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エレメント・オブ・クライム 4Kデジタル修復版の作品紹介

エレメント・オブ・クライム 4Kデジタル修復版のあらすじ

ラース・フォン・トリアー監督が一躍その名を世界に知らしめた長編第1作。催眠 術で過去に戻る刑事の物語をセピア色に彩り、独特のトランス感覚を生み出す。 カンヌ国際映画祭フランス映画高等技術委員会賞を受賞。

エレメント・オブ・クライム 4Kデジタル修復版の監督

ラース・フォン・トリアー

エレメント・オブ・クライム 4Kデジタル修復版の出演者

マイケル・エルフィック

メ・メ・レイ

エスモンド・ナイト

ジェロルド・ウェルズ

原題
THE ELEMENT OF CRIME
製作年
1984年
製作国
デンマーク
上映時間
103分
ジャンル
ドラマ

『エレメント・オブ・クライム 4Kデジタル修復版』に投稿された感想・評価

AOI_BJ
-
【4Kデジタル修復版】
ラース・フォン・トリアーの衝撃デビュー作。
全編セピア色の幻想的なフィルム・ノワール。
3.5
殺人事件の捜査を終え、カイロへ帰郷した刑事は、精神的にまいってしまい、催眠療法を受ける事にした。まずは、2ヶ月前の出来事から遡る。

ラース・フォン・トリアー監督の長編デビュー作。
脚本よりも、視覚的に印象深く残るセピア色のクライム・サスペンス。
教授
-
ラース・フォン・トリアーのデビュー作。
タイトルと冒頭の設定で物語の展開は大体読める。つまりストーリーラインの「面白さ」を伝えるような作品のテイストではない。

まず、作品全体にも言えることだが、本作は一般的な娯楽作品のような「面白い」という感触からは完全に遠い。
ラース・フォン・トリアー自身の意図と、意図に反する部分が半々くらいで調和していて、それを総じると「面白くない」映画に感じられると思う。

もう少し踏み込んで言えば、トリアーは敢えて一般的なわかりやすいカタルシスの為の映画を志向していないことは、本作のような、難解なストーリーテリングを用いている時点で明白だということ。

加えて、画面が「金色」に塗りたくられたかのようなライティング、現実世界のリアリティからはかけ離れたフィクショナルな世界観、それに伴う厳格さを追求した画角とアンビバレントな不条理性などからも明確である。

その時点で一般的な映像快楽としてのカタルシスについては最初から拒否されているというのが「意図された面白くなさ」と評した部分。

そして残りの半分は、トリアーのフィルムを通した混沌とした情報量と要素の階層による熱意が全力でスベっているケレン味にある。

ストーリーに関しては「ミイラ取りがミイラになる」と要約できるものでコンセプトは明確。
殺人事件の捜査を依頼されたフィッシャー(マイケル・エルフィック)が、捜査のためにオズボーン(エズモンド・ナイト)が残した「犯罪の原理」を使って犯人の行動に憑依していく。
やがて自己と犯人の心理の境界が曖昧になり…というもはや「ありがち」な展開。
つまりはその「ありがち」なストーリーに込めたテーマや世界観をどう味わうかが本作が求めていることでもある。

視覚的にまず、驚くのはこの「金色」のライティング(照明)によって、殺害現場の砂利が「金塊」のように映ること。
社会構造への批判として、人身の腐敗=犯罪の分母的位置に「資本経済」が煙幕のように、且つ支配的に漂っていることを映像的に表している。

そして繰り返し言及される「ヨーロッパ」というセリフ。
ゴダール的と指摘するのは「安易」で早急だが、トリアーの中にもそのような近代の消費社会への怒りや違和感は主題になるほど燻っているのだろう。

むしろ「犯罪捜査」を行うために、無批判に合理性のために「犯罪の原理」の利用する行為は、そのヨーロッパ的な知性に対しての欺瞞や傲慢さへの嫌悪感が表出している。
その点でトリアーの視点は「反知性」的な作家であることが読み取れる。

「カイロには住めない」「妻も置いてきた」とフィッシャーのモノローグで語られる点や、事件の「ファム・ファタール」として機能するキム(ミー・ミー・レイ)というアジア人売春婦を最終的には妄想に駆られ蹂躙する様は、フィッシャー自身の「ヨーロッパ的」(= 白人(男性)優位的)なるものの内面化と呪縛が表現されている。

そしてこれも1984年の映画であるにも関わらず、既に「男性性の病理」は悪夢として描写されている。
これはトリアーが自発的にストーリー内で言及していないが、むしろ作家性としての滲み出た情念として、ミソジニーやマッチョ性への「嫌悪」と、批判対象であるヨーロッパ的なる呪縛への怒りが、この悪夢的世界観を表出させているように感じて生々しい。

現実と妄想の境界、自身と犯人との境界が曖昧になってくる終盤、それが妄想世界であるが故に、殺人現場に意味不明に現れるマッチョなスキンヘッドの男たちが川に飛び込むシーンが挟み込まれるのも、これがストーリーから独立して、テーマが迫り出してくる証左になっている。

そして、何より本作がユニークなのが、本作の物語自体を「映画」としてアナロジー的に構成している点。
「犯罪者の行動の再現」は、まさに映画の構造の再現でもある。
「犯罪の原理」である捜査報告書は「脚本」であり、そのプロットを段取ることは「演出」であり、行動の再現は「演技」に該当する。
そして本作の中心は「回想」であり、それは「編集」された事実であるという構造。

映画で起きている出来事は、そのまま「映画づくり」の構造をなぞりながら展開していくことから、非常にメタフィクション的に構成されている。
主観的には「なんと小賢しい」とは思うが、むしろその「無邪気なまでにあざとい」という遊びや実験精神こそがトリアーの作家性とも言えると思う。
そして、好悪は別れると思うが、その作家性こそが、エンターテイメント的な映画の面白さ=カタルシスを無視しても、可愛げに繋がるところだと思う。

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