『強』に入れば『豪』に従え。　😞


うおぉぉぉぉぉぉッ。
ものすごい作品と出会ってしまったかも。

昨年の東京国際映画祭でグランプリ、監督賞、主演男優賞と3冠を受賞した作品。
さらにスペイン🇪🇸のアカデミー賞と言われるゴヤ賞でも作品賞をはじめ主要9部門を受賞。

安住の地を求めてたどり着いたその土地は・・・

今年1月に公開された「イニシェリン島の精霊」を見て本年度 自身のBest10に入るほど気に入られた方には是非とも本作を強くオススメしたい。

いままで4600本以上の映画を見て来ました。
あくまで私の持論ですが、オープニングとラスト(終わり方)が素晴らしい作品というのは 大体いい『映画』。
本作もそう。その完成度の高さに驚愕した。😱

2010年にスペイン🇪🇸の片田舎で実際に起きた事件に着想を得て映画化！
都会で過ごしてきた老夫婦がスローライフを求めて田舎で暮らし始める。
しかし そこに住む人々は『都会かぶれ』のこの夫婦が気に入らない。
『世界中でどこにでもある問題なんだなぁ』と鑑賞前は感じていたが 本作はそれだけに とどまっていない。
『前半』と『後半』の展開の引っくり返し方は「パラサイト 半地下の家族」に匹敵する素晴らしさ‼️

この恐怖、この地獄。
いつか私もあなたも体験するのかもしれない。😱

都会から来た老夫婦 目線で見るか？
彼等を拒む田舎の住民 目線で見るか？
感情は 大きく 変わってくると思う。
皆さんも思い当たる節があるのでは？
『新しい職場の人達が嫌な奴ばっかりだったら どうしよう』😨
『新しく来る人が 変な人 だったら どうしよう』😨
どちらも こう思ったこと があるのでは？

本作ではフランス🇫🇷の都会で過ごした老夫婦がスペイン🇪🇸の田舎で悪戦苦闘するストーリー。
国やそれぞれの歴史、文化の違いがあるのだが この『古株』と『新参者』の立場というのは誰でも経験があると思う。
想像以上に最悪な結果を迎えてしまう本作。
どちらの立場の言い分も理解できるから本作はこんなに恐ろしいのだと思う。
その心理を見事に映像化している最高傑作！

本作の主演で住民達からの嫌がらせに苦しむ夫を演じたドゥニ・メノーシュが素晴らしい演技を披露してくれている。
この人。どうしてもあの「ジュリアン」での鬼のような父親役の印象が強くて。😱
本作では色んな感情を見せてくれていて彼のファンになってしまったかも。

フランス🇫🇷の都会から来た老夫婦はフランス語。
スペイン🇪🇸の田舎で暮らす人々は当然スペイン語。
字幕では 《 》をつけて区別してくれているが 自分がフランス語、スペイン語に精通していれば もっと作品への理解が深まったはずなのに。😞
こそだけ 悔しかった。😢

あと邦題(タイトル)にもう少し工夫がほしかったかな。
「理想郷」？　うん。分かるんだけど。
「わらの犬」とか「招かれざる客」とか「狼たちの午後」とか。
もうちょっとカッコいいタイトルを付けてほしかったな。🫤

とは言え。

とんでもない作品だったのは間違いない。
私の本年度を代表する作品になった。


2023年 11月16日 10:20〜
Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下 7F
💺268席
客入り　30人くらい。

昨年(2022年)12月に閉館した渋谷TOEIの跡地にオープンしたミニシアター。
改装中の為 長期休館しているBunkamuraル・シネマの移転先として。
ということは期間限定なのかな？

渋谷のTSUTAYAが閉館していてビックリ‼️😱
レンタル業からは撤退して来年春に『レンタル無し』でリニューアルオープンするらしい。
全盛期には ひと月に1億円もの売り上げを叩き出していた渋谷のTSUTAYA。
これも時代の流れなのか・・・😞

11月の寒い朝。🥶
半袖 短パンの震えてる外国人がいっぱい。
😅🥶。
ウェザーニュースをチェックしてね！😆

• #おとーちゃん。

"ここは、私の故郷だ…"

"俺はこの村に52年、弟は45年生きてきた…お前はまだ2年だろ…"

それは小さな嫌がらせ…スローライフを夢見てフランスからスペイン・ガリシアの小さな村に移住してきたアントワーヌと妻のオルガ…科学的農業を駆使し野菜を育て、静かな第二の人生を楽しむはずだった…古びた古民家をリフォームし、更に移住者を増やし、寂れた村を甦えらせようと密かな野望を抱くアントワーヌ…だがそんなアントワーヌの事を面白くないシャンとロレンゾの兄弟から露骨な嫌がらせが続く…やがて風力発電所建設問題で両者の対立は深刻な状態に…

オープニングは、素手で野生の馬を捕まえ、印をつけ、再び野に放つ男達の姿が…これが後々の展開への大きな伏線となっているかのようで…

偏屈な田舎者と都会のセンスをそのまま持ち込んで来た元都会人との度を越したご近所トラブルではありますが、私の感想を率直に言わせて貰えば…"どっちもどっち"…

トラブルの当事者が自分の考えに取り憑かれ、他者を全く受け入れない事で起こる悲劇は、偶然ではなく、必然な結末を迎えるのです…

アントワーヌ視点の前半から、妻オルガの視点に変わる後半から俄然ストーリーの奥深さが光ります。

アントワーヌの視点だけであったら、単純な田舎ホラー的な話が、後半から実に見事な深みを魅せていきます。

原題より、邦題の方が本作の意図を捉えているような気がします…

…果たして、馬に印を付けたのは誰なのか…

スローライフに憧れた都会のインテリが、風光明媚、だけど貧しい田舎に移り住む不幸。

フランスからスペインの村に移住していた熟年夫婦。近所の住民たちから、もともといけ好かないと思われていたけど、風力発電の建設に反対してからは、
・農作物が使えなくなる
・殺されそうになる
などの被害もでる。

こういうときの常套手段としては、
・証拠をとる
・警察に相談する
ということになる。当然、この主人公の夫もそれをするけど、ビデオを撮ることでより不仲になり、田舎の警察はやる気がなく、どちらの味方なのかという感じで頼りにならない。

日本でもそうだけど、過疎地での人の人間関係の濃さ、同調圧力は本当に面倒。
子どもの仲間外れやいじめのようなこともあるけど、やってるのは良い大人だし、やることも子どもよりエスカレートしていく。

胸糞映画としては、とても良くできているけど、
・不穏な音楽で煽りすぎる点
・あの事件後の展開が長過ぎな点
が、映画として残念でした。