交通量調査員として働く達也(奥津裕也)は、身体の不自由になってきた母(矢島康美)と、一軒家で二人暮らしをしている。夜毎、母からのトイレを報せる呼び出しブザーが鳴り、日常的な介助に応じている達也。行き交う人々の数をかぞえて記録するばかりの仕事にも、カプセルホテルで過ごす夜にも、どこにも居場所を見出せずにいる。クラゲ(リー正敏)は、顔見知りだった独居老人(トム・キラン)の部屋へ毎日のように通い、植物状態の老人の世話をしている。だが、老人の住む団地は老朽化によりもうすぐ取り壊されようとしていた。ある日、久しぶりに再会した幼馴染の雨(内藤春)を老人の部屋に案内するクラゲ。ささやかな交流を深めていくなかで、団地の取り壊し期日は迫っていく。やがてクラゲと雨は、老人を連れてバンで旅に出るが……。それぞれの抱える家族についてたどる旅の物語。
ある日、誠(安楽涼)の兄が犯罪を犯した。それを苦にした父は自殺し、誠は母親に助けを求めたが、母は助けては くれなかった。誠は家を飛び出し、自分を傷つけてくれるものを探した。そして、一人の浮…
>>続きを読む山に近い小さな町。女子高校生・まちは、女友達と短い物語を作り、それをリレーして遊ぶことを思いつく。次々と、紡がれる物語は、未来へと向かう夢。町に住む大人たちにも物語はあるが、それらは過去。…
>>続きを読む夫は長年にわたる妻への介護生活の果てに体を患い、妻よりも命の燈火が少ないことを知った。次第に生きる力を枯渇させていく夫が最後に求めたのは、部屋に飾られた1枚の旅行写真。かつて森の湖畔で撮影…
>>続きを読む©曖昧な楽園製作委員会