
80歳を超えてなお旺盛な創作活動を続ける、日本を代表する現代詩人・吉増剛造。本作は彼が、ECD、灰野敬二、劇団・地点、飴屋法水とのコラボレーションでも知られる先鋭的なオルタナティブロックバンド・空間現代と、京都の小さなライブハウス「外」で2019年に行った、ある朗読ライブ《背》の記録だ。吉増剛造はその年の夏、かつて津波を引き起こした海に面する宿の小部屋で、窓の向こうの海に浮かぶ霊島・金華山を眺めながら、その地に足を踏み入れることなく、「詩」を書いた。それは今、世界が閉ざされる経験をした後の我々には、予見的で、象徴的にも感じる。その「詩」に歌人・斎藤茂吉の短歌からの引用を加え、マスクや目隠しを用いながら、声の限りに叫びまた朗読し、録音を再生し、ありったけの力で透明なガラスにドローイングする……鬼気迫るライブ・パフォーマンスの全編を凝視して、詩人の言葉の「背」後を浮き彫りにする。
ある日、息子への子守歌が生まれた――。 “ろう”の写真家、齋藤陽道。20歳で補聴器を捨てカメラを持ち、「聞く」ことよりも「見る」ことを選んだ。彼にとっての写真は、自分の疑問と向き合う為の表…
>>続きを読む「あなたはわたしじゃない」 そう言って、あの人は私のまえからいなくなった。 あの晩、私は森の中で置き去りにされた。 獣のマスクをしたあの人は、私のお母さん、だったのだろうか? …
>>続きを読む現在の日本のアンダーグラウンドシーンを牽引する若手バンド「GEZAN」を追ったドキュメンタリー。2009年の結成以来、ボーカルのマヒトゥ・ザ・ピーポーによる歌詞の世界観や発言で支持を集め、…
>>続きを読む戦後ドイツを代表するアーティストであるアンゼルム・キーファーの過去と現在を、3Dによる驚異的な映像でとらえたドキュメンタリー。第二次大戦が終結した1945年に生まれ、今年で78歳になるキー…
>>続きを読む海を渡って佐渡ケ島にやってきた若者たちがいた。鬼太鼓座の座員として彼らは積雪の町や海岸を走り体を鍛え、和楽器の演奏に没頭する。「鬼剣舞」、「櫓のお七」、「桜変奏曲」、「佐渡おけさ」、「大太…
>>続きを読む©charm point