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ミッドナイト・イン・パリ

ミッドナイト・イン・パリの作品紹介

ミッドナイト・イン・パリのあらすじ

アカデミー賞とゴールデングラブ賞で脚本賞をW受賞したウディ・アレン監督・脚本作品。売れっ子脚本家のギルが、1920年のパリにタイムスリップした先でヘミングウェイやピカソなどの偉人たちと出会うロマンティック・コメディ。

ミッドナイト・イン・パリの監督

ウディ・アレン

原題
Midnight in Paris
製作年
2011年
製作国
スペインアメリカ
上映時間
94分
ジャンル
ドラマ恋愛ファンタジー
配給会社
ロングライド

『ミッドナイト・イン・パリ』に投稿された感想・評価

【CGを使わないCG映画】
ラブロマンスをベースに、憧れの時代への時間交錯や、その偉人達と出会う夢見心地な感覚が一切CGを使わずに描かれる不思議な錯覚映画。観光協会製作並みのパリの魅力てんこ盛りで旅行欲もド刺激!
◆概要
監督・脚本は「アニー・ホール」のウッディ・アレン。出演は「アルマゲドン」のオーウェン・ウィルソン、「アバウトタイム~愛おしい時間について~」のレイチェル・マクアダムス、「マリアンヌ」のマリオン・コティヤール、仏大統領夫人で歌手のカーラ・ブルーニら。第84回アカデミー賞脚本賞受賞作品。
◆ストーリー
ハリウッドで売れっ子の脚本家ギルは、婚約者イネズとパリへ旅行に。パリの魔力に魅了され、パリへの引越しを決意するギルだったが、イネズは無関心。2人の心は離ればなれになり……。
◆感想
パリの魅力満載。行ったことがあってもなくても、行きたくなること間違いなし。街全体がすでにアートなその風景、雨のよく合うその情景、さらに過去の偉人達が時代を錯綜しながら登場する、もはやパリのPV映画だと言っても過言ではない。
なんだか自然と、アートの世界のような夢の中のような、不思議な世界に吸い込まれて行く映画だった。実写とCGで構成する現代の錯覚映画はいまやいくらでもあるけど、CGが現実と非現実の境を繋ぐものだとするならば、この映画はまるでCGを使わずに製作されたCG映画。映像と構成で見る側を心地よい錯覚に陥れる、これぞ映画の妙だと思う。アカデミー賞脚本賞を獲ったのもこの点が大きかったと推測する。
◆以下ネタバレ◆
夢の中に会いたかった人が出てきて、とても幸せな気分を夢が覚めてもなお味わう事って誰にでも経験があると思う。この映画はあの感覚を映像化して、終始夢見心地で幸せな空間に誘ってくれているような気がする。始めは酔いに乗じた記憶違いとも取れた感覚が、次第に現実化して、ギルがその世界にのめり込んでいく描写が至って自然。アドリアナの手記に自分の事が書かれているのを知ったギルのイカズチが落ちたような表情が印象的だった。ヘミングウェイに出会い、スタインを紹介され、自分の小説を読んでもらうなんて、凡人の自分でもワクワクする。ギルを追う探偵を最終的に失踪させる事で、全体のふわふわ感をを夢オチにさせない括り方もこだわりがあったと思う。
メッセージも明確。“ノスタルジーショップの男”を描く小説を書いていた“黄金時代思考”の、つまり過去に生きていたらもっと幸せだったと信じるギル。そしてその黄金時代に自分が迷い込んだ時、その時代に生きる他人もそれより過去の黄金時代に憧れている事に気づく。偉人達との出会いに歓喜するものの、その幻想の象徴であるアドリアナに別れを告げるギル。そして現代の女性と現代の雨降るパリへ消えていくギルは、真実にひとつ近づいたギルがたどり着く、この映画らしいラストだったと思う。
ひとつ残念なのは、自分が芸術や文学に疎く、この映画にバンバン登場してきた芸術家にさほど感動出来なかったこと。多分詳しい人だと自分より何十倍もこの映画の魅力が増すのでは。
いずれにしても、時代の交錯を実写のみで描く表現力の豊かさ、明確で揺るぎないメッセージ、そして何よりパリの魅力満載の、まさに夢見心地な映画でした。
4.2
 遠くに見えるエッフェル塔、シャンゼリゼ通りの賑やかな佇まい、ルーヴル美術館のナポレオン広場内にあるピラミッド。世界中の観光客に愛されるパリの美しい風景たちのモンタージュ。脚本家で、小説処女作に苦戦するギル・ペンダー (オーウェン・ウィルソン)は、フィアンセのイネス (レイチェル・マクアダムス) とその裕福な両親のおかげで、婚前旅行にパリへ訪れる。400ページを越えてもまだ未完の小説に、イネスの父親ジョン(カート・フラー)は不安そうな表情を浮かべる。フランスの会社との合併は上手く行ったものの、生粋のアメリカ人であるジョンはフランスの風土を毛嫌いしている。親子4人のレストランのテーブルの席、偶然現れたポール・ベイツ(マイケル・シーン)とその妻キャロル(ニーナ・アリアンダ)がイネスに話しかける。ソルボンヌ大学さえまともに発音出来ない「エセ教養人」の夫婦にギルは嫌悪感を示すも、イネスは翌日の再会を勝手に約束してしまう。心底面白くない偽インテリの知ったかトークに辟易とし、ギルはイネスたちと離れ、1人で歩きたいんだと言って、タクシーを拾わずにレストランからホテルへの道をとぼとぼと歩き出す。案の定、夜の石畳の上で迷子になった男は、石段の上に座りながら途方に暮れる。午前0時を過ぎる頃、静寂の中で鐘が鳴ると、黒のプジョー・クラシックが石畳の上をやって来る。到着早々、シャンパンを呑まされたギルはまるでシンデレラのガラスの靴のように1920年代のパリへタイム・スリップする。

