ワルキューレ作戦を誰が行ったか。

第二次大戦末期。
ドイツ国防軍の将校達が企てた「ヒトラー暗殺」の全容。
貴族大佐の決行までの足取り。

淡々と事件を追う感じで、よくも悪くも記録映画的な作品です。
でもきちんとドイツ語ですし、白黒ながら細部は良くできていると思います。

トム・クルーズのワルキューレの後に見ると、全くの別物に見えてしまいます。

余程、興味のある方にしかお勧めしません。

• #ヒトラー暗殺
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暗殺未遂そのものよりもその後のガバガバガバナンスの方に主眼が置かれ、その日1日に何が起きどんな混乱が生じそうして鎮圧されたかがかなりタイトに淡々と描写されていく。暗殺成功に自信を持つクーデター派とそれらを抑えたい権力側との秒を争う主導権争い、その狭間で揺れ動く将校、軍服の鷲章を一度を削ぎ落としながらも改めて縫い付けるところなどかなり滑稽だが、一つの行動いかんで命を危険に晒される緊張感は常に漂っている。真夜中の処刑シーン、街灯も何もなく真っ暗闇な中での執行を照らすトラックのヘッドライト、まるで暗闇の中の最後の希望が潰えたのだとででも言いたげな説得力。ここが更なる悲劇への最終分岐点であったのか。

道を大きく迂回していく戦車の捉え方から反逆者たちの末期まで冷えた演出が徹底されていて見ごたえがある。
同朋たちに死刑執行を告げてナチス将校の一人になってからのたっぷりと時間を取った所作が素晴らしい。死体でなく弾痕の残る壁がラストショットなのも硬質。