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黄金の鶏
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目次

『黄金の鶏』に投稿された感想・評価

◎触れ役が闘鶏からギャンブル依存の天国と地獄

開幕時に主人公の男がベッドから起きたかと思うと、鏡に向かって大きな奇声を上げ続けるので、何事かと思っていると、商売道具の太鼓を携えて広場に出向き、やおら踏み台に乗り、合間合間に鳴らない太鼓を叩きながら町の広報やら色々な宣伝を大声で触れ始める。

要は、彼はこの小さな町の「触れ役」なのだ。

都市国家を舞台とする市民劇とも評されるワーグナーの楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』にも夜警が登場するが、江戸時代の日本の都市部でも、町ごとに「番太」と呼ばれる被差別民が夜間は閉められる木戸番、夜警と触れ役を兼ねていた(*1 )から、この主人公も同じような身分と考えられるのではなかろうか。

【以下ネタバレ注意⚠️】








*0
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/番太

序盤ですぐに死んでしまう主人公の母親が、ベッドではなく、土間のように見える床に粗末な布を敷くだけで寝ていて、そこで苦しみながら絶命してしまうというのも物凄い。

彼にビギナーズラックを与えてくれた黄金の鶏は、数回目の試合で呆気なく敗死してしまうが、そこで彼は、はじめその鶏を高値で買い取らせてくれと懇願されたが拒否した、その地元の顔役の手下となって、闘鶏の「放し役」となる。
顔役から自分が負けたのも密かに敵方の「放し役」によって鶏の肋骨を折られたからだと教えられても怒ることなく自分もその不正を働くようになる。

顔役は、もともと(美術系の?)学校だったとかいう巨大な空間のある伽藍然とした建物に住んでいて、主人公とカードゲームで勝負して行くが負けが混んで、いよいよ、この豪邸まで賭ける羽目になるが、負けて男は家を出て行く。

どうやら、主人公が惚れた旅の楽団の歌姫カンパネラが顔役の勝負の「お守り」だったらしいが、女が家を出て行ったため、ツキが落ちてしまったらしい。

カンパネラは楽団に戻っていたが、酒場で主人公と再会すると酒場の女店主に頼み込んで案内された倉庫に用意された床に直に置かれたベッドに主人公を誘って関係を持ち、元の豪邸で主人公と暮らすようになる。

主人公は、かの豪邸でカード賭博の胴元と勝負師を兼ねて同好の士を次々と呼び寄せては勝ちを収めて大富豪を気取るが、いつまでも籠の鳥でいることが耐えられないカンパネラは酒浸りとなり、一度はまだ幼い娘を連れて楽団に戻ろうとするが、新しい歌姫を雇ったと袖にされ、やむなく家に戻る。

女はますます酒浸りで正体を失うようになり、娘はいつしか客が乗って来たタクシーに乗り込んでは誰彼構わず男を誘うようになり、客の女房が怒鳴り込むようなことにもなった。

しかし、カンパネラは泥酔したまま、ある晩、そのまま息を引き取った。

その晩、持病持ちの客が主治医を傍に待機させながら徹夜で勝負に臨んだ主人公は、妻が死んだことも知らずに勝負を重ねるが、負けが混んで、いよいよ豪邸を掛けて負けてしまう。

男は、妻が死んでいたことを確認すると別室で銃口を自分に向けて死出の旅路に発っていった。

小さな町の人びとが集う広場では闘鶏が行われ、ステージでは、かつての娘がすっかり板についた歌を披露していた。‥‥という話。

典型的な「反復」によって構成された説話。

顔役が豪邸を賭けて負けて家を出る。

跡を継いだ主人公も豪邸を賭けて負けて自死
*最初の顔役も自死したのか?
**主人公に勝った太っちょも同じ道をたどるのか?

