ピナツボ火山の大噴火を自分たちの手で起こしたと信じるカルト集団。彼らの黒魔術に導かれ命を日本車ギャランに捧げた狂信的な母カルメンは、アメリカ人男性との間に生まれた赤ん坊にある運命を授ける。それは《プロのバスケ選手となりNBAで活躍する》こと。赤ん坊はスーパースターから名を借りて「マイケル・ジョーダン・ウリリ」と名付けられた。やがて叔母の元で逞しく成長したウリリは伝説の23番を背負い、美しくもビッチな恋人との肉欲とバスケ賭博に明け暮れる青春を過ごしていた。そんな中、アメリカ行きのチャンスが目の前にぶら下がるも頓挫。失意の中、気付けばカルト集団の叔父ルイスや倒錯した大人たちが集うフィリピン・アンダーグラウンドへと踏み込んでゆく。堕ちてゆくウリリに残されたものは、もはやカルメンの化身となった日本車ギャランΣのみ。果たして彼はバスケの神様に祝福された子どもだったのか、それとも?