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コロッサル・ユース 2Kレストア版
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『コロッサル・ユース 2Kレストア版』に投稿された感想・評価

河
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『溶岩の家』の舞台であるカーボ・ヴェルデからの移民であるヴェントゥーラを中心とした映画であり、『ヴァンダの部屋』の続編のようになっている。

窓から家具が投げ出されるショットから始まるが、ここで投げ出す人は映されず、あたかも穴のような窓から家具が噴き出ているかのようになっていて、これは火山の噴火で、家具は溶岩なのだろうと思う。そしておそらくカーボ・ヴェルデ島だろう島での思い出を語りながら、暗闇に消えていく(おそらくヴェントゥーラの)妻のショットが続く。画面にはナイフを持った手だけが残る。

『ヴァンダの部屋』から時間は経過し、移民地区(リスボン近郊のフォンタイーニャス地区)の取り壊しは進み、ヴァンダは薬物をやめ、団地に暮らすようになっており、子供も生まれている。ひたすらに今を映し出していた『ヴァンダの部屋』に対して、この映画にはヴェントゥーラとヴァンダを含むその子供たち、そしてその子供であるヴァンダの子供という、過去から未来への線がある。ここでヴァンダの子供は『血』での子供と同様に早生児だと語られ、未来の不安定さのようなものが含まれる。

妻と家具を失ったヴェントゥーラは団地に広い部屋を借りて、〈子供たち〉を集めて暮らそうとする。ここでヴァンダもその子供たちの一人として扱われる。であれば『ヴァンダの部屋』で言及されながらも登場しなかった(はず?)彼女の継父がヴェントゥーラということになるが、実際に、本当に〈子供たち〉が子供たちなのかは曖昧である。

ヴェントゥーラの過去が並行で映し出される。ヴェントゥーラはもう一人の労働者と共に革命軍や警察、白人から追われ、身を隠している。ヴェントゥーラはもう一人の労働者の故郷への手紙を考えるが、その手紙の内容は『溶岩の家』でのものと殆ど同じである。そしてヴェントゥーラは『溶岩の家』でのカーボ・ヴェルデからポルトガルへの労働者レオンと同じく、工事現場で落下し、同じように頭に包帯を巻く。レオンが意識不明となるが、ヴェントゥーラは無事である。『溶岩の家』においてカーボ・ヴェルデ島の住民たちは名前を剥奪されたかのように、入れ替え可能なように映されていて、ヴェントゥーラやもう一人の労働者もまた、レオンや他の出稼ぎ労働者たちの分身のようにある。

マグマは流れ、地表へと出た時に溶岩となり固定され、そこから動けない。それは商品のようにポルトガルへと運ばれ、殆どが島に帰れないまま労働によって命を落とす出稼ぎ労働者たちの比喩のようである。はじめの、まだ固まりきらない溶岩のように流れ出す家具のショットは、固定された彼らが再び流れ出したことを示すかのようで、ヴェントゥーラもまた、新しい家を作り出そうとする。

ヴェントゥーラと共に身を隠していた労働者は、その後家を手に入れたが、それを自ら燃やしてしまった。彼らが望んでいたのは「溶岩の家」、つまり島での家であり、ポルトガルの家ではなかったのかもしれない。燃やすことによって、それは溶岩の家となる。しかしそこに住み続けることはできない。おそらくヴェントゥーラの妻もそこが溶岩の家ではないからこそ、家にあるものを全て破棄し、島での思い出を語りながら去ったのだろうと思われる。

