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カンダハール
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『カンダハール』に投稿された感想・評価

kuu
3.9
『カンダハール』
原題Safar E Gandehar
製作年2001年。上映時間85分。
伊蘭(イラン)・仏国合作。

主人公のナファスを演じたニルファー・パズィラは実際にアフガニスタンからの難民で、この作品は彼女の実体験にフィクションを交えて描かれている。

当時、9・11未曾有のテロ以来、米国じゃNYの国際貿易センタービルが登場する映画は片端から撮り直されたと聞く。
製作側もテロに便乗してゼニ儲けしようとしとるなんて思われたくないからか。
大事故やジェノサイドを食い物にして作品を作ってきたハイエナハリウッド商人たちにも、これはさすがにエグすぎるちゅうことかな。
その一方じゃ、他のメディアじゃアフガニスタンの戦争と飢餓と惨状を伝えとるニュースが溢れ返っていた。
正直、小生もだけど多くの人が見たがり、知りたがっている情報として。
つまりテロリストがビルを爆破する映画はイカれた悪趣味やし、爆撃によって破壊された村の映像は真摯な社会的関心やということになる。
せや、その二つは本当に違いものなのかな。

マフマルバフ監督は、今作品の前にイランに暮らすアフガニスタン民を主人公にして『ザイクリスト』って映画を撮った(知人から聞いたことで小生は未観)
主人公は妻の入院費を稼ぐため、一週間自転車に乗りつづける芸をしようとする。
監督のマフマルバフは、ときにユーモラスで、ときに残酷な描写で難民の苦しみを描きだしてる。
この作品はイランの全国民が見たって云われるほど大ヒットやったらしいっす。
それから十年、監督はふたたびアフガニスタン難民を主人公に映画を撮った。
『カンダハール』本作品です。
語り手は幼いころにカナダに移民したアフガニスタン難民のジャーナリスト。
彼女はアフガニスタンに残っ た妹から手紙を受けとる。
妹はカンダハー ルでの生活があまりに辛いので、皆既日食の日に自殺すると云う。
ジャーナリストは妹を助けるため単身タリバン支配下のカンダハールへ向かう。
彼女がプルカ越しに目撃するのは
もはや『神のいない土地』に生きる人々の姿。
テーマはきわめて重いし、描写はとことん地味っす。
なんと云っても、ロケ地は二十年にわたる戦乱で、まるで石器時代にまで戻ってしまった様な国っす。
ひたすら荒涼とした土地をぼろを身に纏った人たちが歩いて行くだけの映像が続く。
せや、やがて何もないはずの世界はきわめてドラマチックな姿をあらわにする。
人形に偽装されとる対人地雷に触れぬよう教えるため、難民の子供が人形から逃げる訓練をする。
道案内を買ってでた少年は、死体から指輪をはぎとって売りつけようとする。 
ほんで、義足を配布する。
赤十字センターじゃ天から降ってくる足をめぐって足のない男たちが松葉杖でこれでもかって争奪戦をおこなう。シュルレアリスティックな光景が立ちあらわれる。
日本に普通に過ごしてたら知りもえない光景やし、メディアもあまり語ってない。
苦難にあえぐアフガニスタンに対する監督の関心は、スケベ心じゃないかな。
せや、この作品は、問題を訴えるだけの作品じゃないと思いま。
難民たちは皆きわめてエゴイスティックに行動するし、赤十字センターのシーンとかなんか、
明らかに現実を越えて不謹慎ながら面白い。
監督は状況をいかに映画的に搾取するか、 それしか考えていないし、アフガニスタンの現状をルポルタージュすることよりも、その情景をいかに非現実へと飛翔させるかに関心があるように見える。
それこそ監督が優れた映画作家やとイラン国民に支持されという理由なんかな。
監督がこの作品を撮った時には、カンダハールちゅう土地の名がこないな形で有名になると思っていた人はいなかったやろし、その地に問題があることを監督は知ってて、 その問題をきわめて映画的に利用するすべを知っているって感じたかな。
社会的関心とて客を惹きつけるルアー(餌)の一つでしかない。
監督は高い社会的関心を娯楽として提供したから優れているんじゃなく、観客の目が向う場所と自分の問題意識と無理なく融合させられるからスゴいと思う。
3.9
 アフガニスタンからカナダに亡命した女性ジャーナリストのナファス(ニルファー・パズィラ)は、ある日、地雷で片足を失ったため祖国に残した妹から、20世紀最後の皆既日食の前に自殺するつもりだという絶望の手紙を受け取った。日食まであと3日、ナファスはカンダハールの街に住む妹を救うため、イランからアフガニスタンの国境を越える。彼女はイラン国境のアフガン難民で神学校を放校された少年ハク(サドュー・ティモリー)、ソ連と戦うためにアフガンに来ながらも今は住民の診療を続けるブラック・ムスリムのアメリカ人サヒブ(ハッサン・タンタイ)らと交流しつつ旅を続け、タリバンの教育、女性差別に飢餓と貧困、地雷問題など、アフガニスタンの厳しい現実を目の当たりにしていく。冒頭の空撮シーンに目を奪われる。一面砂が拡がるアフガニスタンの国境沿いには丘陵な砂地が幾重にも連なる。地上には片足あるいは両足を失った人たちが松葉杖を掲げてヘリに向かい、何やらアピールしている。この描写が後半部分の伏線として重要な意味を持って来る。

