
40代の主婦、ツァイは人生の目的を失い、大きな精神的崩壊の瀬戸際にいる。映画の冒頭で、彼女は不運な形で年配の女性に怪我を負わせてしまい、入院したその女性の家族から賠償を求められる。この出来事を導入として、私たちは彼女の置かれている状況を目にしていく。夫とは離婚手続き中で、反抗期の娘との間にも深い溝がある。同居中の義母はどうやら認知症を患っており、疎遠になって久しい実父は死期が近いようだ。彼女は、自分の上にのしかかる重荷や憂鬱から逃れようともがいている。この作品は、こうしたツァイの「中年の危機」的状況、ひいては中国の中程度に裕福な家庭の機能不全を、4:3の息苦しいフレーミングと撮影監督のコンスタンツェ・シュミットによる美しく憂鬱なイメージによって極めて効果的に語る。映画初出演だという主演のYu Aierの抑えた演技も素晴らしい。カンヌ映画祭の短編部門でパルムドールを受賞した『A Gentle Night』(2017)等、一連の短編作品で高い評価を得てきた新鋭チウ・ヤンの長編デビュー作。ベルリン映画祭エンカウンターズ部門で初上映された。
COVID-19によるパンデミックが始まった直後の台北を舞台に、自宅隔離をきっかけにして大きな荒波に晒される母娘関係を描く。国際的な成功をおさめた『ひとつの太陽』に続くチョン・モンホンの長…
>>続きを読む時代の流れとともに炭鉱業が廃れた中国の小さな田舎町。少年ブーは友達をかばい、不良の同級生シュアイをあやまって階段から突き落としてしまう。 シュアイの兄は町で幅を利かせているチェンだった。チ…
>>続きを読む8歳のヤンヤンは、祖母と両親と姉と台北で暮している。祖母が脳卒中で倒れたのを機に看病に疲れた母は家を出、昔の恋人と再会した父は過去を思い出し、姉は恋に思い煩う。そんな家族の姿をヤンヤンは冷…
>>続きを読む殺人の罪で、30年もの間投獄された無実の女ホラシア(チャロ・サントス・コンシオ)。真の黒幕は、彼女のかつての恋人ロドリゴ(マイケル・デ・メサ)だった。出所したホラシアは、自分を陥れた男を追…
>>続きを読む仁絵34歳。夫が海外出張中で日々あてどなく街をさまよっている。マサル48歳。電車の運転士になる夢をあきらめた男。ふたりは互いに家族のある身ながら逢瀬を重ねる。ある日マサルが仁絵の前から姿を…
>>続きを読む台北を舞台に、3組の男女の姿を通して、図らずも他人を傷つけながら生きる、都会人の殺伐たる生きざまを描いた一編。犯罪、いたずら電話、夫婦の不和、不倫といった都会ならではの事象を、鋭敏なタッチ…
>>続きを読むベルギーのテニスクラブに所属する 15 歳のジュリー(テッサ・ヴァン・デン・ブルック)は、その実⼒によって奨学⾦を獲得し、いくつもの試合に勝利してきた、将来を有望視されているプレーヤーだ。…
>>続きを読む