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見えない娘 THE INVISIBLESの作品紹介

見えない娘 THE INVISIBLESのあらすじ

とある島で、ひっそりと暮らす父と三姉妹の家族。 この家族には、ちょっと変わった秘密があった。 それは、末娘のひかりが生まれつき“透明人間”であること。 娘たちを朗らかに育てた母親が亡くなった後、心配性の父は、三姉妹を人目から隠すように暮らしていた。 そんなある日、東京で暮らす大女優の祖母が入院したという知らせが入る。 祖母に、ひかりが透明人間であることを打ち明けられないまま、家族は東京へと出発することに。 しかし、透明人間の娘との旅は、危険と困難だらけ。 果たして父は、先行き不透明な旅を無事に終えられるのか?

見えない娘 THE INVISIBLESの監督

竹林亮

原題
公式サイト
https://mienaimusume.com/
製作年
2026年
製作国・地域
日本
上映時間
110分
ジャンル
SF
配給会社
パルコ、CHOCOLATE Inc.

『見えない娘 THE INVISIBLES』に投稿された感想・評価

kuu
3.7
『見えない娘 THE INVISIBLES』
製作年 2026年。上映時間 110分。
映倫区分 G 製作国 日本

竹林亮監督が、透明人間の娘と一緒に東京へ旅に出た家族の奮闘を描いたSFドラマ。

バイプレーヤーとして異彩を放つ毎熊克哉が父親の学を演じ、近藤華や矢山花、そして不可視の存在という難役に挑む鈴木凛子らが家族の揺れ動く輪郭を演じる今作品。
余貴美子や寺島進といった重厚なキャストが脇を固めることで、奇抜な設定の足場が現実の地盤へしっかりと繋ぎ止められてました。
 
劇中で明確な姿を見せない少女の演技や演出には、撮影現場での細やかな工夫と技術的アプローチが注ぎ込まれており、アニメーション作品で培われた夏生さえりの叙情的なストーリーテリングが竹林亮監督の緻密な映像世界と融合してるかなと思います。
 
全編を貫くは、可視と不可視という境界線をめぐる静かな対立です。
現実に存在するのに社会の網の目から零れ落ちてしまう存在や、家庭内に潜む閉塞感という現代的な痛みが、透明な少女という強烈な造形の中に凝縮されてます。
物理的に見えないという現象は、目に見える情報ばかりに頼り切った現代人の冷淡さや無関心を射抜く鏡かな。
社会学的な差別構造や視覚中心主義への批判を孕みつつ、同時に人間の承認欲求や心理学的な個の確立という普遍的なテーマへと深く深く潜航してゆきます。
 
タイトルに刻まれた複数形の言葉は、孤立しているのが決して一人の少女だけじゃないという厳然たる事実を告げ、社会の片隅で声なき声をあげるあらゆる人々の姿が、その影に重ね合わされてるのかと。
ときに設定の飛躍に戸惑いを覚えたり、物語展開の重苦しさや説明を削ぎ落とした描写に息苦しさを感じる瞬間があるのも確かです。
一見すると決して手放しで万人受けする親切設計なエンタメじゃなく、観る側に沈黙や思考を強いるような不条理さが漂ってはいます。
しかし、その一方で、見えない娘を連れて手探りの道中をゆく道程は、どこかおかしくも切ない独特の道中劇へと昇華されてゆきます。
奇妙な日常の掛け合いに思わず吹き出してしまうシュールな可笑しさと、直後に押し寄せる圧倒的な切なさ。
その感情の振れ幅の中に身を置くことで、可笑しさと哀愁が同居する笑って泣けるという濃密な映画体験へと個人的には引き込まれました。
受け手によって捉え方や評価は分かれるかもしれない。
歪で愛おしい家族がそれぞれの居場所を探して前へ進む家族ロードムービーとして印象を残す作品でした。
 
安易な涙や手軽なコメディに収まることなく、喜劇と悲劇が表裏一体となった不完全な家族が手探りで相手の温度を確かめ合う過程を愚直なまでに描き切ってたし、視界に映るものだけを真実と信じ込みがちな現代社会において、滑稽でありながら愛おしい家族の摩擦を通じて、触れられない温もりや気配に耳を澄ますことの尊さを物語る作品でした。


とある島でひっそりと暮らす星野家の父と3人の娘たちには、少し変わった秘密があった。それは、末娘のひかりが、生まれつき透明人間であること。娘たちを朗らかに育てた母が他界した後、心配性の父・学は三姉妹を人目から隠すようにして暮らしてきた。そんなある日、東京に住む大女優の祖母・砂川エリ子が入院したという知らせが届く。家族はひかりが透明人間であることをエリ子に打ち明けられないまま東京へ向かって出発するが、その道中にはさまざまな危険や困難が待ち受けていた。
ぶみ
4.0
もしも、生まれた娘が透明人間だったら?

