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波の作品紹介

波のあらすじ

2018年、チリの大学に広がったフェミニズム運動を背景に、ひとりの音楽学生のプロテストが社会のうねりになるまでをパワフルに描いたミュージカル映画。

原題
La ola/ The Wave
製作年
2025年
製作国・地域
チリ
上映時間
128分
ジャンル
ドラマミュージカル

『波』に投稿された感想・評価

Omizu
4.5
【第78回カンヌ映画祭 カンヌ・プレミア部門出品】
『ナチュラルウーマン』セバスチャン・レリオ監督の新作。カンヌ映画祭カンヌ・プレミア部門に出品、東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門にも出品されている。

大傑作。人生ベストの『ナチュラルウーマン』をはじめ外れのないレリオ監督、高すぎるハードルを余裕で超える素晴らしい作品を繰り出してきた。

実際にチリであったフェミニズム運動を鮮やかに脚色、ミュージカルとして再構成している。女性問題を様々な観点から見つめなおし、更に「男性である監督自身」にも鋭く切り込む。

レリオ監督のダイナミズム溢れる展開力が大好きだ。非常に思い切った演出をしているが、それが破綻なく描かれるのは流石。激しく力強いフェミニズム映画でとても素晴らしい。

日本公開されたら話題になること間違いなし。プレス上映で観たのだが、普通起こらない拍手が起きていて確実に観客の心に刺さっている。あまりにも鮮やかな作品。レリオ監督に外れなし。今後も期待。
4.5
【運動の波に乗る事の強さと蚊帳の外になってしまう危うさ】【東京国際映画祭】
■あらすじ
2018年にチリの大学キャンパスで展開された、セクシャルハラスメントや男女差別を告発するフェミニスト運動を、パワフルなミュージカルとして描いた作品。音楽を学ぶ大学生のフリアは、大学でのハラスメントへの告発を取りまとめる証言委員会に加わる。同時に、フリアの心の中では、声楽教師の助手マックスと彼女自身との関係が本当に同意の上だったのか、という問いが渦巻いていた。やがて、運動のなかでフリアは自分自身の言葉を見つけ、声を上げる。女性たちの抗議行動がエネルギッシュな歌やダンスの形で表現され、見る者を圧倒する。これまでもマイノリティの問題を扱ってきたレリオの新境地と言えるだろう。カンヌ映画祭カンヌ・プレミア部門で上映。

■みどころ
大傑作!!
セクハラ、フェミニスト運動に参加した女子大学生のお話。
東京国際映画祭参加3日目にして映画の面白さとテーマの鋭さを両立した映画に出会えて感動しています。
これは全国公開されて欲しい映画だと思います。

映画は2018年のチリの大学キャンパスで行われた大学占拠での性加害・フェミニスト運動から着想を得たミュージカル映画。

フリアは音楽を勉強する学生で、ある夜のクラブに音楽教師の助手マックスと一夜限りの関係を過ごす。
その後、大学にてレイプした犯人に単位を上げる大学はおかしいという主張を基にした性加害・フェミニスト運動が広場で巻き起こりフリアもその流れに参加する事になった。
やがてフリアは運動の主要メンバーの一員として参加するが、参加して証言を集める・運動を先導する役割を担う中でマックスと一夜限りの関係で過ごした事に対して本当に同意の上で行われたのか?について疑問を抱く。
そして、音楽科の生徒会長でもある男子学生に性加害の疑惑がかかること、大学側の教授が女子大学生にセクハラを働いていた疑惑が生まれる事、フリアがマックスに性加害を受けたと警察・フェミニスト運動メンバーに証言したことでフェミニスト運動そのものが激化し、ある大きな行動が生まれていくが…

