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目次
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『やさしい女』に投稿された感想・評価
kuuの感想・評価
2021/12/31 18:00
3.8
『やさしい女』
原題Une femme douce.
製作年1969年。
日本初公開1986年3月29日。
上映時間89分。
ドストエフスキーの短編小説を翻案し、舞台をロシアから製作当時のパリに置き換えて映画化。
ロベール・ブレッソン監督にとって初のカラー作品となった。
自殺してしまった若い妻の死体を前に、夫は2年間の夫婦生活を振り返り、妻の不可解な自殺の原因を探ろうとする。
その物語を通し、夫婦てのは、人を愛するとは何かを問いかける。
15歳で年上の男性と結婚するも、数カ月で離婚したという経歴をもつ、当時17歳のドミニク・サンダが主演し、銀幕デビューを飾った。
ある若い女性(ドミニク・サンダ)は、パリで質屋を経営している年上の男性(ギイ・フライジャン)の妻として迎えられる。こうして彼らの、つつましい生活がスタート。
新婚生活はささやかな幸せに包まれていたものの、やがて二人の間にはすきま風が吹き始める。
ロベール・ブレッソン監督は、メロドラマの偉大な作家であるフョードル・ドストエフスキーの物語を映画化する最後の映画監督の一人かな。
メロドラマてのは、
例えば『罪と罰』の登場人物が、デカイ声で叫んだり、劇的に苦しんだりする、腹が痛くなるほど感情的なものであり、すべては大量の丹念な描写で描かれている。
(おそらく、ドストエフスキーが言葉によって銭を得るためやろうけど)
なぜなら、ロベール・ブレッソン監督は自分のビジョンが必要とするものに対して、全く妥協を許さない映画監督なんちゃうかなと思うからです。
ドストエフスキーの物語じゃ、作者が持っていた人間の心に対する厳しい見方を尊重しながら、自分だけの作品を作り上げている。
この物語は、女性の側に立ちたくなるような、あるいは、間違いなく最後には自分にとって正しいことをしたとさえ思えるような、(あるいは冒頭のような、逆に云えば冒頭のように)物語やけど、決してそう簡単にはいかへん。
今作品は、常識のないとこに、常識を探すことに重きを置いているんかな。
エルは、あまりいい扱いを受けていない家庭の地味な女子で(それを見ていないけど、間接的に見知るだけやけど)、質屋として働くリュックをなぜか惹きつける優しい性質をもってる。
リュックは、彼女があまり興味を示さないにもかかわらず、彼女を追いかける(『ついてくるなと云ったでしょ』と、彼の家までついてきた彼に、柔らかいが固い口調で云う)。
彼は彼女と結婚する。
二人は一瞬平穏に見えるが、すぐに破局を迎える。
リュックは、ある意味、自分自身に不安を抱き続けている。
独占的な関係の中でセックスにまつわる心理戦とは異なり、二人がベッドインすることに疑問の余地はない。
信頼、愛、贖罪、そして、何より二人のつながりという意味で、本当にそこにあるのは全要素。
無声映画(ブレッソンがどうしても試したかった形式)にありそうなシーンで、カップルが映画館で、映画を観ていて、彼女が向こうの男の隣に座っている。
リュックはそれに我慢できず、ほとんど本能的に二人が入れ替わるように立ち上がる。
一瞥、あるいは二瞥が、千のアイデアを語る。
実際、ブレッソンが他の映画と同じように、感情の下降線を知的化しようとする試みが興味を引く。
今作品は、登場人物が興奮したり怒ったり叫んだり、たくさんの誤解をしたりする、いつものメロドラマとは正反対やし、スタイルは削ぎ落とされ、彼らが置かれている、より苦しい関係というものにつながっていると云える。どちらも譲れないが、エルはどうしても彼と別れられないし、不倫もできない。
そしてリュックも同様に、DVに走ったり、逆に彼の元を去ったりすることができないよう。
そのため、リュックに過去の出来事(銀行の窓口の仕事をクビになったことなど)を聞こうとすると、リュックはためらっいまう。
謎めいているのか、そうでないのか、それは見る人次第かな。