竹林亮監督、毎熊克哉主演によるSFドラマ。
透明人間の末娘がいる家族が、祖母に会おうと東京へ向かう姿を描く。

主人公となる三姉妹の父親・星野学を毎熊、長女・風子を近藤華、次女・音々を矢山花、生まれつき透明人間の三女・ひかりを鈴木凛子、祖母・砂川エリ子を余貴美子、亡くなった母親・こころを映美くららが演じているほか、寺島進、友近、濱田祐太郎、宇野祥平、円井わん、浅沼晋太郎、坂口涼太郎、板尾創路等が登場。

物語は、スマホのバイブ音と赤ちゃんの鳴き声が響き渡り、草原の中を誰かを探す人々が映し出された後、謎を解明しなければならない旨を夫婦に伝える医師と誰もいないベビーベッドが登場と、サスペンスかホラー感満点のスタートを切ることに。

そこでオープニングクレジットが表示、離島の遠景のショットに続き、立入禁止区域の林の中へ入る小学生二人組が、怪しげな一軒家を見つけるシークエンスになるので、ここもまたホラーのような雰囲気満載。

すると、家の中では、おもちゃの飛行機がひとりでに動き出し、勝手にドアが開き、簾が揺れと、明らかに見えない誰かがいると思われる光景の連続となる中、庭では何事もなかったかのように振る舞い、映画を撮っている風子と音々、そして、そこに被せるように「これが私」とするひかりのナレーションが入ったので、三女が透明人間であるという世界観にすんなり入り込むことができたところ。

以降、東京に住む女優の祖母が入院したという連絡を受けたことをキッカケに、一家が神津島から東京へと向かう様子を中心として展開、基本、母親が亡くなり、人目を避けるようにして暮らしてきた父娘にとって、皆で外出すること自体が大冒険なので、フェリーで下田へ行き、クルマやタクシーで伊豆を経由して東京へ向かう過程が一筋縄で行くはずがなく、その珍道中は、まさにドタバタロードムービーのそれ。

何より、喫茶店の店員を友近、タクシー運転手を寺島、そして警察官を宇野と、途中で出会う人々を名バイプレイヤーばかりが演じ、かつ、それぞれのエピソードも面白いものばかりで、ついニヤニヤしてしまった次第。

クルマ好きの視点からすると、一家が乗っているのが、既に最終モデルでも26年前となるものの、そのデザインは全く色褪せていない日産・ラシーンで、当時、ドラえもんがイメージキャラクターであったことから、コメディなノリのSFものである本作品にはピッタリであったこと、そして、そのナンバーが「1365」で、「一年365日」と読み取れたのに加え、前述の宇野が演じる警察官の黒白パトカーが、3代目日産・ティアナで、こちらもナンバーが「110」=「110番」であったのは見逃せないポイント。

冒頭に書いたようなホラーテイストは最初の一瞬のみであり、以降繰り広げられる笑いあり涙ありのドタバタロードムービーは、何とも温かい空気に包まれたもので、その世界観が小気味良かったとともに、その冒頭に登場する医者を演じていたのが加藤雅也だったのは流石に気付けなかったのに加え、オリベル・ラシェ監督『シラート』同様、クルマのサイドブレーキの引き忘れには注意したい良作。

斎藤工、知ってる?
背骨
3.2
パルコ、CHOCOLATE Inc.から招待され公開記念舞台挨拶回にて鑑賞

病気のおばあちゃんを見舞うために娘3人と東京へと向かうロードムービー(うちひとりは透明人間)… ん?

「娘の一人が透明人間」というワンアイデアで最後まで押し切るパワープレイには驚いたが、いつも不安げで否定ばかりしている父と怖いもの知らずな娘たちという近いようで遠い関係性が生み出す居心地悪さと絶妙な距離感、小さな笑いをチョコチョコ挟みながら最後はしっかり着地させてしまう剛腕は凄いと思う

いつも目の前にあるのに気づかない、見えないからこそ感じられるものもある… そんな事を感じたりして

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