太陽に灼かれての作品情報・感想・評価

「太陽に灼かれて」に投稿された感想・評価

途中までかなり退屈だったがラストはマフィア映画のようで面白かった

エモーショナルなものを期待していたので少し残念
おりこ

おりこの感想・評価

3.8
「太陽に灼かれて」「戦火のナージャ」「遙かなる勝利へ」三部作の1つ目。
ナージャ可愛い。あの気球の異様さ。スターリン大粛清の嫌な時代。
しかし最終的にはかつて愛した女性も巻き込んでるし短絡的だなと思う。最後のテロップがきついー。
今年こんな記事を見つけた。
https://jp.rbth.com/arts/81412-roshia-to-soren-no-eiga-besuto-100
ロシア映画大好き人間なので、早速確認。
映画通であろうがなかろうが、どうでもよいのだが、
完全に鑑賞した記憶があるものでたったの38本…
半分になど遠く及ばず愕然。
改めて、ロシア映画の奥深さを思い知らされました(笑)

本作は、そのトップ100の中の一品。
レビューをしていない作品の中で、どこのレンタルショップでも置いてありそうなのでupしてみました。
ロシア革命で英雄となった架空の大佐一家に焦点を当て、
1936年当時のスターリン独裁政治下における国内情勢が切り取られています。
内容は史実に基づいているので説明することもないでしょう。
単なる戦争ヒューマンドラマで終わっていない。
前半は一家の会話の雰囲気とリズムに少々違和感を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
それでも話が進むにつれて、だんだんと慣れていくはずです。
劇場公開以来未見なのですが、娘が車から降りて大佐が連行されるシーンのロングショットで終わりかと思いきや、
そこから、まだまだ続くのです。
監督は、きちんと私たち観客に当時の様子を伝えておきたいがために作った作品なのではないかと思います。
毎度のことながら、美しい映像も満載です。
ミハルコフとその実娘が、親子役で共演しています。
以前、印象に残る子役と題して何本かupしましたが、
この子を忘れていました。
ルックスから仕草まで、もうホントに驚愕の可愛らしさです!
幼女好きはという危ない意味ではなく、この子を見るだけでも価値があります(笑)
ご覧になられたら、合わせて続編である「戦火のナージャ」と「遥かなる勝利へ」も是非(大人になった娘がそのままキャスティングされています)♪
この三部作、娘さんをお持ちの父親は流涙必至です☆ミ
舞台は、革命から20年ほどのソビエト時代のロシアのある村。牧歌的生活に忍び寄る戦争と革命の影。「コトフ同志」と呼ばれ革命の英雄である夫と若い妻と幼い娘。そして、大家族のような人たちが住む家は官舎か。そこにある日青年が戻ってくる。その昔、夫の部下で、かつ若妻の恋人だったよう。そのあたりから、不思議な光の玉があたりに漂うようになった。何も知らぬ無邪気な娘ナージャが途轍もなくかわいく切ない。革命に付き物なのは、秘密警察、粛清…、そして遅ればせの名誉回復。
で、「サゴリアンカはどこだ?」

このレビューはネタバレを含みます

恋愛映画だと思って見てたら、急に史実ドラマになってめちゃくちゃ驚きました。
以下、世界史に疎すぎてストーリーが理解できなかったわたし(以下前)と、その後時代背景をある程度調べたわたし(以下後)の脳内対談でお送りします。