 主人公であるナファスは妹の自死するという報せを受け、妹に自死を思い留まらせようと、亡命したカナダからアフガンへと向かう。アフガニスタンの国境を越えるパスポートが取れず、かの地へ向かうには徒歩で砂漠地帯を越えるしかないのだが、ナファスの意思は固い。最初はイラン人の第四の妻を装い、アフガニスタンの国境へ向かうもイラン人一家は身の危険を感じ、イランへと逃げ帰る。アフガニスタンにおいては、イランのチャドルよりも厳格なブルカという衣装を身に纏っている。女性たちは夫以外の男性に肌を見せることを許されないため、ブルカのような完全武装の衣服をつけることを課されているのである。まるで日本の虚無僧のような異様な風貌が目に焼き付いて離れない。それ以上に異様なのが、患者が医者にも直接かかれないことである。彼女たちは自分の子供や身近な男性を介してしか、男性医師と会話することを許されない。仕切りのように張られた真っ黒な布から、かろうじて目や口や耳が見えるくらいの穴が開いており、そこから医者は病気を判断するのである。この異様さに思わず息を呑む。

 中盤に出てきた赤十字の義足引換所で起こるやりとりのシリアスな現実は遠く離れた先進国に住む我々にとって、真にセンセーショナルな場面となる。1年がかりで作ってもらった義足が金儲けのためだけにに彼らを騙す者の手に渡り、本当に必要な人の手には届かないという皮肉な状況をマフバルバフはセミ・ドキュメンタリー形式で描写する。クライマックスの花嫁を祝う隊列のブルカが異様な雰囲気を伝える。拘束されれば間違いなく射殺される緊迫の場面で、果たして彼女は無事脱出出来たのか否か?いずれにせよ、彼女がカンダハールに入るまでは、今後も幾多の困難が予想される。現在もアフガニスタンから隣国イランには、毎年多くの難民が政情不安のため亡命している。ヨーロッパに流入するシリアからの難民の問題も、根っこの部分はほぼ同じである。彼らは国に絶望し、生きるために海を渡り、無情にもその船の水難で命を落とす。あのむごたらしい現実は今作から14年を経てもまるで変わらない。そのことに対し、もはや我々も無関心ではいられない。
2001年に制作されたアフガニスタンを舞台にした映画。内戦を怖れてカナダに亡命していたアフガニスタン人ジャーナリストのナファス(ニルファー・パズィラ)が、故郷カンダハールに残してきた妹から届いた自殺を仄めかす手紙を見て、妹を救いに行こうとする話。当時のアフガニスタンの現実も描かれています。

荒れ果てた土地には木も生えていない。砂漠のような場所を移動していく。学校では武器の扱い方や戦いについて教え、落ちこぼれた少年は生きるために、死体まで漁る。
飢え、汚染された水、病気...紛争により文化的な生活を失った人々が痛々しい。
地雷で足を無くした人々、落下傘で落ちてくる義足に駆け寄る人々。タリバンにブルカ(全身を隠す布)の着用を強制されている女性たち。

一度は安全な場所に居た姉が、妹のため、危険な場所に戻ろうとする話で幸せな未来は想像できません。
「アフガン女性の幾つもの牢獄を逃れた..だが今はそのすべてに囚われている気分だ..妹よ あなたのためだ」というナファスの言葉、心に刺さりました。

既に17年も前の作品になっているので今の状態とは違うとは思いますが、政情の不安定な国なので、どうなっているんですかね。もっと知りたいと思いました。

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