sonozyさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

ブラックベリー(2023年製作の映画)

4.0

iPhoneが登場する直前まで人気を集めたスマホの元祖・物理キーボード付き「BlackBerry」の栄枯衰退物語。

BlackBerryの歴史を捉えた書籍『Losing the Signal』をベー
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コシュ・バ・コシュ 恋はロープウェイに乗って 4Kレストア版(1993年製作の映画)

5.0

『ルナ・パパ』と併せてこちらも4Kリマスターで観れた幸せ。(以前見た時はVHSの低画質でした)
ヴェネツィア国際映画祭: 銀獅子賞

内戦下のタジキスタンの首都ドゥシャンベ。
モスクワから久々に父の暮
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ルナ・パパ 4Kレストア版(1999年製作の映画)

5.0

以前、レアな中古DVDを入手して虜になったチュルパン・ハマートヴァちゃんが4Kレストア画質で観れた幸せを噛みしめる日。
チャルパンちゃんが全シーン尊いので(笑)、BDリリースか配信もして欲しいなぁ。

海を待ちながら(2012年製作の映画)

3.5

中央アジア・タジキスタンのバフティヤル・フドイナザーロフ監督の遺作。

陽気な船長マラットは、ある日、嵐が来るから3日間は海に出ては行けないという忠告を無視し出港。
マラットの妻ダリが懇願して乗船し、
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ドミノ(2023年製作の映画)

3.0

ベン・アフレック主演、ロバート・ロドリゲス監督/脚本による”催眠(hypnotic)”がテーマのSFスリラー。

刑事ダニー・ローク(ベン・アフレック)がセラピストの前で、7歳の愛娘ミニーが公園で一瞬
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天使の影(1976年製作の映画)

4.0

1975年に上演され“反ユダヤ的である”と大炎上したというR.W.ファスビンダー脚本による戯曲『ゴミ、都市そして死』をダニエル・シュミットが映画化。
7月にBunkamuraで特集上映されますね。
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怪人現る(1928年製作の映画)

3.5

ニューヨークのフリスビー家の屋敷。
主人、娘、料理人、メイドらしき4人が暮らしているが、モジャ髭に丸メガネのハゲ爺さんの幽霊(怪人)が現れた!となぜか遠いイギリスのスコットランドヤード(警察)に連絡す
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ほらふき倶楽部(1926年製作の映画)

4.0

一人づつ作り話をメンバーに聞かせて競い合う紳士7人の「ほらふき倶楽部」。
今日もテーブルを囲んで順に作り話を披露していたが、1人のメンバーが、これでは次回の支部とのほらふき対戦で勝てないと外へ出ていく
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セコンド/アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへの転身(1966年製作の映画)

5.0

ジョン・フランケンハイマー監督によるサイコロジカル・ホラー。

ソール・バスによるクローズアップの男の顔を歪ませた映像と不穏なサウンドのオープニングタイトルから引き込まれ、会社を終え駅に向かう中年男に
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全自動レストラン(1926年製作の映画)

4.5

サイレント映画時代末期の1920年代後半、実写のスラップスティックとストップモーション・アニメーションを融合させた短編映画を20本製作した、チャーリー・バワーズ。
『たまご割れすぎ問題(Egged O
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Rodeo ロデオ(2022年製作の映画)

3.5

ローラ・キヴォロン監督のデビュー作。
バイクを偏愛する狂犬のようなキャラのジュリアの物語。
カンヌ国際映画祭 ある視点部門で、Jury Coup de Coeur(審査員の心を射抜いた作品)受賞

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たまご割れすぎ問題(1926年製作の映画)

4.0

サイレント映画時代末期の1920年代後半、実写のスラップスティックとストップモーション・アニメーションを融合させた短編映画を20本製作したという、チャーリー・バワーズ。
その記念すべき実写映画第一作。
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なぜ人間は創造するのか(1968年製作の映画)

4.0

ソール・バスが共同脚本&監督した短編。
オスカー 短編ドキュメンタリー賞受賞。

8章に分かれ、ユニークなアニメ、映像、偉人たちの言葉…etcから「人間はなぜクリエイト/創造するのか?」を楽しく紐解い
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ソール・バスの映画タイトル集(1977年製作の映画)

3.5

グラフィックデザイナーとしてのスキルで、キャスト&スタッフ紹介の機能に留まっていた映画のタイトルデザインを一変させたソール・バス Saul Bass。

彼のインタビューと、10の作品のオープニングタ
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遠い声、静かな暮し(1988年製作の映画)

4.5

テレンス・デイヴィス監督の自伝的作品。
1940~50年代のリバプールで、暴力的な父親と暮らした労働者階級の家族の物語。(ジャケ写左から母、トニー、アイリーン、メイジー)

ノスタルジックな質感の映像
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空手ガール(1973年製作の映画)

2.0

「映画史上最悪の死亡シーン」があるという1973年のトルコ映画の情報を見かけて。レビュー少な。笑

トルコ語の原題『Karateci Kiz』が「カラテキッズ」みたいに見えますが英語では『Karate
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ジュリア(s)(2022年製作の映画)

4.5

オリバー・トレイナー監督の長編デビュー作。
脚本は妻のカミーユと共作。音楽は兄or弟?のラファエルが担当。

海辺を歩く赤ちゃんの頃のジュリアの映像に、人生を導くものは、偶然なのか、人との出会いなのか
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ナチスに仕掛けたチェスゲーム(2021年製作の映画)

3.5

ドイツのフィリップ・シュテルツェル監督による、オーストリアのシュテファン・ツヴァイクの1942年の遺作小説『The Royal Game(チェスの話)』を大胆に翻案したという作品。

