鏡の中の女の作品情報・感想・評価・動画配信

「鏡の中の女」に投稿された感想・評価

umihayato

umihayatoの感想・評価

5.0
老いへの恐怖
孤独への恐怖
喪失への恐怖
別離への恐怖
死への恐怖
過去への恐怖

生きることとは常に恐怖との戦いであり
人々は皆その中で、恐怖から逃れる道、恐怖に打ち勝つ道を探している
極力その恐怖を味合わないように他者との深い関わりを拒んでいる
しかし、恐怖の拠り所が生である以上、それを無くすことはできないのだ

それでも主人公の祖母と祖父の様に
「まあそういうものなのね」と
恐怖を認め、共存することは可能であり
そのことが唯一、人間に与えられた恐怖への対処法なのかも知れない
その為に必要なものが、愛なのだ
zokoma

zokomaの感想・評価

-
公開からほどなくして観たが、この時期のベルイマンの映画としては正直印象が薄い。オリジナルは3時間くらいあるらしいので、機会があれば観てみたい一本。
Aix

Aixの感想・評価

3.6
ゴールデングローブ賞外国映画賞を受賞したイングマールベルイマンの作品。精神科医が生と死の狭間を彷徨う話。

日本ではほとんど見られていない幻のベルイマン映画です。ベルイマンの作品を鑑賞するのはこれで11本目になりますが、正直今作が一番微妙でした。何でも今作は元々三時間のテレビドラマだったらしく、それをわざわざ短縮させて映画版にしたそうです。おそらくそのせいで編集がおかしくなっていたし、ベルイマンにしては物語の緩急が上手く表現出来ていません。いずれにしてもクレイジーな作品であることに変わりはなく、ヘレディタリー的なホラー要素も強くあります。やっぱベルイマンのホラー演出は、今見てもめちゃくちゃ怖いです。

今作と同じくらい知名度の低いベルイマン作品だと、個人的にはカンヌで主演女優賞を獲得した「女はそれを待っている」がオススメです。
R

Rの感想・評価

3.8
イングマール・ベルイマン監督の死生観が描かれた…と思われる映画。

パラマウント映画であり、セリフも英語・舞台もアメリカのカラー作品。

精神科医エニー(リヴ・ウルマン)は危ない予感を漂わせた医師である。

時折、エニーを闇から見つめる不気味な老女、赤い服を着ているエニーは「死の世界」または「夢の世界」の象徴、エニーの自殺未遂を壁に這わせた指、文字の書かれた長い紙を口から引き出される女、自分の棺桶を燃やすエニーなど、イメージ映像が素晴らしい。

この映画、エニーが自分で語る「感情的に不具」なる聞き慣れない言葉がピッタリとくる物語であった。
幼少期の祖母との思い出が、フラッシュバックや現在の祖母の口から語られるのではなく、ひたすらイエニーの狂気の憑依によって再現される。それはきっと、不明瞭で歪められた鏡の中に真の自分を探すように、人間は自身の偏見や観念というフィルターをかけずに他者を見つめることは不可能に近いということだ。この困難を克服するための愛。彼女が職場へ戻るとき、あの患者と顔を向き合わせることができるだろう。
退屈!!
今まで見たベルイマンでは一番ダメ……。でもベルイマンって基本こんなんやった気がする。あまりに心理的すぎて全然興味がもてない。俺がベルイマンだめになったのか。『恥』は今でもめちゃくちゃ好きな自信あるけど。

でもところどころ面白いとこあったりするから評価に困る。口の聞けない女の口元から何かちょろっと出てるから引っ張ってみたら長細い紙に印刷されたメッセージが延々出てくるのはかなり面白かった。
parkoldies

parkoldiesの感想・評価

3.6
これはホラーってことでいいのでしょうか笑。
いつも家で映画を観るときはスマホの電源をoffにして部屋の電気を全て消し、真っ暗にしてシアター気分を味わいながら観るのですが、この映画は開始15分で断念。不意に現れる黒目しかない老婆が怖すぎる。
2時間ほぼリヴ・ウルマンの一人芝居を観るような映画でした。
BON

BONの感想・評価

3.8
ベルイマン作品鑑賞31作目。

同年のカンヌ国際映画祭非コンペティション上映作品。数々の賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞外国語映画賞、ニューヨーク映画批評家協会賞主演女優賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞主演女優賞、外国語映画賞など、多くの賞を受賞した心理ドラマ映画。

幼い頃に事故で両親を失った精神科医の女。快調する見込みのない患者への無力感が過去のトラウマを引き起こし、徐々に精神が崩壊していく。彼女は遂に自殺を図るが…というベルイマンが長年探求してきた生や死、愛をテーマとした物語。

睡眠薬で自殺を図り、女はベルイマン特有の不気味な夢の中で両親や自分を育てた祖父母と対峙する。精神科医の主人公役は当時ベルイマンの妻であり、彼の映画ではおなじみのリヴ・ウルマンが『秋のソナタ』(1978)と同じく圧倒的な感情の爆発を見せる。

人間の心理を観察し、感情の揺れ方をベルイマンは精神科医並みの洞察力でヴェン・ニクヴィストの舐めるようなカメラで彼女をひたすらに追いかける。落ち着いた色彩と、『叫びとささやき』(1972)と同じく、印象的に使われる赤色が美しい。

原題の直訳『FACE TO FACE』の通り、人と人が面を向かい合わせる家族と自分自身との対面。イタコのように役に乗り移ってしまうウルマンの神業を見せつけられた。
cyph

cyphの感想・評価

3.8
ベルイマン、カラーの方が断然いいな こんなに薄緑やくすんだ赤がきれいな世界にいたんだ、てなる あとやっぱり白夜で最高 「明るいわ」「もうすぐ2時だ」ほんとうに空が白く明るいだけで昼の光とはぜんぜん違ってきれい 穏やかな狂気

相変わらず幼少期の家族関係のトラウマや性暴行の記憶が悪夢や発狂時の叫びとしてそのまま出てきてじゃじゃーんてなるやつ、あまりにまんますぎてうんざりするけどつまりはエヴァとか園子温とか観てるときのテンションで観てあげればいいんだってそろそろやっとわかった 絵がきれいで演技が迫真だから物々しいだけで別に内容が知的で大人びてるわけではない

冒頭のへんなパーティーや、夢の中の明るい部屋に動かない患者たちがすし詰めになってるシーンよかった「春はみんな狂うから忙しいの」 あと薬たくさん飲んだ後に低い鼻歌とともにじっくり壁紙やレースカーテンを映していくカットも素敵だった そう、そんなんでええんですわ それが映画にしかできない魔法だよ

あと原題はFace to Face 顔と顔を合わせてのもの そっちの方がラストにあってた 主人公と友人、主人公と娘、そして祖母と祖父 あんなに近く顔を合わせていながらも「鏡にうつってのもの」のよそよそしさを拭いきれない前者の関係と、愛という唯一の方法に行きついて見える後者のゆっくりとした動作
長いし面白いかはまた別として、やっぱりイメージの鮮烈さやリヴ・ウルマンを画面に閉じ込めておく閉塞感は凄い巧い。そしていつの間にか見つめ返されている。
クローゼット(押入れと訳されていたが…)のトラウマ、死、老いの匂い。ちゃんと用意されている希望。
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