赤と黒の作品情報・感想・評価・動画配信

「赤と黒」に投稿された感想・評価

Keiko

Keikoの感想・評価

3.0

このレビューはネタバレを含みます

本を開くと、ページにクレジットが印刷されていて、それをめくる度にスタッフの名前が現れるという手法が古典文学に似合っていて良い。
また、本編の合間に何度も本のページが画面に映し出され、原作者スタンダールをはじめとする文学者の言葉が引用される演出もなかなか面白かった。
ジュリアンが赤い軍服を身につける前編と、聖職者として黒い服を見に纏う後編の二部構成で、視覚的にも赤と黒が表現されている点にも注目。

『赤と黒』、物語そのものはあまり好みではないんだけど、古典文学の中ではマストで押さえておきたい作品の一つ。
ラブシーンは同じくジェラール・フィリップ主演の『危険な関係』(1959)と若干被る。

序盤、裁判でジュリアンは言う。
「だが私はこの罪によって罰せられるのか、そうではないのです。あなたがたにとって私の罪は、下層階級の私が這い上がろうとしたことだ。私の首を斬るのは、貧困な階級に生まれ、幸い教育の機会に恵まれ、上流階級に入ろうとした、全ての青年を罰することなのです」
この言葉を聞きながら、ポン・ジュノの『パラサイト』(2019)を思い出した。赤と黒の原作は190年も昔の小説なのに、根本的なメッセージが似通っていることに、人間社会の愚かさを垣間見た気がする。
貧困層に生まれた主人公が、他者を陥れて人を騙して上へ這い上がろうとする点も同じ。そして最後は裁かれる。

それにしても、ジェラール・フィリップは本当に美しい俳優だ。どう見ても23歳には見えないけど、それでも主役にふさわしい。
ダニエル・ダリューは、レナール夫人のイメージとはちょっと違うかも。もう少し若い頃の方が似合っていたような。ジュリアン役のジェラール・フィリップがこの時すでに32歳とかだから、歳の差を表現するためにも仕方ないか。
Megumi

Megumiの感想・評価

4.0
なんの気なく観た『夜ごとの美女』から、ジェラール・フィリップの魅力に取り憑かれて以来、彼の作品は3作目。あとは『危険な関係』と『モンパルナスの灯』を残すのみ🥺
たまには推し俳優作品を漁りまくるのも楽しい…🥺ジェラールは50年代フランスの美とも呼ばれた美男子です。ちなみに60年代フランスの美は、アラン・ドロン!

スタンダールの同名小説を映画化した長編文芸ドラマ。デジタルリマスターされて、初めてカラーでお顔を拝めた。相変わらず本当に美しい…若くして亡くなったのがとても惜しい。

職人生まれの美しく聡明な青年が、胸に秘めた野心から出世をしていくが、その美しさ故の愛に足を囚われることとなる。野心を持ちながらも、どこか繊細で迷いのある瞳が印象的。そして行くところ行くところで女を虜にしてく!まさしくジェラールにぴったりな役柄!
Sari

Sariの感想・評価

3.5
2020/11/02 DVD(図書館貸し出し)

ジェラール・フィリップとダニエル・ダリューのシーンだけで魅力的。
BON

BONの感想・評価

3.7
スタンダール原作の文芸大作映画。デジタルリマスター版のため、映像が現在から観ても美しく、当時のフランス映画に初めてカラー映画が入った年に作られた作品で、私は初めてジェラールの顔を色有りで鑑賞した。

1820年代のフランスを舞台に、貧しい労働者階級に生まれながらも、並外れた知性と美貌を兼ね揃えたジュリヤン・ソレルという青年が、貴族階級にのし上がるという野心を燃やし破滅していく姿を描いている。

家庭教師として住込で働くことになった町長の家で、ジュリヤンは夫人と恋仲になってしまうところからストーリーが展開されていく。ジュリヤン役のジェラール・フィリップと、夫人のダニエル・ダリュー以外にこの役は演じられないと思うほど役がハマっていた。

監督の数年に渡る熱烈なラブコールにより、主演を引き受けたジェラール・フィリップは、監督や脚本家と細部に至るまで議論を重ね、野心に燃えるだけではなく心の脆さを持った唯一無二の「ジュリヤン・ソレル」像を見事に作り出した。

永遠の貴公子ジェラール・フィリップ、着こなす衣装がどれもシャープで圧倒的エレガンス。そして甘いマスクの中で野心を燃やし苦悩する姿は今までで鑑賞したジェラールの中で1番知性の美を感じた。
【夢をなくした奈落の底に~♪】

ジェラール・フィリップという俳優を知ったのは小森のおばちゃまが書いた『ビデオで観たい「スター」ベスト100』という本だった。

そこで初めてフィリップのご尊顔を拝し、「ああ、こんな美男子がいたんだ」と思った。その時の写真が『赤と黒』でのジュリアン役だった(…のはず)

