鹿苑寺と慈照寺さんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

静かなる叫び(2009年製作の映画)

4.0

【男の子が生まれたなら愛を教え、女の子なら世界に羽ばたけと教えます】

1989年12月、モントリオールの理工科大学で起きた銃乱射事件。
男子学生の1人がライフル銃で14人もの女学生の命を奪い、自殺し
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なぜ君は総理大臣になれないのか(2020年製作の映画)

4.5

【こんなにも熱い政治家が日本にもいたのか】

まず僕自身の政治に対するスタンスは「諦め」である。

政治に対して高尚な、理想主義的な思いを抱いていたとしても、どうせ無理だろうという諦めだ。

理想を掲
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

3.8

ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキ、5つの都市の同じ夜に繰り広げられる、タクシー運転手と客のなんてことはない会話劇。

特に大きな事件が起きるわけではなく、とにかくタクシー運転手と客
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デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

3.7

アメリカの田舎町の警察署で働くロバートソン保安官(ビル・マーレイ)とピーターソン保安官代理(アダム・ドライバー)。平穏な日常を送る中、突如としてゾンビが出現し……。

「まずい結末になりそうだ」と劇中
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ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)

3.9

ダラしない主人公ショーンは恋人リズに愛想をつかれフラれてしまう。親友のエドと夜通し飲み明かしていると、街はゾンビで溢れ地獄と化していた。

ゾンビ映画では珍しいコメディタッチでめちゃくちゃ笑えたし、そ
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マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

4.6

【想像の斜め上を行く異次元ホラー】

前衛的と表現してもいいポスタービジュアルと予告編の攻撃力ぶりに「これはめちゃくちゃヤバい作品だ!!!」と期待値爆上がりで臨んだところ、僕の想像力なんてミジンコほど
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アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

4.2

一見幸せそうな家庭に見えるも、レスター(ケビン・スペイシー)は人生に疲れきっており、妻や娘との関係性は最悪。おまけに会社ではリストラ要因。そんな中、レスターは娘の同級生アンジェラに出会い、心を奪われて>>続きを読む

9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

4.4

世界的ミステリー小説「デダリュス」の世界同時発売のために9人の翻訳家がシェルターに集められた。インターネットの接続が禁止され、徹底的に情報の遮断を行う中、出版社社長に本編を流出させるとの脅迫メールが届>>続きを読む

デトロイト(2017年製作の映画)

3.9

1967年。デトロイトで黒人たちが起こした暴動の裏で、若い警官たちが起こした黒人たちへの不当な尋問、暴力、殺人を描く。

中盤から終盤にかけて続く尋問と暴力の描写がなかなかきつい。
今の時代に生きる僕
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ボクたちはみんな大人になれなかった(2021年製作の映画)

4.3

佐藤(森山未來)はfacebookでふいにかつての恋人・かおり(伊藤沙莉)のことを見つけてしまう。

2020年から過去へ過去へと遡るように進行していく物語の中で何度も登場する「普通」という言葉。
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ひらいて(2021年製作の映画)

3.9

掴みどころがなく情緒不安定であり、自分の利益のために打算的にもなれる主人公・木村愛(山田杏奈)。

そんな複雑な心情を持つ登場人物でありながらも、元来の目の奥の闇と怪しげな雰囲気を纏わせている山田杏奈
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縞模様のパジャマの少年(2008年製作の映画)

4.0

軍人を父親に持つブルーノとユダヤ人強制労働施設に収容されている少年シュムエルとのフェンス越しの対話。

8歳の幼い子供にナチスだとかユダヤ人だとか戦争だとかそんな残酷な現実なんか理解できるはずがない。
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由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.6

いじめ自殺事件を追うドキュメンタリーディレクターの由宇⼦(瀧内公美)は、学習塾を経営する父(光石研)が犯したあることを知ることになる。
というのが本作のストーリー。

先日、「空白」という作品を観に行
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猿楽町で会いましょう(2019年製作の映画)

4.0

駆け出しの写真家・小山田(金子大地)と読モの田中ユカ(石川瑠華)。写真を通してユカに惹かれていく小山田。やがて小山田とユカは付き合うようになる。小山田とユカの甘酸っぱい青春ラブストーリー。


ってい
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パージ:大統領令(2016年製作の映画)

3.9

シリーズ完結作!!!
なかなか綺麗に着地したと思います。

第1作も面白かったけれど、第2作の方がより面白かったし、本作も第2作と同じくらい面白かった。

シリーズが進むごとにバイオレンス描写が抑え目
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

4.5

恒例のド派手なカーチェイスなどの追走激が始まるかと思いきやなんだかいつもと違い、雪で囲まれた家に親子が住んでいるシーン。そこに忍び寄るひとつの影。
とにかくいつもと違う。
そうこうしていると、これはマ
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パージ:アナーキー(2014年製作の映画)

3.9

前作は家の中という閉鎖空間での攻防だったけど、本作は逃げ遅れた人たちと協力しながら生き延びるというのがテーマ。
前作より面白かったな。僕は好き。

前作はあまりにも主人公が豪語する防犯設備があっけなく
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パージ(2013年製作の映画)

3.8

犯罪が激増したアメリカでパージ法なる法律が成立した。それは、年に1度、12時間だけ殺人を含むいかなる犯罪も認めるというもの。警察も医療期間も消防機関もすべて活動が停止される。
そんな1年に一度の犯罪が
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悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)