本作はミュージカル映画として性加害・フェミニスト運動の実態を描くが、忠実に描いている訳ではなくて大学キャンパスと地続きにマックスの部屋、地下鉄、学長室、警察を拡張する第4の壁を用いてフェミニスト運動のミュージカルが展開されていく。
監督はこれをシリアスに捉えつつもミュージカル映画というジャンルを活用して遊び心を設ける一環だと説明されている。それは映画としての視覚的な面白さでもあるが、個人的には運動の影響の広がりそのものが第4の壁を経て広がっている様を表していて興味深かったです。

運動のきっかけは誰か分からない男子大学生の性加害に大学はそれでも単位を与える事の不平等さであるが、ミュージカル映画で広がる視覚的な出来事はフリアとマックスの性的同意の有無・論証の証明の難しさ・性被害者と性加害者側の人生を守る動きが展開される。
それはフリアにとって抱える性加害の問題に向き合う波に乗れる事でエンパワーメントの強さに頼れる安心感があるが、その一方でフリアとマックスの性的同意という個人の問題から大学で行われる性加害の全体の問題の一部に吸収されて性加害・フェミニスト運動の"きっかけ"になってしまう。
それによって本来はフリアとマックスの問題のはずが、両者の保護者・大学・警察など様々な人物を巻き込む大問題へと拡大され、フェミニスト運動に参加しているものの自分の問題に向き合っているようで蚊帳の外に追い出されて深く入り込めないジレンマをも現出している。
実際の運動の実態のみならず根幹の声を上げる事の大切さをエンパワーメントの波に乗る事の強さと危うさをミュージカルによって鋭く描いていて、フリアにとって向き合いたい問題が運動によって距離感を生んでしまって本質的に深く参加できない事を浮彫にする作劇が素晴らしいと思いました。
分かりやすさを保持するためなのか、女性側の被害者・男性側(+家族および大学側の家父長)の加害者との線引きを露骨にハッキリ線を引いているのはノイズに感じたが、それも運動のエンパワーメント激化に伴う極端な思考というエンパワーメントの危うさに昇華していて上手いと思った。
つまり性加害の論証、主張のシビアさと難しさ、双方の人生を歩む攻防などのムーブメントが実際の性加害・フェミニスト運動の当事者と仲間の思想違いなどの本質的な問いと一致していて、敢えてメタ的に映したり仲間割れ含めて危うさの鋭さが白眉だなと。

加えて運動中と運動後のエピソードで線を引いて性加害の被害者の人生は運動の後にも永続していて苦しみは消えない事を現出し、それでいてミュージカルとしてシリアスさ・遊びの調和が取れるバランスが素晴らしかったです!


余談だが監督とのQ&Aでこの映画にSNSの概念が乗っていない話を聞けて、SNSを乗せていない事の理屈は時代背景の影響・運動を遂行する保護の観点でとても分かる。
けれども本作で語られる波に乗る行為のエンパワーメントの強さは当事者にとって予期せぬ方向に進んでしまう一面も内包していて、それはSNSの発信で古今東西様々なイデオロギーにおける発信の広がる速さ・速すぎて思わぬ意図で拡散されてしまう危うさに通ずるものがある。
つまり本質的にSNS的な質感を浮彫にしていて、その問題提起は重要だと思う。

そうゆう意味で本作はフェミニスト運動の問題提起のみならず
・個人の問題を全体の問題へ拡張されてエンパワーメントとして加速する事の力強さ
・全体の問題になる事で個人の問題が蚊帳の外になりかねない矮小化による危うさ
・当事者の苦しみは当事者の発する声にかかっている重要さ
を力説していて、問題提起含めてパワフルかつ繊細な一作に感じました。オススメです。
2018年にチリの大学で起きた性暴力への抗議活動を基にしたフェミニズム・ミュージカル映画。劇中の台詞「MeTooとは違う」がそのままこの作品のスタンス自体を示す。声を上げた被害者のその後も続く人生への想像力が乏しい日本で公開すべき映画だった。視覚的な魔術に彩られた入り組んだ説話構造が、性暴力を巡る体験と感情をとことん複雑化し、理解した気になっているだけの冷笑主義者たちを一蹴してみせる。

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