愛と殺意の作品情報・感想・評価

「愛と殺意」に投稿された感想・評価

reephan

reephanの感想・評価

3.5
男と女ってようわからんけど、そんなものだー!って思った映画。大富豪と結婚した女と過去と過去の男の話。

女を演じるのはルチア・ボゼーという人なんだけど、めちゃくちゃきれいでマネキンみたいで、つくりものの嘘で固められた女にぴったり。女は好きでもない大富豪とお金のために結婚した。だけど過去の男が現れて愛を手に入れようとして、2人の過去も少しずつ明らかになって、でもお金もほしいし…めっちゃわがまま!
男も男で好きだよーってしたり、やっぱりだめだこんな関係もだし、合わないしってなって素っ気なかったり、はっきりとしてくれって思う。
でもそういうもんだと思う。わかってても止められないのが男と女なんでしょ?よくわかんないけど。物質主義な女は結局、計算高くてあざとくていやなやつで、最後はちょっといい気味!って思った。
ずっとおもしろ帽子かぶってた!

映画終了後に大寺眞輔という方の講義があって、どんなんだろう、めっちゃダンディな紳士がひょいって登ってきたと思ったらすごくおもしろかった!東京はいろんなイベントがあっていいなぁと今さら思った。
点数は講義があったので、0.5くらい高くなった。
nagashing

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2.5
若い妻の不貞を恐れて依頼した素行調査が、彼女の昔の恋を再燃させてしまうきっかけに……というヤブヘビな状況がアイロニーとしてまったく作用せずモヤる。多視点ゆえの観客と各人物の情報量の格差もサスペンスに活かされない。企画の端緒にあったらしいジャンル映画のなごりがそこここにうかがえるのに、アントニオーニの演出はさしておもしろくもない不毛な恋愛ドラマに近視眼的に注力していく。マセラティの試乗と濡れた路面のイメージが結びついて予兆めいたスリルを生むクライマックスはよかった。逢引の最中、ふたりを呵責する過去そのものであるエレベーターが迫ってくるシーンは怖すぎ。
moku

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3.0
ルチア・ボゼーの美しさゴージャスさは一見の価値ありだったけど、面白かったのかはよく分からない。


<新文芸坐シネマテークVol. 22 知られざるアントニオーニ>
ミケランジェロ・アントニオーニの処女作を初めて見た。ジャンル映画(ノワール)の体裁をとっているが、倦怠的な男女、人がまばらな都市など、アントニオーニタッチは確認できたと思う。
まあでも大した映画ではない気がした。
シーケンスの前後の余韻と同調するように、蝕まれていく関係の意図が成就しない空虚さはまばゆい衣装で高級住宅の壁に張り付くしかないルチア・ボゼーのゴージャスな儚さと通じる。どこかのビルの螺旋階段をさまよいながらエレベーターに追われるしょぼくて確固とした背徳、ぽっかり浮かんで行きどころのない悪意、好きだ。
[邦題にご注意] 50点

この映画を上映するという告知を受けた瞬間から楽しみにしており、なんなら新文芸坐の職員の人に苦笑されながらも前売り券発売当日の朝っぱらから一人で1時間並んでた(から当然1番目だった)けど、いったい何を期待していたのか分からなくなるほど私には響かなかった。でも、この企画を走らせて下さった大寺さんには圧倒的感謝を捧げる。

正直なところ、本作品を絞ってアントニオーニのエキスを見つけるくらいなら、ブイブイいわせてた頃のアントニオーニ作品を見て”愛って不毛だなー”と思ったほうが100倍くらい有益だし、私はまだまだアマチュアだからそこまで高尚な遊びには参加できないよ。なんとなく、そういうところが映画ファンの閉鎖的な部分な気がした。
でも、アントニオーニって言われなかったら気が付かないんじゃないのとかイジワル言ってみたくなるのが天邪鬼。最低ですね、反省します。