歌姫カンパネラの男好きゆえの誘惑

娘の手当たり次第の男への誘惑

主人公が知らぬ間に死ぬ母

主人公が知らぬ間に死ぬ妻 etc.etc.‥

全体を通して言えることがあるとしたら、他者と接して、世界を広げるとき人は上り調子となり、自分の世界に閉じこもると最後には行き詰まる、ということか。

はじめはフェリーニ的な祝祭感を楽しめたが、だんだんと盛り下がって行った感じ。

はじめの方で、神父が行方不明だった牛を見つけた報告をする主人公を放ってテレビ観戦に夢中なので、明らかに戦後の話だが、ほとんど19世紀と見紛う生活ぶりなのが、いかにも説話らしいところ。

ちょっと長過ぎる。

《参考》
*1 国立映画アーカイブ作品紹介
www.nfaj.go.jp/program/mexico202501-29/
**カラー ビスタサイズ

*2 hidenori okada 午後10:57 · 2025.1.3
x.com/79primaveras/status/1875179582544044237

*3 是安祐 午後10:54 · 2025.1.9
x.com/yukore/status/1877353211138642008

*4 aida ronpe 午前10:45 · 2025.1.12
x.com/ronpekun/status/1878257035449634907

*5 セメントTHING 2025.2.10 13:37
https://fedibird.com/@Cement_Thing/113977738635695101
*5-1
https://www.threads.net/@cement__thing/post/DF4QRd8ynlO

《上映館公式ページ》
京都文化博物館
メキシコ映画の大回顧
2025.2.26(水) 〜 3.9(日)
会場: 3階 フィルムシアター
www.bunpaku.or.jp/exhi_film_post/20250226-0309/
reb
3.8
「メキシコ映画の大回顧 国立映画アーカイブ IMCINE機構長ダニエラ•アラトーレ氏講演」で鑑賞。

母親と暮らす極貧の男ディオニシオは、傷ついた闘鶏を世話し、その闘鶏で金を稼ぐようになるが‥。

去年のTIFFで特集を観てからハマってしまったメキシコのアルトゥーロ•リプステイン監督。
グロテスクともいえる題材を、人間のおかしみ哀しみをこめたシュールな笑いとともに描き出す。
その独特のユーモアに、会場ではたびたび笑いが起こっていた。

ごく普通の男が、金や美女や屋敷を手に入れてしまったがために、運に翻弄されて転落の人生を辿ることになる。
欲に溺れてしまう人間の性懲りもなさは、呆れるほど切ない。

ラテンアメリカ文学の作家ファン•ルルフォがプロットを作った物語を、監督の妻で脚本家のパス•アリシア•ガルシアディエゴが担当したということで、女性の描き方が実に切ない。
ディオニシオの妻となった歌姫のカポネラは、彼のツキを呼ぶ運命の女神として常にそばにいることを強いられ、結局男と屋敷に囚われてしまう。
そして自分の過去の栄光を、無理やり娘に押し付けようとし酒に溺れていく姿は、哀れでもありハラハラした。
繰り返される娘の悲しいループは、なんともやるせない。

主人公たちの周りにワチャワチャたむろしているギャンブルに明け暮れる男たちや、大道芸人たちや、貧しさからその辺に寝転んでいる人たち。
一攫千金をもくろむ有象無象の輩が誰かの転落を待って蠢くという世界が、しっかり隅々まで描かれている。
やっぱリプステインいいなぁ。
 よくあるギャング映画の貧困→成り上がり→没落の流れをちゃんと踏んでてよかった。

/鶏、普通に若鶏のスープを共食いしてたな...

/母親がああいう死に方した時点でヒロイン兼嫁の辿る運命もなんとなく読めちゃうの鬱

 /ラストまでに娘がしたたかさと強さを持ったうえで新しい家族を持ってるあたりに救いが見られてすき

 /TIFFで見た「境界なき土地」もそうだったけど、全体的に一見20世紀初期、下手したら19世紀が舞台でもおかしくない風景なのに、序盤の教会に置いてあるテレビや車の形でかろうじて「どうやら第二次大戦後が舞台っぽい」ってわかる絵面なのがすごい。
 賭けやサーカスしか娯楽がない、あのギリ文明開化前の感じ、「時代の流れに取り残されたメキシコ🇲🇽の田舎」がテーマ性になってた気がする。

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