日本の悲劇の作品情報・感想・評価

日本の悲劇2013年製作の映画)

上映日:2013年08月31日

製作国:

上映時間:101分

3.4

「日本の悲劇」に投稿された感想・評価

電気羊

電気羊の感想・評価

3.0
実話を元に現代社会の問題を赤裸々に描写した問題作。大病を患った老父は、治療を拒否し自室に釘を打ち立てこもり断食による自死を始める。生活能力のない糞ニートの息子に自分の死後も年金を不正受給させるために。まあ切実だわな。しかし、糞ニートは言い訳だけは何であんなに達者なんだろうな。
開始早々、この見せ方で見せるという方法がまた酷くて凄い(※褒め言葉!)
定点のままで、あくまで「人物の誰かに移入」ではなく
「無理矢理に客観させられる」感じ
しかも「映像で見せる」ではなく、
あくまで「耳に入ってくる普通の環境音」で想像させる凄さ
正直表情なんて見えないし分からない
あくまで音も台詞もなにもかも「音」と「声」のみで聴いて、
まさに「空気を読んでいく?察していく感」が凄くて
それこそ紙芝居のボイスドラマを聞いている雰囲気
父親の心情はいかばかりか、想像するしか出来ない
完全な視聴者任せな見せ方は良い意味で凄い
でもって100分ある上映時間のうち、
開始5分からずっとノンストップで涙が止まらない
何気ない「酒」が繋げていく、「酒」に込めた意味だとか
「カレンダー」の見せ方や意味だとか
ちょっとした芝居の表現だとか・・・
始終モノクロだったのに、とあるシーンでのみカラーだとか
とにかく泣きすぎてもう酷い・・・
「ホントらしいウソ」か「ウソらしいホント」か 小林政広「日本の悲劇」

映画を語る時は能うかぎり相手をその作品に誘発したい欲にかられるものです。

その作品の基準としてあるのが「コチラ側」と「アチラ側」。もうひとつ突っ込めば「ホントらしいウソ」と「ウソらしいホント」です。

映画を語る上で楽しいのは当然「コチラ側」にある「ホントらしいウソ」の映画です。

いくらバイオレンスや人が死ぬ場面があろうと最終的には「ウソ」にしてくれる。それが映画ってモンです。

ところが長い間映画を観続けてれば時々「アチラ側」の「ウソらしいホントの映画」にぶち当たります。しかも結構有能な映画作家による作品で。


はしたないのを承知で列挙しますと

熊井啓の殆どの作品。
チャンイーモウの殆どの作品。
小栗康平の殆どの作品。
高畑勲の「火垂るの墓」「おもいでぽろぽろ」
ラース・フォン・トリアーの「ダンサーインザダーク」
是枝裕和の「誰も知らない」等など
河瀨直美や園子温らの作品の数々も加えてもいいでしょう。

ところでこの小林政広作品。後に「バッシング」という佳品も観ましたがこの作品についてはまた別の機会に

「日本の悲劇」過去に亀井文夫、木下恵介の作品に同名タイトルがありますが全く無関係。

映画としては演劇的俯瞰がかなり目障りですが上質です。

原作クレジットはなく監督自身によるオリジナル脚本のようですがサトウトシキ監督の一連の傑作ピンク映画の脚本を手掛けただけにドラマの骨格はしっかりしてますし、ほとんど音楽を使用せず、ともすれば冗長になりがちな定点カメラの長回しも静謐な画に迫力があり退屈しません。

何といっても登場人物が仲代達也、北村一輝、寺島しのぶ、大森暁美4人だけの演技合戦が見もの。


でもどんな才能溢れた作品でも「ホント」に近づき始めた瞬間から映画は映画でなくなります。


「無慈悲にも亡くなった方々に捧ぐ」とエンドタイトルに出た時に確信しました。本当に危険な映画です。


とは言え、上記に挙げた監督たちとは全く違う肌触りを感じさせてくれる小林監督が新作を発表すれば多分観るでしょうがこれとは全く反対の作品を期待したいものです。
Yuya

