パパは、出張中!の作品情報・感想・評価

パパは、出張中!1985年製作の映画)

OTAC NA SLUZBENOM PUTU

製作国:

上映時間:136分

ジャンル:

3.7

「パパは、出張中!」に投稿された感想・評価

許そう、だが忘れないぞ精神は最初から。ただクストリッツァ作品の中では唯一のしっとりした音楽のファンタジー。
Muda

Mudaの感想・評価

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2020年4月22日放送 TBSラジオ『アフター6ジャンクション』ミニシアター特集より
ソ連の共産圏の中でも独自の社会主義路線を敷いていたチトー政権下の'50年代初頭の旧ユーゴスラビアのサラエボが舞台。スターリンの共産思想主義の中で国政批判を愛人に何気なく漏らした父親が密告により強制収容所に送られ、母親は少年マリックに「パパは出張中」と偽って苦しい生活を凌ぐ。

しかし、チトー体制が確立してからはユーゴスラビアはソ連と距離を置いた独自の路線を進めるようになり、政情の変化により流刑同然だった父親は解放され、再び舞い戻って来るのだが…。子供の視線を通して政情により体制がコロコロ変わる国の動向をユーモアを交えながらも共産主義への皮肉を込めたカンヌ国際映画祭パルム・ドール🏆受賞作。密告とか人を監視する社会は怖い。
いい映画観たなあっていう余韻がえぐいです。

1950年代、ソビエトの社会主義が残るユーゴスラビアで、そこに暮らす少年を通して描かれる人間ドラマ。

この映画に起きるホンマの喜びや悲しみや切なさは、現代を生きる日本人のおれにはすべては分からんのかもしれんけど、おんなじ人間として、たしかに不変の感動を感じた。

シネスコの横を縮小したような、あるいはスタンダードの横を伸ばしたような画角やったけどビスタサイズ?それにしては違和感感じたけど、知ってる人いたら教えてください
ねぎお

ねぎおの感想・評価

3.9
カンヌパルムドール受賞作‼️

ユーゴ紛争でマスターが消失したそうです。観たものは現存するコピーフィルムをマスターにした映像。

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ユーゴスラビア。

もうないんですよね、この国。
《世界の火薬庫》と形容されてきたバルカン半島に位置するユーゴ。

ユーゴ紛争とは民族独立の内乱による混乱のことで、1991年から2000年代初頭までのこと。これを舞台にした映画も数多くありますよね。

そもそも20世紀始めにスロベニア人、クロアチア人、セルビア人らが混在して、1929年にユーゴスラビアという国名が誕生。

第二次世界大戦後がまた問題で、社会主義体制をとってしまったから今作のようなね・・そして映画のラストでは民主主義への移行。厳密に言うと完全な民主主義ではないんですけどソ連とは距離を置いたんですね。

サッカー好きな人ならこのあたりのことリアリティあると思うんですけどね、オシムさん、ストイコビッチらがこの混乱のさなかに生きた人々。

ユーゴスラビアから独立したのは、スロベニア、クロアチア、マケドニア、セルビア、そこからコソボ。残すはこの映画の場所、サラエボを首都とするボスニアヘルツェゴビナ。

とにかく各地で紛争が絶えなかったところ。

・・そんな場所で不意に国家警察に拘束されるパパ。奥さんは子供に「出張中」と言うしかなかったわけです。
まあ理由がね・・。笑

政治的背景は少しでいいと思います。その中で普遍的な話が展開します。
sugi

sugiの感想・評価

3.4
「忘れよう。だが許すのは神だ」

ハッとした、まだクストリッツァ感薄め超地味だけど確かにクストリッツァ
お兄ちゃんは「ジプシーのとき」の主役ですね?
ガチョウも出てこないしクストリッツァとしてはだいぶ落ち着いてる。
夢遊病のシーンとか、女の子に想いを告げるとことか、お父さんとの再会のとかとかはすごくいい。
ダイナミックなファンタジーのクストリッツァ作品が生まれる前、作風は実に質素。少年の目線を通したルポ、散文的に、ほのぼのとちらかって進行する史劇。何度も出てくる少年の夜間徘徊の描写がとにかく感動的なのは、それが理由のない行為だからだろう
エミール・クストリッツァ監督作品。
カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作品。
第二次世界大戦後のサラエヴォ。6歳のマリクは家族と仲良く暮らしていたが、ある日父が国家警察に捕まる。母はマリクに父親は仕事で出張に行っていると伝えるが・・・という話。

政治情勢に翻弄される一般市民物。小さい子どもの主人公マリクの視点を中心に描かれる。夢遊病で夜にいろんなところへ大冒険してしまうのが可愛くて可笑しい。

父との再会シーンは、蒸気が舞う中での再会で涙を誘う。ただし親父は女ぐせが悪い。マリクが女性のスカートを燃やして子どものイタズラとして許してもらえるのはすごいって思った。

児童ポルノに抵触しそうなシーンがあってびっくりした。
アンダーグラウンドの主人公がパパという以外は、クストリッツァ色があまりなく、そんなに踊らないし、照明が異様に暗い。
ユーゴスラビアのその時代の状況とチトー主義を知っておかないと話が置いてけぼりをくらうが知識が分かったところで、、、という考えにも至る。
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