チェスの盤面と、
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マイ・ファースト・ミスター(2001年製作の映画)

4.5

女優クリスティーン・ラーチの初長編監督作。
『My First Mister(≒私が初めて愛した人)』

ジャケ写の二人、高校を卒業したばかりの17歳の顔ピアス多数&ゴスパンクなJ(ジェニファー)と、
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(2021年製作の映画)

3.5

『オオカミの家』のレオン&コシーニャ監督に惚れ込んだアリ・アスターのプロデュースによる短編ストップモーションアニメーション。

チリが新憲法を起草する中、世界初のストップモーションアニメーション映画が
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オオカミの家(2018年製作の映画)

4.5

チリのビジュアル・アーティスト、ストップモーション・アニメ制作のデュオ、レオン&コシーニャ(クリストバル・レオン&ホアキン・コシーニャ)の初長編作品。

チョーク、絵の具、粘土、紙、人形など様々なオブ
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

5.0

SISU(シス)、それは直訳出来ないフィンランド語。
緊迫した状況下にあっても、揺るがない勇気と、想像を絶する決意。
すべての希望が失われた時に現れます。
・・という説明からスタートする本作。

19
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80 For Brady : エイティ・フォー・ブレイディ(2023年製作の映画)

3.0

80代の親友の女性4人が、NFLのニューイングランド・ペイトリオッツ(愛称パッツ Pats)のスター・クォーターバックであるトム・ブレイディの大ファンとなり「80 for Brady」と入れたお揃いの>>続きを読む

アルマゲドン・タイム ある日々の肖像(2022年製作の映画)

3.0

ジェームズ・グレイ監督の半自伝的作品。1980年のニューヨーク、公立学校に通う12歳の少年ポールの物語。

ポールの自称・大金持ちの(実はそこまでではない)ユダヤ系のグラフ家。PTAで活動する母エスタ
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アメリカン・ストーリーズ/食事・家族・哲学(1988年製作の映画)

3.5

ニューヨークで生きるヨーロッパ出身のユダヤ系移民の老若男女が次々と登場し、夜の屋外で、彼らの過去やアメリカでの現実を語る展開の中、ユーモラスな寸劇チックなネタも入りつつ、後半は野原に並べたテーブルにそ>>続きを読む

ラヴ・アット・ファースト・ファイト(2014年製作の映画)

4.5

フランスのトマ・カイエ(Thomas Cailley)監督の初長編作。

父が亡くなり、家業である木工関連の仕事を始めたラブレッド兄弟(マヌーとアルノー)。
アルノー(ケヴィン・アザイス)が、リクルー
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神々の深き欲望(1968年製作の映画)

4.0

今村昌平監督による、南の孤島で土俗的な原始信仰に生きる島人の生と性を描いた作品。やっと観ました。
ストーリーも映像も、濃度・粘度が高い、ものすごい世界。

沖縄県の南大東島、波照間島などで撮影され、赤
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サバカン SABAKAN(2022年製作の映画)

4.0

脚本家・金沢知樹の初監督作品で、監督の故郷である長崎県長与町などを舞台に、実体験も織り交ぜて描かれる、小学5年生の久田(ヒサちゃん)と竹本(タケちゃん)の友情。

作家にはなったものの、妻とは離婚。定
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⻘いカフタンの仕立て屋(2022年製作の映画)

4.0

モロッコの女性監督マリヤム・トゥザニの長編2作目。

モロッコ、サレの旧市街。
小さな仕立て屋を切り盛りする職人ハリムと妻のミナ。最近雇った見習いの青年ユーセフ。3人の物語。

オープニングに美しいブ
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シモーヌ フランスに最も愛された政治家(2022年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

フランスの女性政治家シモーヌ・ヴェイユ(Simone Veil)の壮絶な人生を描く物語。
オリヴィエ・ダアン監督の、『エディット・ピアフ 愛の讃歌』『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』に続く、世紀
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オペレーション・フォーチュン(2023年製作の映画)

3.0

ガイ・リッチー監督の新作。ちょっと分かりにくいタイトルのスパイもの。
Operation Fortune(フォーチュン作戦): フォーチュンはジェイソン・ステイサム演じる主役オーソン・フォーチュンの名
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AIR/エア(2023年製作の映画)

3.5

ナイキのバスケシューズのシグネチャーブランド「AIRジョーダン」の誕生/マイケル・ジョーダンとの契約設立にまつわる実話がベースの作品。
思ったより早くアマプラに来ましたね。

成功したランニングシュー
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帰れない山(2022年製作の映画)

4.5

イタリア文学の最高峰・ストレーガ賞に輝く国際的ベストセラー小説『Le Otto Montagne / The Eight Mountains』の映画化。
ベルギー出身のフィリッポ・ティーミエレナ・リエ
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ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)

4.5

ケネス・ブラナー監督の『ベルファスト(2021)』でも有名な、プロテスタントとカトリックの対立が長く続く北アイルランドのベルファスト。
その治安の悪い地域にあるカトリック系の「ホーリークロス男子小学校
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サン★ロレンツォの夜(1982年製作の映画)

4.0

タヴィアーニ兄弟の実体験がもとという戦時下のドラマ。
8月10日、流れ星が降り、願いが叶うという聖ロレンツォ(San Lorenzo)の日の夜。
星空が見える窓の開いた静かな部屋で、姿の見えない女性が
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父 パードレ・パドローネ(1977年製作の映画)

4.0

イタリアの荒涼とした孤島を舞台に、後に言語学者となる羊飼いの青年と粗暴な父との確執を綴ったガビーノ・レッダの自伝小説をタヴィアーノ兄弟が映画化。カンヌ国際映画祭 パルムドール& 国際映画批評家連盟賞受>>続きを読む