そーたさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

そーた

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ヒドゥン(1987年製作の映画)

4.0

B級映画の本領

最近やたらと昔に見たB級映画を見返してます。
他に何かあったかなって探してみたら、ありました。

僕の中では隠れた名作。
うん、まさにタイトル通り。

人に寄生する凶悪な異星人を追う
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ブリキの太鼓(1979年製作の映画)

3.9

不条理

過去に僕がすがっていたものに最近になって対峙する機会がありました。
今となっては絶対的に必要なものではないんですけど、
ただその存在がやはり僕の気持ちだったり、生き方だったりの根底にあるんだ
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ゾンビコップ(1988年製作の映画)

3.8

バカは技術

アッバース朝と唐が激突したタラス河畔の戦い。
この時、唐の紙職人がアッバース朝の捕虜となったことで紙の技術がイスラーム圏に広まりました。
その後、紙の技術はヨーロッパにも広まりそこで活版
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

3.9

虚構と現実

僕はどちらかと言えば空気を読むタイプ。
でも本音としては、どんなときでも自分らしくいたい。

この映画でハーヴェイ・カイテルが見せてくれたように。

ヨーロッパにある架空の国ズブロフカに
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マニアック・コップ(1988年製作の映画)

3.9

B級映画への情熱

昔、マニアックな映画をひっちゃきになって探しては、VHSを買いあさっていた時期がありました。

その時にめぐり合ったのがこれ。

当時はどんぴしゃなネーミングだって喜んだのを覚えて
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スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン(2012年製作の映画)

2.8

切ない女子か祖父母のスタンスで

続編ばかり作られていく映画会社の戦略にまんまと乗せられてしまっている昨今。

とは言っても続きは確かに気になってしまうもの。
だから、ついつい見てしまう。

やはり、
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マイ・レフトフット(1989年製作の映画)

3.5

眩さ

先日、食中毒で2,3日寝たきりの生活を強いられました。

症状の激しさに満身創痍となりながらも、不甲斐ない自分に憤ってしまいました。
体が自由じゃないってほんとに辛い事です。

僕なんかは2,
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エルミタージュ幻想(2002年製作の映画)

4.8

永遠の人々

自分が映画好きであることに感謝する。
素晴らしい映画に出会えた時にこそそう感じてしまいます。

久々に身震いしてしまった1本。

歴史の迷路と化したエルミタージュ美術館を漂泊する二人の男
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アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)

4.2

記念すべき1本

今年は大きな変化があった年。
ひとり家族が増えました。

出産の前。
最後に映画を見に行こうと、
身重の奥さんを連れて見に行ったのがこの映画。

脳ミソ吹き飛ぶ日本産スプラッター。
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ザ・プレイヤー(1992年製作の映画)

3.4

玉ねぎ

先日「ジェイソン・ボーン」を見たんですが、お決まりの細かく目まぐるしいカット割りにはつくづく度肝を抜かされてしまいました。

このカット割りの多用と対極にあるのが長回しだと思いまして、
長回
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バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>(1987年製作の映画)

3.5

心理テスト

人との距離感って僕は結構気にしちゃいます。

近すぎず、遠すぎず。
この映画はちょっと近すぎだったかな~。

バグダット・カフェに流れ着いたドイツ人と店主の友情を、
様々な人間模様を織り
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フリーダ(2002年製作の映画)

4.6

「To Diego and Frida.」

何年か前に、名古屋市美術館のメキシコ・ルネサンス作品群なるコレクションの存在を知り、わざわざ新幹線と私鉄を乗り継いでそれを見に行った事があります。

そこ
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青いパパイヤの香り(1993年製作の映画)

3.9

変わるもの、変わらないもの

映画の技術発展に伴って美しさの表現手法は様変わりしたことでしょう。

特にサイレントからトーキー、
モノクロからカラーへの変換は大変な革新だったに違いありません。

音と
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ハリウッド★ホンコン(2001年製作の映画)

3.5

逆転の表現手法

不快なものは極力見たくありませんが、それこそが表現手法なんだとしたら。

じっとりした不潔さや香ってくるような生々しい質感の上に、
透き通るような美しさと無垢で純粋な感情を散りばめた
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悪魔の毒々プラトーン(1988年製作の映画)

2.9

言論の自由

人に薦められないものの方が、
薦められるものよりも圧倒的に多いでしょう。

その薦められないものの中に燦然と輝いて君臨しているのがこの作品。

トロマ製戦争ムービー。
飛行機事故から生還
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ノーカントリー(2007年製作の映画)

4.0

オカッパ頭

小津安次郎の東京物語。
裏解釈がどこかのサイトに載っていて面白いななんて思いました。

僕もあんな解釈してみたいけれど、
ああいう象徴的な映画の寓意性を読み解くのって日本人にはちょっと難
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アンダルシアの犬(1928年製作の映画)

3.5

実験の考察

ミレーの『晩鐘』を見たダリが、
「あの男は帽子で勃起を隠してる。」
と言ったそう。

なんじゃそりゃ!?

