口笛

旧ソ連映画を代表する名匠ニキータ・ミハルコフが30年代のスターリンの大粛清をテーマに、激動の時代に引き裂かれた男女の悲劇を描いた人間ドラマ

みんなでワイワイ楽しい感じ
そして重たい話

その両方が見れる

終盤は恐ろしすぎの一言
名作でした

雰囲気がキレイ

ナージャが可愛いすぎ
ただ、その可愛さが逆に悲しさを増す
あと歌が良かったです

スターリンの顔も印象的でした

今はロシアの作品を観るのもなんとなく憚られそうだけど、これは1936年のソ連が舞台。歴史を紐解くのは好きなので...

先ず監督のことを...
《ソ連を憎み娘を愛した男》と言えるニキータ・ミハルコフ。
この度お初でしたが、ジャケ写がご本人と実の愛娘ナージャ（作品でも娘役）
監督、脚本、そして出演をこなされてます。
存在感たっぷりで演技に圧倒されました👏

長閑な避暑地でハイソな家族がのんびり過ごす雰囲気をたっぷり味わえると共に、スターリン大粛清真っ只中が舞台のため、時代に引き裂かれた悲劇を描いているヒューマンドラマでした💫


1936年、モスクワではスターリンの大粛清の嵐が吹き荒れていた。ロシア革命の英雄コトフ大佐は、愛する妻マルーシャと娘のナージャと共に、休日を田園風景が広がる避暑地で過ごしていた。

ある日10年間も消息を絶っていたドミトリが突然彼らの屋敷に訪れる。ドミトリはかつてマルーシャと幼馴染であり恋人関係だった。
実はコトフ大佐により戦場に追いやられてしまったドミトリ。
時が経ち、最愛の人はコトフ大佐夫人となり娘がいたのだ。

なんとドミトリは秘密警察だった。コトフ大佐をスパイ容疑ででっちあげて復讐する計画だった。
一方、大佐は名士として地元の人々から敬愛を集め、愛する家族と幸せに暮らしていたのだが、突然のドミトリの訪問で崩壊する。
何もわからない無邪気な娘ナージャの笑顔と悲劇のアンバランスが田舎の景色に美しく映える。


コトフ大佐が娘ナージャを連れボートに乗せて戯れたひととき（ジャケ写）
キラキラの陽差しの中、2人は裸足。その小さな可愛い足を撫でながら愛娘に言う。
「将来は良い世の中にしたい、お父さんはそのために努力しているんだよ、だから娘よ、よく勉強して両親を尊敬してこの国を愛するように...」
ナージャは歳を重ねても忘れないだろう、大好きな父親のこと💞


※可愛くて上手い子役は大勢いるが、ナージャのしぐさは本当に自然で堪らない😍
ナージャ・ミハルコワ（現在36歳）女優を続けているが、今は無理でしょうね...

この作品はある程度時代公証が必要だ。
ロシアが舞台でスターリンの独裁時代。ここからさらに力を強めるために、いわゆる裏切り者たちの炙り出しが始まろうとしている。

マルーシャとコトフ。娘もおり幸せな生活だったが、そこにかつてマルーシャの恋人だったドミトリが現れる。

当初は元恋人ということもあり、やきもきさせるが真の目的はコトフのほう。
彼は元大佐でロシア革命の英雄。

終盤辺りまでは生活ぶりが延々と映し出される。
その穏やかな空気と相まって、ナージャとの触れ合いが丁寧に描かれているのでよりラストが際立つ。

因みにこれは実話らしく、余計に悲運を高める。