Tラモーン

ハンニバルのTラモーンのレビュー・感想・評価

ハンニバル(2001年製作の映画)
3.4
なんだか気になってしまったので続けて。


バッファロー・ビルの事件から10年後、ハンニバル・レクター(アンソニー・ホプキンス)はフィレンツェに潜伏していた。その頃、クラリス(ジュリアン・ムーア)は担当した麻薬捜査での犯人銃殺で世間の批判を浴びており、FBI内での立場が危うくなっていた。それを知ったレクターの被害者で大富豪のヴァージャー(ゲイリー・オールドマン)は仇への復讐のため、クラリスをレクターの捜査に復帰させるべく政財界への影響力を駆使して画策する。


うーん、面白いは面白いけど『羊たちの沈黙』として観たら正直残念だった…!

前作で強烈な存在感を示したレクター博士をストーリーのメインに据えたかったのはよくわかるんだけど、登場シーンが増えてしまったせいで彼の神秘性がかなり損なわれてしまったように感じた。
もちろん狡猾なサイコパスとしての側面が補強されていたし残虐シーンはゾッとしたけど、レクター博士の魅力はそんな表面的なものじゃなくて、あの独房の中に立っているだけなのに全てを掌握されているのではと錯覚させるようなあの佇まい、表情、目、言葉遣いといったところだったんじゃないのかなぁ。

それでもフィレンツェでのパッツィ刑事殺害方法のこだわり(ハラワタは出す?ユダのように)や、例の頭蓋骨ぱっかーん!のシーンなど、彼の残虐趣味が露わになる様は目を背けたくなるような気持ちの悪さと、目を奪われるような芸術性が同居していて、印象に残るような悪役であることには変わりない。

この作品でとにかくダメなのはジュリアン・ムーアの演じたクラリス。
前作でジョディ・フォスターが演じたクラリスの魅力がこの作品には一切ない。少女のようですらありながら、揺れ動く中にも芯があり、レクターとの出会いによりトラウマを乗り越えた強さが今作のクラリスには一切感じられない。
自分は正義であると凝り固まった思想を持ち、周りの男たちを見下す典型的な嫌な女でしかない。もっともそれが無意識のうちのレクターへの信望によるものだとすると納得はできちゃう。でも嫌い。
ジュリアン・ムーアには申し訳ないけど、あそこまで可愛かったクラリスが10年でこんなになるか???という感が否めな過ぎる。

ヴァージャーがゲイリー・オールドマンだったって他の方のレビューで知ったときはビビったけど、そのくらいだな…。

レクター博士の残忍さ以外はあまり特筆するところない映画という印象でした…。
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