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スズキ
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目次

スズキの作品紹介

スズキのあらすじ

2009年夏、ブラーが再結成し、オアシスが解散した。チャットで出会ったスズキとの会話が、中学生のスミンの単調な日々を鮮やかにしてくれた。しかしその夏、スズキは姿を消した…。ノスタルジックで、最高にロックでエモい青春映画!

スズキの監督

アン・ジョンミン

原題
스즈키/Suzuki
製作年
2024年
製作国・地域
韓国
上映時間
23分
ジャンル
ショートフィルム・短編

『スズキ』に投稿された感想・評価

Juzo
4.9
『スズキ、その名前が、僕の世界だった。』
爆音のギターが鳴り響くライブハウスの真ん中で、少年が世界のすべてだった存在を失い、それでも大人の階段を押し上げられていく、あまりにも美しく切ない青春のロードムービー。
退屈な田舎の日常から、顔も知らないインターネットの友達「スズキ」を通じてロックの世界にのめり込んでいった一人の少年が、その終わりと共に子供時代を通過していく姿を真っ直ぐに捉えた珠玉の成長譚である。
2009年、ブラーの再結成とオアシスの解散という洋楽史の地殻変動が起きる中で、地方都市に生きるスミンにとって、スズキは退屈な現実を鮮やかに彩ってくれる唯一の存在であり、世界のすべてだった。だからこそ、突然姿を消したスズキからのメッセージをきっかけに、すべてを投げ出してソウルへと向かうスミンの衝動には、息が詰まるほどの切実さが宿っている。
そして、本作のすべてが収束するあのラストのライブハウスのシーンが、本当に完璧で素晴らしい。
それまでの気だるい田舎町とは対照的な、眩い照明の明滅と鼓膜を震わせるロック。スミンがずっと画面の向こう側に憧れ続けた世界がそこにある。周囲の観客たちが音楽に身を委ねて狂騒するその真ん中で、スミンが直面する決定的な喪失は、胸が張り裂けそうなほどの孤独を突きつける。
だが、アン・ジョンミン監督のカメラワークが捉えるライブハウスの熱気は、決して少年を突き放すような冷たいものではない。むしろ、大好きな音楽の爆音とノイズが、傷ついたスミンを優しく包み込む抱擁のようにすら思えてくる。ウォン・ジアンがもたらす現実の重みを受け止めながら、もう二度と戻らない大切な季節に区切りをつけ、否応なく大人の一歩を踏み出していくスミンの横顔が、あの眩い光の中にあまりにもエモーショナルに焼き付けられている。
幼い日の純粋な憧憬と、世界から取り残されたような寂しさ、そして音楽への絶対的な信頼が爆音の中に溶け込んだ、観終わったあともずっと心の奥底を揺さぶり続ける青春映画の傑作。
十年ぶりに、NUMBER GIRL、GOING STEADYなどを聴きながら帰ったら泣きそうになった。
4.0
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