演劇、テレビ、映画など、二人にとってちょっとした休息になるようなものを扱ったサブテキストも良かった(エルはハムレットに興味を持っているところを見ると、より一層そうなのやろう)。
因みに読んでいるんは、アンドレ・ジッドの翻訳した『ハムレット』(ガリマール社、1946年)。
前の場面で俳優たちが演じているのも、この翻訳版。
そして、もちろん、ドストエフスキーからブレッソンに受け継がれたカトリック的な感覚の次元は強く感じられる。
そのため、登場人物たちの最終的な悲劇的な運命は、時代遅れになる危険性はなきにしもあらず。
しかし、リュックだけでなく、後から振り返ったエルに対しても、道徳の最後通牒を突きつけている。
今作品は、冒頭とラストで明らかになる詩的な素晴らしさ(云うまでもなく、棺に釘を打つ最後のショットは素晴らしい)
に対して、自殺は容認しない。
実存主義的、
フェミニスト的、
さらにはマルクス主義的な解釈も多く取り入れられるんちゃうかな。
控えめな態度の下に興味深い層を提供してる今作品はホンマ興味深い作品でした。
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2
ワンコの感想・評価
2021/11/13 00:39
4.3
【まあ、ドストエフスキー】
21年11月のNHK・Eテレの100分de名著は、ドストエフスキーのカラマーゾフの兄弟を取り上げているのだけれど、このタイミングで、この作品の公開は何か理由があったりするのだろうか。
世界的に、夫婦の在り方も含めて家族というものに対する考え方は、ここ10年から20年で随分変化したと思う。
それでも、世界のあちこちにパターナリズム(父権主義)的な考え方は残り、そして、コロナ禍の下、DVが増加したという報道を目にするにつけ、暗い気持ちになる。
この作品はドストエフスキーの1876年作の「やさしい女」を1960年代のフランス、パリに置き換えたものだ。
1960年代は、アメリカで女性解放運動のムーブメントが起こり、それに呼応するかのように、こうした女性や妻の抑圧された状況の物語を映画として世界の人々に観せようとしたのだろうか。
この原作は、ドストエフスキーの作品の中でも、短いのはそうだが、読みやすいし、登場人物が少ないし、なんといっても、現代の僕たちの社会と比較して、登場人物を考察することも容易で、多角的な見方が出来そうにも思える。
映画は、更に、現代に置き換えられているので、今の価値観で、怒りが込み上げてくる人もいるだろうし、この2人の関係性や、妻の行動、そして、メイドの振る舞いについても疑問が出てきてもおかしくないように思う。
僕は、夫のパターナリズムはもとより、妻の行動の仕方や、気持ちの表現に、飛び降りる前にもっとチョイスがあるのではないかと考えたりもした。
よく、女性は男性に対して、単に話しを聞いてほしいだけで、助言など要らないという話しを耳にしたりするが、男女や夫婦の関係を変化させようとするのであれば、そんな主張で良いのだろうかと考えたりもする。
蛇足的な深読みだが、ちょっと怖いなと思ったのが、ベッドに横たえられた妻の脚が、両足首の所から足にかけて、ベッドのフット部分の縦のスチール・ポールの外に出されていて、死んでもなお、足の自由を奪っているように見えて、妻の抑圧された状況をこれでもかと見せつけているような気がしてちょっと怖くなった。
90分にも満たない作品だが、現代の僕たちの社会の抱える問題にも通じるようで興味深い作品だと思います。
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0
森のくまさんの感想・評価
2021/01/19 01:51
4.0
オープニングやば!
ベランダで倒れるテーブルに
宙を舞うショール→血を流す死体。
結婚なんて...と言ってた人を
縛りすぎるのもな〜🤦♂️嫉妬が...🤦♂️
銃突きつけるシーン怖かったな。
しかも突きつけられてるの分かってて
寝てるフリするっていう...
というか脚にキスしすぎやろ😂脚フェチ。
サンダ綺麗やった。終盤のお顔の
クローズアップとか印象的。
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