どうでもいいことですが、私と誕生日が一緒というのも親近感が一気にわいた。

さてこの『赤と黒』。美貌と知能と野心を兼ね備えた青年。ただ一点、下層階級出身だということで冷飯を食わされ続け、何とか這い上がろうと周りの人間を踏み台にし、やがて破滅していく様を描いた文芸大作。

スタンダールの原作は読んだことないけど、本屋で見かけると上下二巻の文庫本で結構な厚さだった。

その膨大な原作から映画化するのに苦心したと思うが、かなりモノローグを多用している。

原作の持ち味を損なわないようにしていると思うが、やっぱり台詞ばかりで処理しちゃうと映画としての面白さが足りない気がする。

あと本作は回想形式になっており、ジュリアンが裁かれる場面からスタートするが、法廷でジュリアンが訴える本作の肝の部分を早速ここで明らかにするのも勿体ないと思った。

ドラマのクライマックス部分に持っていった方が効果的ではなかったか。

それにしても市長夫人を演じたダニエル・ダリューの美しさ、そして高貴さに目を奪われてしまう。

個人的には前半のフィリップとダリューの不倫劇では集中力が続いたが、ダリューと別れて後半の公爵令嬢との絡みになってからはダレを感じた。

■映画 DATA==========================
監督:クロード・オータン=ララ
脚本:ジャン・オーランシュ/ピエール・ボスト
製作:アンリ・デューチュメイステル/ジャンニ・ヘクト・ルカーリ
音楽:ルネ・クロエレック
撮影:ミシェル・ケルベ
公開:1954年10月29日(仏)/1954年12月25日(日)
ropi

ropiの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

フランス復古王政期を舞台に、労働者階級出身の青年ジュリアン・ソレルが貴族に成り上がろうと奮闘する物語。
古典小説の映画化となると原作のイメージが損なわれてがっかりすることが多いのだけど本作は違った。私の中にある知的で端正なジュリアン・ソレルはまさにジェラール・フィリップそのもので、高貴なレナール夫人はダニエル・ダリューまさにその人だった。

類まれな知性と容姿を利用し階級を超えていくソレル。努力を積み重ねて栄光を掴んだかにみえたのだが…。
死刑台にあがり万感の表情を浮かべるジェラール・フィリップはこの上なく美しかった…
collina

collinaの感想・評価

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ジェラール・フィリップとダニエル・ダリューなしでは成り立たない「赤と黒」。

彼の一挙一動に目が奪われます。野心家でありながら、知的な表情で覆い隠し、女性を魅了していく。色っぽくもなりすぎずも魅力的。その均衡を保って演じることができるのは、ジェラール・フィリップしかいないのではないでしょうか。

ダニエル・ダリューの人妻でありながら、無垢な可憐さと妖艶さ。

ジュリアンの陳述にもありましたが、上へ上へと目指しても、上に行けば行くほど、苦しくなる、格さ、差別。機会があれば利用して、上に上に行こうと、ナポレオンに憧れるけれど、もう時代が違う。革命なんて起きないと馬鹿にされる。けれど、諦めきれずに、だから、スペインから亡命した男の話に聴き入るジュリアン。いっそ、諦めたら、ある程度の出世は望めたかもしれないし、実際、落ち着こうともした。現実と理想の間で揺れる彼の不安定さが引き金を引いて、「真実の愛」を見つけたのかもしれないし、彼にはどこに行っても、その道しか残っていなかったのかもしれない。彼の凛とした姿が物語る気がする。ここでの、ジェラールには惚れ惚れする。

スタンダールの言葉が挿入されていたけれど、意味が自分の中でとどまったまま、思考が溶けていってしまったところがある。原作読んでみようかしら。次観るときは、リマスターで。
U

Uの感想・評価

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2019.5.30 DVD #123

ようやく見た。若きトリュフォーがかの有名な論文「フランス映画のある種の傾向」で槍玉に挙げていたのを読んで以来、敬遠してしまっていた。
ジェラール・フィリップ(『白痴』、『肉体の悪魔』)、ダニエル・ダリュー(『輪舞』、『たそがれの女心』)という二大有名役者、スタンダールの著名な小説の映画化
セントバレンタインの夜にこの作品。

誰にもどんなことにも屈することのない愛の物語。
壮絶な魂の物語。

一つ一つの情事が変化していく心が美しい。

彼は生きていくのに必死だった。
だから女を利用した。そういう時代。

しかし最後に彼を救ったのは紛れもなく真実の愛。
chacole

chacoleの感想・評価

4.8
以前原作を読んでから映画を観たときは、J・フィリップではややトウがたって、品があり過ぎると思っていた。
何年かぶりに観る当該作品は原作になかなか忠実であり、J・フィリップの品は、J・ソレルが努力で獲得した知性に沿うものだと思った。
身分階級を己の魅力と努力と野心で乗り越えたかに見えて栄光を掴みそこね転落していくさまを描いた作品は古今東西たくさんあるが、J・フィリップの存在感と演技がそれらを抜きん出るものと実感した。
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