改名した三島こねこさんの映画レビュー・感想・評価 - 40ページ目

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

4.2

マフィア映画の大傑作。

"ギャング"でなく"マフィア"と表現するべき三時間全域に緊張感に満ちた映像。冒頭の結婚式のシーンからして不穏な空気が張り詰めており、これがマフィアの空気なのかと鼻腔が葉巻の香
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ハーモニー(2015年製作の映画)

3.9

顔のない世界へ。

舞台は幸福なディストピア世界。世界観としてはコンピュータ様が優しい『Paranoia』か。事件展開は『バビロン』風味。

SNS上では近未来SF×百合ということだったが、内容はやは
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アンタッチャブル(1987年製作の映画)

3.3

"Never stop fighting till the fight is done"

禁酒法時代の実話をベースにしたギャング映画。

ストーリーはひねったところはあまりなく、大衆ウケのよさそうな
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映画 けいおん!(2011年製作の映画)

4.2

あのアニメ史に残るゆるゆる軽音楽漫画劇場版!

今回もゆるい!ゆりい!ゆるゆりん!

卒業旅行どうしよう!
ロンドン!
イギリス!
ヨーロッパ!

『マスター、いつものけいおん!ひとつ』
『用意してあ
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ライフ・イズ・ビューティフル(1997年製作の映画)

3.8

ナチスのユダヤ人迫害をテーマにした作品の中でも有名な一作。最初から最後まで張り詰めた重苦しい作品を予感していた。
視聴してみると最初はコメディタッチで困惑。これは本当にナチズムの話なのかと何度もタイト
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ミリオンダラー・ベイビー(2004年製作の映画)

3.7

どこまでいっても救われないヒューマンドラマ。

マギーをとりまく環境は開幕の時点で贔屓目に見てもいいとは言えない。バイト先の食べ残し。借り物のパンチングボール。女性御断りのボクシングジム。そこからいか
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300 <スリーハンドレッド>(2007年製作の映画)

3.4

史実映画版『ONE PIECE』

最初は堅実な歴史大河かと予想していたのだが、エフィアルテスが登場したあたりから雲行きが怪しい。そこからは中世の見世物小屋やサイレントヒルの▲様を意識せざるを得ないよ
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最高の人生の見つけ方(2007年製作の映画)

3.3

いわゆる余命宣告モノ。

正直に言ってこういったテーマは御涙頂戴の展開が前提のようなところがあるので、オープニングの時点ではやや冷めた目で見ていた。しかしながら作品の構成がかなりしっかりとした筋立てを
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ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年製作の映画)

3.3

あの陰惨な『セブン』と同監督作品とは思えないただただ丁寧に編み込まれた数奇な人生の物語。

山場がないと言えば言葉が悪いのだが、この作品においてはその数奇ではあるが波乱万丈ではない穏やかさが作風に合っ
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ジグソウ:ソウ・レガシー(2017年製作の映画)

3.5

シリーズ終了後の番外編。今回でもジョン・クレイマーはバリバリ現役で登場。やはりSAWはこうでなくては。

本作はとある事情からホフマンやアマンダ主催のゲームと異なり原点回帰して、"自らの罪と向き合う更
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THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

3.6

事前評に違わず緊急電話対応室内だけで物語が展開する、製作陣の熱意が伝わってくる意欲作。

こういった特定空間のみで物語が展開されるという評判は法廷ミステリなどでも評として見られるが、それでも物語に深み
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真夏の方程式(2013年製作の映画)

3.4

『ターミネーター2』にしてもそうでしたが、頼れる大人と子どものタッグってどうしてこんなに心惹かれるのでしょう。

原作を未読なものだから突っ込んだコメントは差し控えますが、子役の山崎光君の素朴な雰囲気
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ソウ ザ・ファイナル 3D(2010年製作の映画)

3.4

いよいよホフマン警部のビックリドッキリ殺人ショーの側面が強くなってきたシリーズ最終作。

今回のゲームもホフマン製だけあって無茶苦茶感が強いけどそこはご愛嬌。最初の振り子ゲームだけやたら難易度低そうに
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少女生贄(2013年製作の映画)

1.6

ンボボボボボォォ!!!

このキャッチコピー考えた宣伝担当者は天才だと思いますね。ここまでB級感溢れる映画をネタ映画的な方向ではあるがとてもキャッチーにしているのは本当に天才。

作品の評価はですね…
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ソウ6(2009年製作の映画)

2.7

いよいよ物語も佳境に差し迫ったシリーズ第6弾。ホフマン主導のゲームもいよいよ真髄を見せる。

しかしながらこれまでのシリーズ以上に「これはSAWなのか…?」という今ひとつ感が強い一作。というのも今作の
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東京ゴッドファーザーズ(2003年製作の映画)

3.4

幻想的な作品を手がけることの多かった監督作品なだけに、今回のヒューマンドラマ的な作品を描いているのはかなり意外であった。
しかしながら作品の節々に見られる表現はやはり同監督作品であるクセが見受けられる
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ソウ5(2008年製作の映画)

3.4

ジグソウが代替わりをした第五弾。

ホフマン版ジグソウは無理ゲーが多いというような評がありがちだが、今回のゲームに関してはそこまで無理なゲームではないようにも思われる。解答に気がつくことができたのであ
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ソウ4(2007年製作の映画)

3.2

ジグソウの死後に展開されるシリーズ第四弾。

形だけの模倣ではなく、被験者の生存の可能性が残されているのはやはり前作のパチモンとは違う。
しかしながら回想とはいえいつまでもジョン・クレイマーがひっぱり
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ソウ3(2006年製作の映画)