いやいや。
こんな事で驚くのはまだ早いんです。

ダリがルイス・ブニュエルと作
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ペテン師とサギ師 だまされてリビエラ(1988年製作の映画)

4.7

騙されないヤツが悪い

フランク・オズと聞いてピンと来るのはヨーダ。

でもそれはこの映画を観るまでの話。
これからはこの映画を真っ先に思い浮かべようと思います。

「考えるな。騙されるのじゃ。」
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ザ・ロック(1996年製作の映画)

4.0

うな重

若い時分、映画のエンターテイメント性にとことん魅了されてしまった時期がありました。

そのきっかけとなった作品がこれ。

アルカトラズを乗っ取った元海兵隊准将率いる武装集団に対して、元イギリ
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ケンタとジュンとカヨちゃんの国(2009年製作の映画)

3.0

心の暗部

映画がもたらすのって心地いいものだけじゃないんです。
不快な気持ちだって立派なメッセージ。

でもこの映画、できればもう見たくはありません。

北海道を目指して旅する3人の男女。
社会に疎
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バッファロー’66(1998年製作の映画)

4.5

金太郎飴

最高な映画ってどこをとっても最高なんです。
なんだか金太郎飴みたいだ。

この映画もそう。
どこを切ってみてもヴィンセント・ギャロこだわりのセンスが顔を覗かせていました。

家族に嘘をつく
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ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

3.8

抑えの効いた名演

映画って熱量を持っていると思うんです。
その熱量が人の心を動かすんであれば、必ずしも熱量が大きい方がいいとは限らない。

少ない熱量でも人の心は動かされる。
この映画がまさにそうで
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横道世之介(2013年製作の映画)

4.5

記憶に残したい映画

人の記憶。
何かの拍子に呼び覚まされて、懐かしくなったり楽しい気持ちになる。

記憶の粒が弾けたかのように、パーっと頭のなかに昔の雰囲気や当時の感情が拡がっていく。

でも、僕た
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SHAME シェイム(2011年製作の映画)

4.1

恥を照らし出す光

ベットに寝ている裸の男。
不意に起き出して勢いよくカーテンを開ける。

入り込んだ日差しに照らされ、ベッドに浮かび上がるタイトル。

この映画のオープニング。

体に電流が走ったよ
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シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

4.5

感謝

僕は小さい頃、ゴジラとドラえもんで育ちました。

数年前のドラえもんの3D映画。
賛否はあったようだけど僕はすごく楽しめた。

ならばゴジラもと勇み足で見に行った今回の作品。
ゴジラに対して日
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パラダイス・ナウ(2005年製作の映画)

3.5

爆発を表現する

普段、映画の爆発シーンを怖いとは感じません。
むしろ、アクション映画に至っては爆発シーンを期待して見ている。

でも、この映画の"爆発描写"。
本当に怖かった。
逃げ出してしまいそう
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デスプルーフ in グラインドハウス(2007年製作の映画)

3.5

トラウマムービー

映画をある程度見ていくと筋がわかってきますよね。
だから、その読みを逆手に取られるとそう来るかと唸りますね。

でも、悪意のあると言うか意地の悪いと言うか、はたまた挑発的と言うのか
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スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望(1977年製作の映画)

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そうだタトゥイーンへ行こう

ここまでレビューの書きづらい映画は他にありませんでした。

何度書き始めても、スマホを打つ手が止まってしまう。

作品に対する思いが強すぎて言葉に出来ないんです。

今さ
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ディア・ドクター(2009年製作の映画)

4.2

そのもの

惻隠の情。
人に対して抱くいたたまれない気持ちの事。
井戸に落ちそうな赤ちゃんに手を差し伸べる時の気持ちなんかを指すんだとか。

喫茶店でぶっ倒れる香川照之に手を差し伸べる気持ちでもいいな
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父、帰る(2003年製作の映画)

4.2

実はパンクな映画なのかもしれない。

高校生の時にニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』に挑戦してみました。

あまりに理解できなかったので、国語の先生のとこへ質問に行きました。

そしたら、
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スターシップ・トゥルーパーズ(1997年製作の映画)

4.0

重量級だぁ!

初めてAVを見たときに、こんなの見ていいのかよ~!って思いました。

遥か昔、若かりし頃の青い思い出。

それと同じような感覚に、暗い劇場の中でなった事があって、それがこの映画。
余り
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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

4.0

人生に幕ひきなんて出来ません

フィルマークスにはまって早一ヶ月。
日課のランニングをすっかりサボり、1日1本計画の映画鑑賞もなあなあになって、ひたすらにレビューを書く毎日。

久々にレンタルでもしよ
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HUNGER ハンガー(2008年製作の映画)

3.6

人間には尊厳がある

まだまだ知らないことがいっぱいありますね。

1980年代のイギリスでは、爆弾テロや暗殺が横行していたそうです。

原因はイギリスからの独立を目指す北アイルランドの武装組織IRA
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プラネット・テラー in グラインドハウス(2007年製作の映画)

3.2

さぁ、ゾンビをぶっ殺そう!

わくわくすることが余り無くなってきた昨今。
B級映画で気晴らししてみるのはどうでしょう。

ロバート・ロドリゲスが放つ超B級ゾンビ映画。
いやいや、モラルの崩壊っぷりが最
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縞模様のパジャマの少年(2008年製作の映画)

3.5

ホラー映画

ダメだよ、そっちに行ったら!
ほらダメだってば!

ホラー映画を観るときにこんな事を思ったりしますね。

それならば、ご多分にもれずこの映画はホラー映画だと強く主張したい。

ドイツ人少
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カンダハール(2001年製作の映画)

3.2

シュールの条件

アンドレ・ブルトンという人がシュルレアリスム宣言というものの中でシュルレアリスムを定義したそうです。

正直シュールの意味は今だに分かりませんが、シュールなものがどんなものかは自分な
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