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新しき土
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『新しき土』に投稿された感想・評価

3.0
日独合作映画。ドイツのアーノルト・ファンクと日本の伊丹万作の共同監督。原節子が初めて国際的な作品に出演した異色作品ということで鑑賞。また、山中貞雄監督が従軍記や知己に送った手紙の中で原節子への想いを仄めかすのに使ったタイトルがこの「新しき土」とのことで興味を持った。
ドイツ語の原題は「Die Tochter des Samurai (侍の娘)」。邦題「新しき土」(はじめは「東の風・西の風」)はドイツから見た同盟国・日本であり、日本にとっては侵出を果たし統治していく満州を指しているのだろう。ドイツが国民に同盟国である日本を紹介するために作らせた映画で、そのためか日本の自然や文化・風俗を紹介するPVのような映像場面が多々挿入。時代が窺われる描写が多く興味深く見ることができた。

ドイツで8年農業を学び帰国する農家出の青年・輝雄(小杉 勇)が、養子に入った先の娘・光子(原節子)との婚約を解消しようとする物語。ヨーロッパで学んだ“個人の自由”を振りかざそうとする輝雄を、ドイツ人ガールフレンドのゲルダが「婚約の破棄は人としての道理に反する」と逆に思い止まらそうと説得する。日本の女性の内面の激しさを火山に例えるなども面白い。
日本が舞台であるが映像は定まらず日本各地が混在していた。光子の家がドイツ人と交流を持っていてドイツ語教師もいる設定で、光子や光子の父親・巌(早川雪洲)はドイツ語でドイツ人女性の登場人物ゲルダと会話する。
まだ駆け出しだった原節子(当時16歳)がとても初々しい。まぁ婚約者の帰国の知らせを聞いて庭ではしゃぎまくる姿などオーバー・アクトな演技もあったがそれさえも魅力に感じられる。彼女にもドイツ語の台詞は少なくなく相当苦労したのではないだろうか(ドイツ公開の舞台挨拶でベルリンへ赴いたときには1ヶ月間ドイツ語を学んだとのこと)。
焼岳で撮影されたと思しき山場の場面は見るからに危険で小杉勇と原節子の身が案じられるほど。今では考えられない。 2人の熱演には拍手を送りたい。

撮影監督の助手に円谷英二。音楽は山田耕筰。
日本と外国との初の合作映画だよ。原節子の初主演映画。
1933年春に颯爽と国際連盟を脱退した大日本帝国(当時世界第11位ぐらいにいた映画先進国 ☜おりこん調べ ☜適当に書いてます)が、同年秋に従弟みたく脱退したナチスドイツ(当時世界第2位ぐらいの映画先進国 ☜おりこん調べ ☜一応考え抜いて適当に書いてます)に警戒心を抱きながらも、キナ臭い計算もあって、山岳映画の名手のアーノルド・ファンクに「撮りたいの? 撮りたいんだね? あんまり日本を古臭い恥ずかしい国としては描かないでほしいけど、とり精協!(とりあえず精一杯協力するぞ!) え、富士山いっぱい撮りたい? ワカルワカル」と約束して37年に咲かせちゃった不思議作だ。
共同脚本とは名ばかりで、気乗りしない不思議仕事を会社からパシリみたく押しつけられて伊丹万作が途中で反旗を翻し、伊丹監督版とアーノルド監督版がほぼ根本的に別内容作品として撮られ仕上げられ、(伊丹版はコケたが) アーノルド版のほうはヨーゼフ・ゲッベルス宣伝相に「クソ長ぇ」と文句つけられながらも “最高映画賞” を頂戴してドイツでスマッシュ大ヒット。検閲時にゲッベの横にはアドルフ・ヒットラーがいて原節子へのキュンキュン開始、総統のあの狂犬っぽい怖い顔がほんのりポーッとなってたそうな。(☜イメージです。)
ニュルンベルク史観と東京裁判史観をどこまで受忍してるかによるけど、令和の一般的日本人は、本作を “敗戦国たちの日陰の映画。見どころはうら若き原節子の華やかさと終盤の山岳シークエンスのただならなさぐらい。とにかく、一義的に珍品” 扱い以外する気ないだろう。しかしワタシは、WWⅡにかかわった地球上のすべての国家国民が「喧嘩両成敗」の鉄則に従って1945年の時点で全員死刑、っていう世界線もアリなんじゃない?って、動植物の立場からたまに想ったりするアナーキーガールなので、日独防共協定締結のための人の行き来のカムフラージュとしてこれ創られたとか、原節子が陰謀史観を信頼してて反ユダヤ思想をけっこう真剣に抱いてたとか、そのへんについて感慨も意見も特にない。ヒットラーは好きでも嫌いでもなくあえてどっちかっていうと好きなほうで顔だけ大っ嫌い。ウィンストン・チャーチルはヒットラーに負けず劣らずの人種差別主義者で広島長崎の首謀者だったから、チャーチルだけは絶対に赦さない。(演説終了。)

