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Riceboy ライスボーイの作品紹介

Riceboy ライスボーイのあらすじ

若くして恋人を亡くし未婚の母となったソヨンは、赤ん坊の息子ドンヒョンを連れてカナダのバンクーバー郊外へと移住する。 ソヨンは工場で働きながら、言葉や文化の壁、人種差別に直面する日々の中、懸命に息子を育てていく。やがて16歳となったドンヒョンは英語名“デービッド”を名乗り、すっかりカナダでの生活になじんでいた。しかし、彼の心の奥底では自身のルーツ、特に一度も会ったことのない父親の存在への思いが次第に募っていく。そんなある日、二人に届いた衝撃的な知らせをきっかけに母と息子は初めて韓国へ帰郷し、悲しみの過去と対峙することになる——。

Riceboy ライスボーイの監督

アンソニー・シム

原題
Riceboy Sleeps
公式サイト
https://culturallife.co.jp/riceboy
製作年
2022年
製作国・地域
カナダ
上映時間
117分
ジャンル
ドラマファミリー
配給会社
カルチュアルライフ

『Riceboy ライスボーイ』に投稿された感想・評価

背骨
4.2
家族の映画は嫌いだった。この映画を観るまでは…

家族ものは時に押し付けがましく、時に呪いのようにも感じてしまうが、この映画にはそんなものを寄せ付けない愛で満たされていた

何かが解決するわけではない。ただ、母はそれをせずにはいられなかった。それしか出来なかった。母と子、たった二人で積み上げてきた時間と、母が子のためにすべてを尽くそうとする無償の愛を前に涙が止まらず…

抑制されながらも饒舌に語る映像も素晴らしく、決して忘れられない一本となった
4.2
異国で削られていく名前🌾

移民として生きること。
母と息子の強い絆。
文化的なアイデンティティ。
そして人種差別によって少年の中に育ってしまう、自分のルーツへの羞恥心。

今作が描いているのは、そうした外からの暴力が、家庭の中の言葉や食べ物や名前にまで入り込んでくる苦しさだった。
ただ差別に傷つけられる親子の話ではない。
愛しているからこそ、すれ違い、傷つけ合ってしまう母と息子の話になっているところが、とても苦しい。



若くして恋人を亡くし未婚の母となったソヨン。
幼い息子ドンヒョンを連れて韓国からカナダへ渡る。
言葉の壁や人種差別、低賃金労働に耐えながら、彼女は異国の地で懸命に息子を育てていく。
やがて成長したドンヒョンは、英語名「デービッド」を名乗り、カナダ社会に馴染もうとする一方で、自分のルーツや父の存在に複雑な想いを抱えるーー



今作でまず印象的だったのは、映像表現そのものが物語になっていること

冒頭は4:3のアスペクト比で、ノイズがあり、色味もややくすんでいる。
最初は単に90年代風の演出かと思ったのだけれど、観ているうちに、それが幼少期の記憶の曖昧さや、母と子だけの閉じた世界を表しているように思えてくる。

時代が進むにつれて映像は少しずつ鮮明になっていくが、世界の息苦しさがすぐに消えるわけではない。
その変化のつけ方がとても上手い。

中心にあるのは、母ソヨンと息子ドンヒョンの関係

二人のあいだにはたしかに深い愛情がある。
だからこそ、その関係に生まれる小さな距離が痛い。

学校で名前や弁当をからかわれたドンヒョンが、自分の文化を恥じるようになっていく流れは本当に苦しい。
まだ幼い彼が、韓国料理ではなく「みんなと同じもの」を母に求める場面には、人種差別が子どもの内面に入り込んでいく怖さがよく出ていた。

日本人の私としては、アジア的な文化が欧米で揶揄されることへの怒りも、そのことで自分まで恥ずかしくなってしまう感覚も、どちらもなんとなく分かってしまう。
だから余計に観ていてつらい( ;∀;)

一方で、前半の「西洋の教室にいる外国人の子ども」が傷つく物語には、やや既視感はある。
とはいえ、2時間の中に人生を詰め込む以上、少し駆け足に見える部分は仕方ないと思ってはいる。

それでも終盤に入ってから一気に盛り返してくるのが、この映画の強さなのね。

言葉、食べ物、名前、視線。
そうした細部を積み重ねながら、移民の親子が抱える痛みと距離を丁寧に描ききった素晴らしい作品でした。
(๑´ω`ノノ゙✧


ネタバレあーだこーだnote
https://note.com/chinaco_cinema/n/n88eb4f49d258
【母は強し、そして、優し】

1990年代、韓国からカナダのバンクーバーへ移り住んだ母と幼い息子。
異国の地での生活と子育て。
言葉や文化の壁、人種差別に直面しながらも、負けてたまるか・なめられてなるもんか根性で、母は強し。
「男が泣いていいのは人生で3度だけ」などと息子にも逞しく育つよう諭します。

そして、映画は、息子が16歳になった時代に進みます。
思春期の息子と暮らす中、思いもよらない事態が起こります。
そこから見せる、母親の優しさ、息子への無償の愛が崇高です。
このシングルマザーと息子の絆は、かつて誰かの子供だった全ての人の琴線に触れるでしょう。
母親への感謝の念が沸き起こります。

今作で、韓国生まれで白人夫婦の養子として育ったサイモン役として出演している、アンソニー・シムが監督・脚本を手がけています。
彼自身も8歳で韓国からカナダに移住した経験を持っています。
こういう世代が良作を撮る、韓国系映画は強し、そして、優し。

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