 映画はウディ・アレンの1920年代のフランスへの憧憬に満ちている。時代錯誤な黄金時代に迷い込むのはウディ・アレンの分身となるオーウェン・ウィルソンである。『華麗なるギャツビー』で知られる失われた20年代の作家であるF・スコット・フィッツジェラルド(トム・ヒドルストン)を筆頭に、妻のゼルダ(アリソン・ピル)、ジョゼフィーヌ・バケル(ソニア・ロラン)、アーネスト・ヘミングウェイ(コリー・ストール)、ガートルード・スタイン(キャシー・ベイツ)、パブロ・ピカソ(マルシャル・ディ・フォンソ・ボー)、シュールレアリズムの作家マン・レイ(トム・コルディエ)や若き日の『アンダルシアの犬』前夜のルイス・ブニュエル(アドリアン・ドゥ・ヴァン)、アンリ・マティス(イヴ=アントワーヌ・スポト)、そしてオーウェン・ウィルソンにとって『ダージリン急行』以来の共演となるサルバドール・ダリ(エイドリアン・ブロディ)である。中盤、『皆殺しの天使』の着想をブニュエルに語るギルの描写が何とも痛快で笑える。ロバート・ゼメキスの『バック・トゥ・ザ・フーチャー』シリーズのように、確定した未来から黄金時代にやって来た主人公は、巨人たちの日常に触れることで、スランプに陥っていた処女長編を書き上げる。