えっと、、
今回、国立アーカイブで観たものはナチスドイツ国内124カ所(☜イメージです)で封切られたのと同じアーノルド版で、ドイツ語からの和訳字幕なし。とりあえずワタシ向きかな。なぜって、この理屈っぽいマリは大学でドイツ語をクラスで一番頑張り、しかも登山サークルに在籍してたからね(☜高所恐怖症により三カ月で脱退)。
ところが。甘かった。ドイツ語の聞き取りサッパリだ! 前置詞と接続詞と代名詞と「Ya(はい)」と「Vater(父)」しかワカラナカッタ。。。(なのに、原節子がしょっちゅうドイツ語セリフを言いこなしてる! 父役の早川雪洲や婚約者役の小杉勇に至っては完全にペラペラだった! あんたら何者!?)
本編全体の三割ぐらいはドイツ語で、困っちゃいかけた。でも、至ってシンプルなストーリーはほぼ完全理解。字幕なんて要らないな。
▼ネタバレ注意▼
「小杉勇が洋行して金髪碧眼のドイツ美人ルート・エヴェラーと恋に落ち、彼女とともに帰国し、許嫁の原節子を邪魔に思って三角関係。節子は大和撫子として心こめて上品にルートさんをもてなす。でも、つらいから自殺を決意。ドイツに戻ったルートからは勇に『身を引きます。サヨナラ』の手紙。しかし既に節子は火山山頂へ。勇は必死に節子を追って山へ! 山へ! 山へ!」
クライマックスの山シーンが異様にたっぷり! それまでルックス的にあまりにも冴えなくて、ルトガーハウアータイプの長身ドイツ美人と全然つりあいとれてなかったずんぐりむっくりな小杉勇が、大河をクロールで渡って対岸の岩山をするりするする駆け上がる。そうか、このための彼か。元登山部(四カ月以上いた)に違いない。それまで一時間ぐらい「節子がルートにお箸の使い方教えたりする “YOUは何しにニッポンへ” な楽しさ以外を受け取れずずっと戸惑ってきた全観客は、このたっぷりたっぷりたぷたぷ長時間な活火山クライミングクライマックスを満喫してアガっていったに違いない。
そしてラストは、「異国人との恋は終わった。日独は所詮一つになれなかったのだ。日本人は日本人と結ばれて、幸」という何の変哲もないオトナげには落ち着かない。なぜって、アウフヘーベンを生み出したドイツ人の映画だから!
何と、結末に(日本軍部大喜びの)アウフヘーベンが来るんだ!
▼▼ネタバレまた注意▼▼
「ドイツ美人との恋を経由したことで日本男児は狭苦しい日本を離れてユーラシアな夢を持って許嫁とともに広い満州へ! 開拓だ! この広い世界は最高だ! 日本人は日本人と幸せになる。それでいいのだけども、ドイツが日本人の視野を広げてあげたのだ! ゲルマン人はかくも偉大である! 一方、日本は美しいステキな国! 日独防共協定バンザイ!!」
だとさ。カントを生んだ国だからこそ、ヘリクツが何だかヘリクツじゃない妙な爽快感のある結末だね。

あ、原節子はこの時点ではまだダイコンだし(☜39年の『東京の女性』からが彼女の最高女優歴の始まりです)、水着姿や剣術を披露したりしてドイツ観客向けのアイドル色を存分に印象づけられてて気恥ずかしくさせる。
むしろ、勇の妹役の市川春代が小鳥のように可愛い。「お兄様が帰ってくるわ」「お兄様が帰ってくるわ」「お兄様が帰ってくるわ」と囀(さえず)りながら工場内を飛び回る春代がこの映画の中で一番可愛かった。
いっぺん書いたが、主演の小杉勇のイケメンじゃなさが中盤までずっと残念だった。登山からOKになる。

富士山いっぱい出てきたせいもあって、シュトーレンを今日も昨日も一昨日も食べた日独なワタシだな、と白つながりで楽しくなった。
じつは数年にわたってシュトーレン研究家をやってる。日本のパティスリーやベーカリーの作るシュトーレンは高くてまずく、輸入品を成城石井の(甘すぎず開封後もボソボソしにくく本格的ってワカル)や KALDI の (とっても甘くて開封直後のシットリと粉糖のパンパカパーンなバクハツが最っ高)ばかり買ってるんだけど、、、、じつは最近、お隣り県の小田原の某ベーカリーのシュトーレンが地球最高かも、って思った。あまりにも美味しいから「ドイツの正統本格レシピ通りなのか、オリジナルなのか」質問したら、「当店オリジナルです」って。猿マネ日本製造シュトーレンのあまりのレベルの低さにずっと絶望しつづけて生きてきたワタシだったから、「ついに、ついに日独のアウフヘーベンシュトーレンに出会えた!」って涙が出そうになった。

テーゼ対アンチテーゼ、で終わらないことの、美しさだ! 小田原の歴史的なシュトーレンは雪富士が近くにあるせいかな。

二元論に支配された世界をワタシは普段から嫌う。アウフヘーベン警察を今後も頑張ろう。
映画として本作は大した輝きを持たないけれど、早川雪洲のいかめしい Vater 顔が妙に忘れられない。Vater だけ聞き取れた自分に乾杯したい。メリクリは Frohliche Weinahaten! だったっけ。(oの上にチョンチョン)