Yuyaの感想・評価

3.0
なんとも先行き不安にさせられるような…
不遇や悲劇をギュギュッと凝縮してみせてるだけで どれも決して他人事ではないから 明日は我が身って危機感を覚えてしまうんだろうなぁ

鬱も引きこもりも 家族としての介入も拒絶も どれも自己防衛というか 置かれた現状に対する ひとつの対抗措置のように思えるし 仲代達矢の回想によって紐解かれる起因の数々と 過ぎ去りし幸福の日々の陰影の深さが そのまんま現代社会の問題の深さなんだろうなぁ

支持したアイドルの結婚宣言に詐欺だと騒ぎ立てられる能天気さが 羨ましくもあり哀しくもなる今日この頃…
伝えたいテーマを伝えるには
随分とまどろっこしい作品。
重いテーマを伝えたいくせに
北村一輝の演技が
コメディか?という仕上がり。
寺島しのぶ観たさで借りたが
寺島しのぶを観たい人は
借りない方がいいと思う。
しかしほんの少ししか出てないのに
充分な存在感。
それはでしゃばってるとか
ではなくて、本当に
自然とそこにいて、言われなきゃ
寺島しのぶだと気づかないほど。
最後のカラフルな場面を際立てようと
しているのはわかるんだけど
それまでの退屈さのせいで
つまらなかった。
スカパーにて。朝から陰鬱な映画を見てしまったな。

年老いた父・仲代達矢が、息子・北村一輝の家に退院してくる所から話が始まる。

長回し!1つの芝居がワンカットでめっちゃ長い!淡々とした会話劇でまるで小劇団の演劇みたい。
その会話の中でだんだん実情がわかってくる。母は無くなっていて、息子は鬱で離婚、無職に。震災で別れた妻子と死別。

癌で余命わずかの父と残された息子。
父は息子との接触を断ち寝食も取らず部屋に立てこもる。孤独に絶望する息子…

これが全編モノクロで流れるんだよね。唯一カラーになるのが、一番幸せだった家族全員が揃う場面。
つまりモノクロ画面は不幸と絶望の象徴な訳だ。

それは日本社会の高齢化と不景気と自殺率の高さなどを表している、まさに日本の悲劇。

仲代達矢の枯れながらも艶のある演技も良いが、北村一輝の張り裂けそうな熱演が凄い。絶望感パンパン。
エンドロールで『日本の自殺者は年間00万人』とかって出るんだけど、北村一輝の演技を見ると、本当にこのキャラクターはこの後きっと自殺するんだろうなと確信させられる。

ワンカット撮影で淡々としているが故に役者の演技が冴え、悲劇性がより伝わる。
marumame

marumameの感想・評価

3.0
確かに幸せなときはあったのに、なにがいけなかったのか……。
登場人物は4人ですが、ほとんど父の回想と父と息子の家の中の会話だけのストーリー。
負の連鎖なんでしょうか…でも誰もが他人事としてみれない話です。
なにかしら同じ境遇のかたが観ても救われたり元気づけられたりするものはありません。ただこうゆう現実があるのだよということ。気分的に底辺のときには観ないほうがいいと思います💦
riekon

riekonの感想・評価

3.0
絶食しながら奥さんとの夕飯や初孫が生まれた時などを思い出すお父さんに泣けてしまった。
息子も上手くいってないし辛い作品でした。
manunited1

manunited1の感想・評価

3.0
とある家族の悲劇。息子のために自死を覚悟する父親、止める息子のワンシチュエーション。
事前情報無しでの鑑賞。

ドタバタコメディかと勝手に勘違いしていましたが、結構重ためな映画。ワンシチュエーションの作品です。

モノクロでカメラワークがほとんど無い為か映画に入り込むのに少し時間が必要でしたが、話が見えてくると徐々に映画に引き込まれてしまいました。

日本の悲劇というよりは、とある家族の悲劇を見ているかのようなストーリーなのですが…突然気付かされます。これは「とある家族」の悲劇ではないことに。

合う合わないの振り幅がかなり大きいと思える本作。父(仲代達矢)の心境の捉え方によって映画の印象そのものも変わりそうです。

あまり若い人向けの作品ではないかな?
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