 1935年生まれのウディ・アレンにとって1920年代とは全ての芸術家がリンクする様を羨望の眼差しで見つめた幻の時代であり、体感し得なかった時代の丁寧な再現が泣かせる。美術館の案内人を務めたカルラ・ブルーニ(サルコジ大統領夫人)の出演も笑えるが、デヴィッド・ドブキンの『ウエディング・クラッシャーズ 結婚式でハメハメ』(しかし酷い邦題だ 笑)以来のレイチェル・マクアダムスとオーウェン・ウィルソンの再共演が何とも微笑ましい。ギルは口達者で裕福な富豪の娘であるイネスと結婚前にも関わらず、尻に敷かれている。ロマンチックな恋愛期間はとうに消え去り、男にとっては残酷な結婚の儀式が待ち構えている。要は結婚という厳しい現実を前に、厨二病的なギルが自らの愚かさを克服出来るか否かに物語の肝はあるのだが、あろうことかギルは並行世界の住人であるアドリアナ(マリオン・コティヤール)に恋してしまうのである。今や世界のトップ女優へと登り詰めたマリオン・コティヤールとレア・セドゥを同時に起用した世界一の女優の目利きであるウディ・アレンの眼力には改めて驚嘆せざるを得ない。プジョーから貴族用の馬車に乗り換えた2人は、ベル・エポックの時代の登場に驚きを隠さない。「最近の若者は・・・」や「昔の映画は今の映画の何倍も素晴らしかった」という心底凡庸な言説のように、幻の時代に想いを馳せる20世紀人と21世紀人とでは決定的な差異がある。それを踏まえてのクライマックスの高揚感が何度観ても素晴らしい。イギリス、スペイン、イタリアというEU連合の重要都市を行き来しながら、遂にパリの街並みへ着手した物語は、老いてなお、リチャード・リンクレイターの『ビフォア』シリーズやヌーヴェルヴァーグの偉人たちに挑むような野心的で若さに満ちた力作に仕上がっている。
4.0
【タイム・パラドックス佳作選】

◆パラドックス発生の方法
〈タイム・トラベル〉
 →パリ市内に深夜12時に出没する、アンティークカーに搭乗する。

〈見処〉
①パリを舞台とした「偉人伝」
・『ミッドナイト・イン・パリ』は、2011年のパリで撮影した「アメリカ映画」。ウディ・アレンが脚本と監督を務め、第84回アカデミー賞では脚本賞を受賞。アレン作品で最も稼いだ映画となった。
・舞台は現代のフランスの花の都、パリ。ハリウッドで売れっ子の脚本家ギル(オーウェン・ウィルソン)は、婚約者イネズ(レイチェル・マクアダムス)と彼女の両親とともにパリに遊びに来ていた。
・パリの魔力に魅了され、小説を書くためにパリへの引越しを決意するギルだったが、イネズは無関心。
・ある夜の12時、ギルは酒に酔ったままパリの街をうろついていると、アンティークカーが止まり、クラシックな格好の男女女がギルを誘う。彼らに同行した先は、ジャン・コクトーのパーティ。そこはギルが黄金時代と評し、愛して止まない1920年代のパリに来ていたことに気づく…。
・本作はタイムトラベル作品にありながら、パラドックスにまつわるエピソードは発生しない。F・スコット・フィッツ・ジェラルド(小説家)、コール・ポーター(作曲家)、ジャン・コクトー(詩人)、アーネスト・ヘミングウェイ(小説家)、パブロ・ピカソ、サルバドール・ダリ(ともに画家)…非常に良く似た俳優陣が扮する「偉人たち」を垣間見ることが出来る作品である。
・なお、本作のポスターに採用された絵画『星月夜』の作者であるゴッホは、本作には登場しない。

②「ベル・エポック」
・ウッディ・アレンは「パリの真夜中」というタイトルを思いつき、脚本を執筆。
・アメリカ人にとって、歴史の薫りが強いヨーロッパ、特にパリへの憧れは強く、そのようなアメリカ人像をアレンは本作の主人公ギルに投影。
・また、本作で印象的なのは、現代に生きるギルは「1920年代」を好み、1920年代に生きるピカソの愛人、アドリアナにとっては「1890年代」こそが「ベル・エポック」(美しき時代)だと言う。
・数多の人々は「昔のほうが良かった」という考え方を批判的に描いた作品である。いつの時代も、民衆は現況に満足しないのだから、ベル・エポック自体が存在していないと訴えているようだ。

③結び…本作の見処は?
○: ともにパリを散策しているような旅情溢れる作品。特に冒頭2分間はNHKの旅ドキュメンタリーのようだ。作中に『ビフォア・サンセット』の古書籍店も登場。
○: タイムトラベル映画としての見処は、偉人達との交流くらい。どの時代を生きる人も、本質は変わらないことを示唆している。ウディ・アレンの温かみある演出を楽しむ作品。
▲: 本作のレイチェル・マクアダムスはイヤな奴。

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