[国立アーカイブ  YouTubeで無料視聴もできます。字幕なし]
1.0
最低最悪の国辱映画。
3度目にしてようやく画面を切らずに最後まで通して見ることができた。
初めて見たのは、大学1年生の時だった。母が借りてきたDVDのひとつにこの作品があったのだ。見始めてすぐに嫌悪感を抱き、10分も見ずに私は席を立った。

鑑賞後に読んだ【1937年3月1日『新しき土』キネマ旬報批評】の抜粋。
やはり当時の批評でも、ドイツ人の“日本“に対する一方的な固定観念と古臭さ(時代遅れ)が指摘されており、ボロクソに書かれていた!笑
ーーーーー
(前略)
ファンクの日本觀であるが、これはあまり感心の出来るものではなかった。現代の日本に存在する事物を材料として組立てたストオリーとしては、日本を知ること、あまりに淺すぎ、表面的の素通りにすぎないものと言はねばならない。作品の内容として盛られたものを大別すると試寫界に云はれたごとく、日本精神といふものゝ解明、東西兩文化の比較、對立、交流、個人主義と家族制度の問題などである。しかし、これらの問題は、作者のふかい理解のうへにたって論じられてゐるのでなく、きわめて皮相な見方から出發してゐるのである。
極端な言ひ方をすれば、これは、そのむかしピエル・ロティによって描かれた「お菊さん」當時の日本觀と大差ないもので、従來のカブキ、フジヤマ流の外人旅行者の日本觀から數歩を出ないものである。しかも、それに加へて困ったことには、その見方がナチス流の粉色をほどこされて解しゃくされ、解決があたへられてゐるのである、(中略)それから防共思想の宣傳、など、その典型的なものだが、ことに家族制度に對する考へ方の狭古さにいたっては、まさに數十年の昔に逆行する思ひがする。
元來、アーノルド・ファンクといふ人は、藝術家として幼く稚い内容しかもってゐない人らしく、主觀だけが强く、客觀性や批判󠄁性に乏しいといった缺點が見うけられる。その結果として、彼の作品中では、いつも山岳を熱愛したものだけが傑作として残されてゐるのであるが、御多分に洩れず、こゝでも、そのファンクの缺點が、そのまゝ見方の淺い、赤毛布式日本觀となって作中に露出されてしまったわけである。言ふならば「山男の詩情」ゆえに値打のあった山岳映畫の製作者アーノルド・ファンクは、下界に降りてナチス御用作家となり、そのまゝ日本に招かれて、輸出向きの觀光宣傳映畫をつくったやうな恰好になってゐる。
(中略)
出演者の演技についても書くべきところだが、どうもこの映畫に於ては、感心した演技といふものは一つも見あたらなかった。(以下略)
ーーーーー
ナチス批判をしているのも興味深い。
つまり、1940年の日独伊三国同盟を結ぶまで、日本人は全体主義のナチスに懐疑的であり、自由主義と民主主義を謳歌していたことがわかる。


日本の娘はあんな喜び方はしない!皆に「お兄さんが帰ってくる」など喜びを誇張し過ぎて不自然極まりない。苦笑いであった。そして、どうしても我慢ならず席を立つ結果になったのは、青年主人公役の日本人俳優が実に不細工で…、短足、小太りで見ていられなかった。ドイツ人女性のあの安定の美しさ、そして背の高さに、何故…、何故、日本男児の代表としてこの俳優を選んだのか!!後に、小杉勇という俳優さんがいかに演技力のある名優かということを知ったが、19歳の私には、この配役が日本人に対する侮辱としか思えなかった。
よくもまぁ日本側もこの俳優で、しかもこのバカバカしくてくだらない退屈なストーリーの映画製作に協力したものだと悔しくてたまらなかった。これが1930年代に世界中に輸出されたかと思うと10分も見ていないにも関わらず赤面するしかなかった。そして今日に至る…。
もう我慢して見た。
原節子の登場。だから日本人女性はこんな派手なバカみたいな喜び方はしない!!とまた同じところでツッコミを入れた。
そして…君は一体全体どこに住んでいるの?!大阪の夜景、ネオン街のバックに何故「東京音頭」!?家の裏に厳島神社?!バカヤローと叫びたくなるが、もうアホらしくて…。伊丹監督が可哀想だ。彼の名前をクレジットすべきではない。こんな国辱映画に。

ストーリーはバカげており演出も最低だが、画は美しい!画面の構図は実に良い。日本はやはり美しい。涙が出るほど絵になる風光明媚な国だ。

だがしかし、ああ…火山シーン…。酷すぎる…。家崩壊シーンなどお粗末過ぎる。ミニチュア模型なのがよくわかる…。
お話にならない迷作だ。

当時、日本人は日独合作映画ということでかなり期待してこの作品を見に行ったはずだ。それがこんな駄作でどんなに哀しかっただろう…。

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製作国:

上映時間:

89分

ジャンル:

配給:

  • 松竹
3.2

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