3.7

名作スラッシャー作品をようやく観ました。
終始ざらついた画質が良いですね。

レザーフェイスが登場するシーンには少しびっくりしました。意外な登場の仕方だし、急なので怖い。
レザーフェイスはマジで怖いな
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空白(2021年製作の映画)

4.7

添田(古田新太)の娘が青柳(松坂桃李)のスーパーで化粧品を万引きした。青柳は逃げた娘を追いかけ、果てに娘は車とトラックに轢かれ死んでしまう。
マスコミの報道が加熱する中、添田は「娘は万引きしていない」
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007 スペクター(2015年製作の映画)

4.3

本作は冒頭の追走激は控えめだけど、ヘリコプター内の格闘は見応えあり。ヘリコプターに始まり、ヘリコプターに終わるのも良い。

前作では少し衰え、時代に取り残されたボンドを描いていた。
本作ではボンドだけ
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ガタカ(1997年製作の映画)

4.6

そう遠くない未来。遺伝子操作で「適正」と診断された者が上流階級に登り出世していき、一方で自然妊娠によって生まれた「不適正」と診断された者はその反対の道を歩まざるを得ない未来。
「不適正」と診断されたヴ
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ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

3.8

自分のやりたいことは好きなようにやればいい。

僕だってそうだ。好きなときに睡眠時間を削って映画を観たり本を読んだりする。でも、それには一定の制限が与えられる。一睡もせずに仕事に行けるわけがない。欲望
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007 スカイフォール(2012年製作の映画)

4.6

毎度おなじみ冒頭の追走激はどんどん派手さを増していく。

冒頭で民家の屋根をバイクで激走したかと思えば、今度は列車の屋根。敵はどこにだって逃げるし、ボンドはどこにでも追いかける。

列車に乗ってるショ
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先生、私の隣に座っていただけませんか?(2021年製作の映画)

4.5

【佐和子が隣に座りたかったのは誰なのか?】

佐和子(黒木華)と俊夫(柄本佑)は共に漫画家。佐和子は売れっ子で、連載作品がようやく最終回を迎えた。俊夫はかつて人気漫画家だったが、新作を書けずにいた。お
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007/慰めの報酬(2008年製作の映画)

3.5

前作の続編的位置づけだったので、続けて観られたので良かったけど、やっぱり前作の方が面白かったかなあ。

オープニングのカーアクションと全編通してのアクションシーンが見応えがある。

それにしてもヴェス
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007/カジノ・ロワイヤル(2006年製作の映画)

4.5

007シリーズを初めて鑑賞!!!
いやあ、マジで面白い!!!

冒頭の追走劇から惹き込まれた。ジェームズ・ボンドの身のこなしも凄いけど、テロ組織の一味の身軽さよ。もはやジャングルで縦横無尽に駆け回る猿
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ミスミソウ(2017年製作の映画)

2.5

どいつもこいつもイカれてんな。
山田杏奈さんが可愛いからかろうじて観られたけど……。
エンディング曲も完全にミスマッチだし、酷い映画。

オールド(2021年製作の映画)

3.7

そのビーチを訪れた者はあっという間に老いていく。

まず何より設定が面白いし、妊娠や傷の治癒の速さなど時間の流れを活かした老化のバリエーションが豊富で惹き付けられた。中盤くらいまではそんな感じで面白い
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死霊館(2013年製作の映画)

3.7

前半がじわじわと来る恐怖、後半が「エクソシスト」的恐怖を味わえて、てんこ盛りでした。

目隠ししながらのかくれんぼするシーンで戸棚が空くところが怖かった。

鳩の撃退法(2021年製作の映画)

3.8

かつて名声を得ていた天才作家・津田(藤原竜也)は自身が体験したことを小説の題材にし、それを編集者である鳥飼(土屋太鳳)に読ませるというストーリー。

劇中では津田自身が体験したことと津田の小説内の描写
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12モンキーズ(1995年製作の映画)

3.8

未来を変えるのはなかなか難しい。

未知のウイルスが蔓延した2035年。ジェームズ(ブルース・ウィリス)は感染症の発端とされる1996年にタイムリープし、その根源を見つけてくる任務を言い渡される。
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

4.0

【正義顔して悪いことしてる奴らが一番タチが悪い】

大上亡き後の3年後が舞台。前作ラストで大上(役所広司)の意志を継いだ日岡(松坂桃李)は裏社会と昵懇になり、完全に大上のように悪徳刑事そのもの。

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イレイザーヘッド(1976年製作の映画)

4.5

【悪夢を見せ続ける89分】

白黒の不気味な映像とまったく繋がりを見い出せない悪夢を流し続ける89分。
意味不明な作品ではあるけれど、メモを取りながら観ていく中で自分なりに解釈したことを下記に書いてい
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エイリアン4(1997年製作の映画)

3.7

子供のときに父親と観たとき以来の鑑賞。
子供のときは「グロいし気持ち悪い」っていうイメージだけが残っていたけど、大人になって観るとそうでもなかった。

やっぱりエイリアンに追いかけられて逃げるという単
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ブレードランナー(1982年製作の映画)

3.5

人間そっくりに作られたアンドロイドであるレプリカントが人間に反乱するお話。

レプリカントが人間のように凶暴に、あるいは叙情的に描かれていた。では、人間とレプリカントの違いはなんだろうと思ってしまった
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