3.0

シチュエーションスプラッター映画の第三弾。

第一作は傑作なのだが、第三作ともなるといよいよその傑作ぶりをわざわざ自分から解体しにきている。たしかに見ていて楽しいくらいの残虐ぶりなのだが、SAWはあの
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リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

3.5

最高クラスの実話映画。

スニッカーズやゲームセンターといったリチャード側の小市民的な描写を冒頭に丁寧に行った結果、事件から雪だるま式に事態が悪い方向に転落していくのを嫌という程に実感させられる。
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オールド・ボーイ(2003年製作の映画)

2.8

韓国産巌窟王

というようなイメージしていたのだが、箱を開けてみたらノックスの十戒の重要性を理解することになるトンデモ復讐劇。展開は薄々予想がつくのだが愉快な展開もある…しかしそれがおおよそ第五則に抵
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エクソシスト/ディレクターズ・カット版(2000年製作の映画)

3.3

話題性に事欠かないホラー映画の金字塔。少女リーガンのブリッジしながら階段を降りてくるシーンは知らない人の方が今では珍しいだろう。

何気にBGMの"Tubular Bells"はみんなご存知だったりす
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シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション(2018年製作の映画)

4.1

控えめに評価しても100点満点大満足の洋画版シティーハンター。吹替においても神谷氏がゲスト出演していたり、主題歌をGet Wildにしていたりとファンサービスが完璧。

シティーハンターが好きなら「見
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アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

4.0

SNSで近年いじりにいじられている近未来SF漫画の傑作。誰でも知っている金田のくだりなどは笑っていたが、視聴してみれば台詞回しが粋な秀逸なシリアス場面であった。

一応SFに分類されてはいるのだが、世
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サイコ(1960年製作の映画)

3.0

古典名作サイコミステリ。

倒叙式のミステリ仕立てなので当時としてはかなり珍しかったのだろうなと拍手を送りたい。しかしながらこういった形式は現代では古畑任三郎などの傑作ドラマも珍しくないので、名作では
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TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ(2015年製作の映画)

3.4

長瀬智也はどんなメイクをしても似合うしかっこいい。冴えないオッサンの役でも造形がイケメンにしか見えない。

ストーリーは基本的にはちゃめちゃなのでメッセージ性とかそんなことを気にしたら負け。どたばたコ
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ブラック・スワン(2010年製作の映画)

3.9

鬱々とした官能的な美的映画。

ナタリー・ポートマンと言えばかの大傑作『LEON』だ。『LEON』のマチルダは幼年期の純粋さと苛烈さを体現した可憐さを武器としていた。あれから十余年。今作では無垢な美し
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バットマン(1989年製作の映画)

3.5

初代映画版バットマン。ヒース・レジャーがジョーカーを演じるノーラン版バットマンばかり人気とされるが、ジャック・ニコルソンのジョーカーも独特な魅力がある。

ヒース・レジャー版ジョーカーはバットマンの対
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

4.1

ホラー映画の教科書。

『エクソシスト』『オーメン』『シャイニング』などの名だたるホラー映画の傑作のいいところをかき集めたような傑作。
スプラッターとまではいかない万人が見られるゴア表現。劇的で非現実
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俺たちに明日はない(1967年製作の映画)

3.4

史実犯罪映画の古典名作。

'60年代製作だというのにこの頃には銃撃戦や爆破、カーチェイスといった王道が完成していたことにまず驚き。タランティーノ作品のように軽快な音楽で重苦しい犯罪劇に独特な風味を与
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カポーティ(2005年製作の映画)

3.6

死刑囚と作家。

T・カポーティを演じるフィリップ・シーモア・ホフマンの演技が独特で奇人変人である作家という役職をよく表現しつつ、味のある登場人物としてカポーティを確立している。
カポーティが極めて人
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ミザリー(1990年製作の映画)

3.6

クソ女×クソオタク

オタクという言語が世間に浸透する以前に発表されたサイコスリラーの金字塔的作品。ただし近年の世相からするとこんなめんどくさいオタクよくSNSで見るよねとまた違った生理的嫌悪感を覚え
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ザ・ギフト(2015年製作の映画)

2.9

(主人公の旦那が)胸糞映画。

半分くらいまで作品を視聴したあたりでサイモンにむけて中指を突き立てたくなること請け合い。悪役であるはずの方を応援したくなるのでそういう意味では稀有な映画。

オチは主人
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ザ・セル(2000年製作の映画)

3.4

悪夢を具現化したような映像に嫌悪感とともに魅了される不思議な映画。サイコサスペンス調ではあるのだが、作品の顛末よりも犯人の脳内世界の展開に気が向いてしまう。

作中の悪夢は黒と赤ではなく、多彩なカラー
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遊星からの物体X(1982年製作の映画)

4.5

古典的モンスタースリラー映画。
近年のCGでの怪物造形を見るとこの作品からオマージュしたのだなという心当たりが多く、スリラー映画としてだけでなく映画史的にもなかなか興味深い作品。

この作品のミソはモ
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フリーソロ(2018年製作の映画)

4.3

初のドキュメンタリー映画。

モキュメンタリー映画は何度か視聴していたが、これもその類ではなかろうかと邪推してしまうほどに圧倒的な自然美と高低差の恐怖に身体が竦む。これが実録だと聞いてもにわかには信じ
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