ようこそ、世にも美しい地獄へ。 リン・ラムジー監督が仕掛けた『DIE MY LOVE ダイ・マイ・ラブ』は、のどかな田園風景を血と泥で塗りつぶし、人間の内奥に潜む最も獰猛で、かつ極上のポップさすら漂う歪みを炙り出した、極めて毒烈な狂気の恋愛映画でした。 世間一般が抱きがちな産後鬱の痛ましい闘病記録みたいな先入観の枠組みを、監督自身がせせら笑いながら踏みつぶし。もっと普遍的で、もっと動物的な、実存の危機と云うホラーを描き出しています。
主人公グレースを演じるのは、「世界にひとつのプレイブック」でアカデミー主演女優賞に輝いたジェニファー・ローレンス。本作ではプロデューサーも兼任し、出産後の女性が抱える孤独や不安を、自身の出産経験も生かした役作りで体現。夫ジャクソンには、「THE BATMAN ザ・バットマン」のロバート・パティンソンが扮した。原作はアリアナ・ハルウィッツによる小説「死んでよ、アモール」。プロデューサーとしてマーティン・スコセッシが名を連ねる。第78回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、第83回ゴールデングローブ賞ドラマ部門主演女優賞にもノミネートされた。