「昭和20年、9月21日夜、僕は死んだ。」 終戦間もない阪急電車の駅構内。少年・清太は今にも息絶えようとしていた。 清太の持っていたドロップの箱から骨が落ちる。その骨は蛍となり、明かりを灯しながら跳び立つ。いつのまにか無数の蛍が飛び交う中、そこには清太の幼い妹・節子が居た。節子と合流した清太は、節子と一緒に電車に乗ってどこかへ行く。 車窓の向こうでは町が戦火に包まれていた。清太と節子は、母とまだ暮らしていた戦争待っただ中の頃を反芻する……。
原爆が投下された三年後。ゲンは母と弟分の隆太と共に懸命に生きていた。広島の街も復興の兆しを見せる。しかしそんな中、母が原爆症によって倒れてしまう。治療のため金策に励むゲン。しかしそうしてい…
>>続きを読む第二次世界大戦中、中岡家は貧しい中でも互いに支え合って暮らしていた。しかしその生活も原子爆弾によって、すべてが灰になってしまう…。母と共に生き残ったゲンは、めげずにたくましく生きようとする…
>>続きを読む長田新の『原爆の子』を八木保太郎が脚色し映画化。8万人を超す広島市民がエキストラとして参加し、原爆投下直後の広島を再現した。ベルリン国際映画祭で長編劇映画賞受賞。
落ち着きがないことを理由に、小学校を退学になってしまったトットちゃん。 新しく通うことになったトモエ学園の校長先生は、 出会ったばかりのトットちゃんに優しく語りかけた。 「君は、ほんとうは…
>>続きを読むどこにでもある毎日のくらし。昭和20年、広島・呉。わたしはここで生きている。 すずは、広島市江波で生まれた絵が得意な少女。昭和19(1944)年、20キロ離れた町・呉に嫁ぎ18歳で一家の…
>>続きを読む1944年末。田舎の村で暮らすヨンエとジョンブンは仲良しで、ジョンブンはヨンエの兄・ヨンジュのことが好きだった。そんななか、ヨンジュは徴集され村を離れることに。ヨンエは日本に留学することを…
>>続きを読む第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島。日本軍の敗戦が色濃くなった中、田村一等兵(塚本晋也)は結核を患い、部隊を追い出されて野戦病院行きを余儀なくされる。しかし負傷兵だらけで食料も困窮し…
>>続きを読む1940年代後半のイタリアで、1人の母親が苦渋の決断を下す。貧しさとは無縁の新しい生活を少しでも送ってほしい、そんな思いで彼女は息子を北部の地に送り出すのだった。
© 野坂昭如/新潮社, 1988