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サムサラ
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『サムサラ』に投稿された感想・評価

寺院で瞑想する年若い僧侶たちの姿から映画は始まる。静かで長い時間が過ぎ、自分も一緒に瞑想している気持ちになってスクリーンに引き込まれていく。ラオスの山里は空気が湿気を含みながら涼しく爽やかで、子供の頃に田舎の祖父母の家で過ごした夏休みをふと思わせる映像に癒された。

僧侶たちや村の少年とその家族の日常生活を映したドキュメンタリーのようでもあり、淡々として特に事件が起きるわけでもないが、目が離せないほど映像が美しかった。特に滝は白糸のような水があふれる極楽浄土の雰囲気だった。
まどろむ人物に、夢の中を表しているかのようなキラキラした映像が被さる。それは前世で見たものかもしれないし、来世で見るものかもしれない。
少年が詩のようにチベット仏教の経典を朗読して聞かせてやっていた老婆は静かに息を引き取り、魂は暗闇を旅する。強烈な光の明滅は瞼を閉じていても網膜に突き刺さって苦痛だ。そうか輪廻転生は解脱できない苦しみでもあるのだ。

やがて、母の皮膚を通して子宮に届いた外界の光のような赤黒い闇を通り抜けて、魂は再びこの世に生まれ出る。そこはアフリカなのか、スカーフを被ったイスラム教徒の少女となっていた。海辺で海藻を収穫して、やはり水と共に生きている人々だった。
この後半パートも少女とその家族のドキュメンタリーのようで、淡々として特に事件が起きるわけでもないが(山羊が逃げるのは少女には大事件かもしれない)、穏やかな時間の中で命を慈しむ温かさが心に染み入る映画だった。
少女も家族もイスラム教徒だから輪廻転生は信じない。世界にはそう信じてる人たちもいるけどね、と言うだけだ。でも、手に触れる水の感触と、まどろみの中で見るきらめきは、水が世界を循環するように、魂もこの世に何度もめぐりくることを教えてくれる。

原題Samsara=輪廻

図書館の上映会で観たが、すごい掘り出し物だった。劇場公開されないのは勿体ない。
gena
3.6
レビューが難しい。前半のアピチャッポンを思わせるラオスの死生観を表した映像は美しく、修行僧の少年と地元の少年が見た、ジャングルの奥地の滝で魂がふと抜けかかるような幻想的な光景が素晴らしく、息を飲んだ。柔らかい発声のラオスの言葉が耳に心地好い。チベット仏教を亡くなる前の祖母に読み聞かせ、死を準備する。透明感ある鮮やかな布が空気を包んでいる。

そう、まるで瞑想させるような前半。心静かに呼吸が整っていく。

と思った後の展開が…。

もしかして新興宗教の洗脳ビデオじゃないのか、と思ったほどの独特の死後体験映像。
未見ですが、ギャスパー・ノエはキリスト教で、こちらは超宗教で、トランス状態を起こし、死と生の間を表現しようとしているみたいでした。

輪廻の思想がベースで、ラオスからタンザニアの島にワープ。この島も美しいんだけど、私の魂はそこにはたどり着けず、インド洋辺りで溺れてしまいました。
美しい島のムスリムの家族の死生観が語られます。不穏をはらんだまま観ていたので、子やぎが心配になり、不安な気持ちが余韻として残りました。きっと修行した人ならうまくワープできて、心乱れないのでしょうね。

スコアは前半ラオス3.9、タンザニア3.7、途中のワープが-2.5 です。
奇をてらったことをしなければ、落ち着いて、宗教を超えた死生観に近づけた気がします。あれに動揺しました。

独特でした。
[ラオスの老女、ザンジバルの少女に転生する] 60点

2023年ベルリン映画祭エンカウンターズ部門選出作品。ロイス・パティーニョ(Lois Patiño)長編三作目。英題"サムサラ"とは輪廻転生を指している。本作品は二部構成になっており、前半はラオス、後半はザンジバルを舞台としている。ラオス篇では数十人のティーン僧侶が共同生活する風景が描かれ、その一人ベアンがある使命を帯びた少年アミドに出会うところから始まる。その使命とは高齢で目が悪くなってしまった老女にチベット仏教の経典を読み聞かせることである。その言葉を道標のように、映画は真っ暗なインターバルに入り、生きても死んでもいない、次の生まれ変わりを待つ"バルド"という状態を観客と共有する。目を覚ますと、そこはザンジバルだった。前半と後半で撮影監督が変わっており、見える風景もまた変わってくるという感覚が良い。ラオス篇のマウロ・エルセもザンジバル篇のジェシカ・サラ・リンランドも、オリエンタルな視線や観光的な視線を一切廃し、まるでそこで共に生活しているかのような親密さを以て映像を構築していく。人は動物に転生するのを嫌がるが、それは人間状態で動物たちに酷いことをするからだ、という老女の言葉の通り、本作品では様々な生き物が、様々な魂の通り道のように配されていて、どこかミケランジェロ・フランマルティーノ『四つのいのち』を思い出させる。

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