『ヴァンダの部屋』と同様に光と影のコントラストが非常に強い撮り方となっていて、移民地区では、取り壊しによる壁の破壊などによってくっきりと角ばった影を作り出され、団地は真っ白で均質に照らされている。ここで、団地のヴァンダの部屋にはヴァンダやそこに訪れたヴェントゥーラが生み出す影がある。それは移民街から持ち込まれた影であり、ヴェントゥーラたちの過去に落とされた影でもあるように感じられる。はじめ、画面は全体的に暗いが、終盤に向けて影の占める面積が少なくなっていく。そしてヴァンダの娘は常に画面の端、ベッドの脇にいて、影から顔を覗かせている。ヴェントゥーラがもう一人の労働者と再会するとき、一回だけカメラが移動する。そこで映し出されるのは光と影が調和した木漏れ日の川であり、そこを舟が進んでいく。水は溶岩のように固まらず流れ循環する。ヴァンダを含むヴェントゥーラの子供たちがベッドの上に固定されている(寝る、入院する、座り込むなど)様が繰り返し映され、ラストにおいて寝ているヴェントゥーラもベッドの上に固定されている。彼の組まれた足によって作り出される縦の影もまた動かない。
Sari
3.9
ペドロ・コスタ監督特集で『コロッサル・ユース』(2006)2Kレストア版鑑賞。

政府によりスラム街が取り壊され、ヴァンダは新築住宅に移り住むんでいた。高齢のカーボヴェルデ移民・ヴェントゥーラが、新築住宅の自称“子供たち”を訪ね、かつてのフォンタインニャスを漂うように彷徨う。
出演者は主に素人で、彼らの実人生に基づく語りを通じて、現実と記憶/幻影が交錯する映像詩が展開される。

実質、『ヴァンダの部屋』(2000)の続編であるが、デジタル・ビデオ撮影による極めて静的な長回しシーンが特徴。カメラはほとんど動かず、演者も抑制された、ほぼ感情表現のない朗読形式の台詞回し。照明は最低限に抑えられ、暗い廃墟から絵画的なコントラストのある画面が構築され、映像はまるでレンブランドやフェルメールの静物画のようとも評されている。

『ヴァンダの部屋』で見られた日常的な演技と、より儀式的な演出とが同時に存在している。新築住宅(近代的な集合住宅)へと移り住んだヴァンダは、今では夫と娘と共に安定した暮らしを送っている。しかし、自室では以前と変わらず、まとまりのない身の上話を語り続ける。赤ん坊のお尻ふきの話や出産の痛みについて延々と語る彼女の演技は、前作でのリアルな日常描写を引き継いでいる。時折、激しく咳き込む時もある。ヘロインを探し回ることはなくなった彼女の手は、代わりに日々の些細な作業に忙しく動く。例えばヴェントゥーラの靴を磨く彼女の所作には、思わず見とれてしまうほどの美しさがある。
フォンタイニャスの部屋の外から、或いは、この新築住宅で外から聞こえてくる子どもの遊ぶ声、音の数々は、おそらく録音か、サウンドデザインかも知れない。

詩のような手紙、労働者のレントが妻に宛てたものをヴェントゥーラが代わりに朗読し、反復によってヴェントゥーラ自身の感情表現へと肉付けされ、映画のリフレインとして響く。離れて暮らす妻への深い愛情と再会への願い、さらに「車や赤土の家、lava  house、何万本のタバコ、何十着ものきれいなドレス」といった豪華な約束を、夢想的に語る。しかし現実には100人以上の働き手に囲まれ、妻とは物理的にも心情的にも離れた状態であり、黙然と仕事だけが続くそうした矛盾と切実が、言葉によって芸術的に練り上げられている。 2025/07/25 ナゴヤキネマ・ノイ
toch
4.5
真っ暗な部屋で扉と人物だけ綺麗に照らされる映像すごい。
光と影の映画。コントラストの強い映像とは裏腹に、出てくる人たちはどこか生死が曖昧というか、皆幽霊なのか?という目で観ていたけどもし生きていたらごめんなさい、という感じの生気のなさ。
諦めと孤独、寂しさの中でまだ希望は捨てきれずに心の支えにしていてグッとくる。汚い壁は精神衛生に良くない
しっかりとストーリーがあるわけではないけど飽きなかったし、『ヴァンダの部屋』と観る順番間違えたけどあまり気にならなかった。

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