる宗教が対立し殺しあう地域で、抑圧的風習に懐疑を挟んだ男が内なる
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PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.1「罪と罰」(2019年製作の映画)

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すっかり長寿コンテストとなったサイコパス。
物語世界の背景が深化し、キャラクターのエピソードが独立しても成立する段階に達した。

なので、3作を連続上映するという、普段ならあまり良いとは思わない興行手
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虐殺器官(2015年製作の映画)

3.2

原作小説を読んでから時間が経っているので内容が忠実だったか、などは覚えていないが、こちらもハーモニー同様、「思ったより全然よかった」という出来だった。

ミリタリー関連の描写はどのようにされるのか気に
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家族の灯り(2012年製作の映画)

3.6

構図は何かの絵画がベースとのことで、画作りが非常に洗練されている。
抑制の効いた演出で、淡々と会話劇が繰り広げられる。
同一の構図で延々と続く繰り返しの会話、夜の雨、薄暗い灯り、物の少ない部屋、これら
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ひつじ村の兄弟(2015年製作の映画)

4.0

まず最初に言いたいのが邦題(フォント含む)、宣伝の嘘っぷりである。180°トーンが違う。これは非常にいただけない。カンヌ・ある視点で察するべきだが、明らかに狙う層を間違っている。

隣家に住んでいなが
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