内容は不倫して云々というよくある話だけど、邦題の「愛と殺意」は完全なミスリーディング。ただでさえ不安定なストーリーラインなのに邦題にまで裏切られていたたまれない気持ちになった。普通「愛と殺意」って聴くと”人間の内包する狂気を境に愛と殺意って接してるよね”という話に帰着すると思うけど、本作品は”私愛してるなら夫殺しちゃえ”になって、オイオイと。

上映後の大寺さんの講義は非常にためになった。講義であんな真剣にメモとったの大学1年以来で、その事実に悲しくなった。「イカリエXB-1」のときほど私に熱量がないから載せることはしないけど(他の方があげてくださってるので)、1時間休みなく話せる量があるほどアントニオーニってすごい人なんだなぁと感心。

結論、愛は不毛だよとかアントニオーニの片鱗が既に見えるとか言われても響かないものは響かないから許して。

追記
でも何よりも面白いのは、いつもレビューを読ませていただいておるレビュアーの方々がこぞってあの空間にいらっしゃったってことだね。
わざわざプラネタリウムで揉めてる時点でめんどくせえカップルだと思ったら、案の定。
こういう男女の話なら、講義でも引き合いに出されていたヴィスコンティの『郵便配達は二度ベルを鳴らす』の方がよっぽど面白いとぼかー思ったし、二人を何時までも苦しめている“エレベーター事件”に関しても、直接シーンを見せてくれちゃう監督の方が好みだなぁなんて思いながら観ていた。
けど、後半の、ホテルだか何だかに二人が入ってまた揉めてると、物言わぬエレベーターがゆっくり追いかけて来るのはすごい不気味で良かったし、ラスト、ちゃんと第二の事件起こったしで概ね満足。
金持ちになったところで人生に格好悪い瞬間は付き物なんだから、あそこまでの高級服は買うもんじゃねえと思いました(浮いてて余計哀れに見えた)。
雨降りのぬかるみを傘差さずに歩く男女には最初から晴れの気配がなく、その後も水辺を歩き、橋の下から川を眺める。溝に転倒して動けなくなったマセラッティのように、過去から這い出せないという事実に絡め取られる。彼らの過去を暴かんとする探偵の時間が恋愛劇に絡まり、富豪やモデルからの視点も混じる錯綜した群像構成が今の感覚だと入り込みやすいのかも。移動カメラがやっぱり特徴的だったな。テニスボールの壁打ち、どんどん変に(=エレガントに)なっていく帽子、重たい扉をゆっくり閉めて行く老いた門番。足音のエコーと、窓から外を眺める時の一瞬の無音も印象深い。
菩薩

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3.4
男の理想は「殺ってくれたのね!素敵ダーリン!愛してるっちゃ!」なのに、女の涙が意味するものは「マジで殺りやがってこの野郎…金づるいなくなっちまったじゃねぇか責任取れんのかよ我…」に見えてしまったし、そもそも目の前にあんな綺麗なドレス姿のレディが現れたら、俺なら「住む世界が違っちまっただ…」と、すぐさま田舎に踵を返す。書きたい事のほとんど(ネオレアリズモがやら、ブレッソン以前のブレッソンやら、ほぼほぼヴィスコンティやら…)は全部大寺さんに言われてしまったので正直後書く事は何も無いが、マセラッティのロゴマークが三つ又の鉾ってのはそれなりに意味があるのでは…?篠崎誠の『おかえり』の車の前の横切る犬は偶然らしいけど、こっちの犬はマジ物っぽくて戦慄が走った、愛と殺意…太陽と戦慄…関係無い…。一度ならずとも二度とも駄目ならば、この愛もやっぱり不毛なのだ。
加賀田

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3.0
大寺眞輔の講義より→当時は素人だったマルコ・フェレーリがプロデューサーとして関わっている。フェレーリは批評家としてのアントニオーニに薫陶を受けており、それが彼が本作に携わるきっかけとなった。彼の父親の友人が資産家であり、当初本作の製作費用の8割がそこから充てられる予定であった。しかし、その人物の自殺により費用の話は雲散霧消しアントニオーニは激怒。このためフェレーリの名前はクレジットされていない。結局、もともと少額出資していたあるホテル経営者が仕方なく自身のホテルを売り払うことによって費用を捻出した。
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