前「最後の字幕…どういうこと?これ実話ってこと?」
後「史実をもとにはしてるけど、コトフ大佐やミーチャは実在しないよ。スターリンによる大粛清時代の悲劇を描いたフィクションだね。ホロコーストを題材にした『縞模様のパジャマの少年』や『サラの鍵』みたいなもんだね。」
前「なるほど、『アンネの日記』とは違うわけね。しかし、革命の英雄があんなに簡単に逮捕されて驚いたよ。ミーチャが私怨で大佐のスパイ容疑をでっち上げたってことだよね?」
後「違うよ、コトフが逮捕されたのはミーチャのせいじゃないよ。ミーチャは秘密警察として、政治の手先としてあの街にやって来たに過ぎないよ。」
前「ええ?そもそも大粛清をよく知らないんだけど、要するにスターリンに刃向かう勢力を抹殺していったってことだよね?スターリン一派の革命の英雄で、小隊の名前になるくらい有名で、あんなに慕われていた大佐を粛清するなんておかしいじゃん。だからミーチャあたりの陰謀があったのかと思って…」
後「違うんだよ。あれはミーチャなんか入る隙もない、そういう時代の流れだったんだよ。スターリンは民衆の不満と自身の猜疑心を解消するために、かつての同士、赤軍ですら、スパイ容疑をでっち上げて粛清の対象にしたんだ。コトフ大佐もその例に漏れなかったというだけ。あれはミーチャの復讐物語じゃない。歴史に翻弄された人々の悲劇を描いてるんだよ。」
前「なんとなくわかってきた。ミーチャはマルーシャと別れたときも、今回この街に戻ってきたのだって、すべて彼が時代に逆らえなかった結果ってことね。愛した人と街、そして恋敵、全てをこの手で壊さなければならない。あんなに渇望した帰郷が、あんなに恨んだ相手との決着が、こんな形になるだなんて皮肉だね。それでミーチャは手首を切ったのね。」
後「あのコトフの力強い眼差しがミーチャを追い詰めただろうね。中盤まで見てるとコトフが主人公みたいだけど、実際はミーチャが主人公だよね。偽りの太陽、その酷熱に灼かれたのはコトフでもあり、ミーチャでもある。悲しい時代だね。」
前後「「ていうかナージャめちゃくちゃかわいかったあ〜〜」」

このレビューはネタバレを含みます

1937年、スターリン政権の大粛清時代。
元大革命の英雄コトフ大佐とその妻マルーシャの家にドミトフが10年ぶりに現れる。そのドミトフはマルーシャの彼氏であり、それを知っていたコトフ大佐に戦争に送られていた。ロシアの一家庭の平凡な日常がノスタルジックに描かれ、ある日明らかになった事実に、幼子ナタージャの純粋無垢な姿が可愛く映える。
Yukiko

Yukikoの感想・評価

4.5
2018年11月3日
『太陽に灼かれて』 1994年ロシア・フランス制作
監督、ニキータ・ミハルコフ。

1936年。スターリン政権下。大粛清の嵐の時代。
ある夏の日、ロシア革命の英雄コトフ大佐(ニキータ・
ミハルコフ)とその妻マルーシャの家にドミトリ
(オレグ・メンシコフ)はやってきた。
元恋人同士のマルーシャとドミトリは10年ぶりに会う。
しかし、マルーシャはロシア革命の英雄、コトフ大佐の
妻であり、二人の間にはナージャ(ナージャ・ミハルコワ)
という6歳のかわいい娘がいた。
10年前、ドミトリはコトフ大佐の部下だった…


愛くるしく、かわいい娘ナージャ♡
監督ニキータ・ミハルコフの実の娘とのこと。
この監督で、続編として2010年の『戦火のナージャ』と
2011年の『遥かなる勝利へ』がある。
これら3部作のいずれにも、娘のナージャが出演している。
現在32歳のナージャ・ミハルコワさんは女優として活躍。
7歳の娘さんが一人いるようだ。
写真を見ると、実にお美しい♡

監督自ら主演もしているが、成りきり!素晴らしい!!
美しい田園風景に川岸、自然の風景、森。
そこに暮らすフランス語をしゃべる有閑マダムたち。
のんびりして、優雅に暮らすその邸宅に、一人の異分子が
訪れた。
内に秘めたドロドロした気持ちを押し隠し、精悍でいて
甘い風貌、紳士な態度…心の中は、復讐心に燃えている。

折々挿入される歌が物悲しい。

スターリンの大型気球、空から全て観てるんだぞ!とでも
言うように「スターリンの支配下」を強調している。
支配下のもと、罪のないコトフ大佐に偽りの罪状を作り
上げて暴行し銃殺した話。

このレビューはネタバレを含みます

スターリン政権下のソ連。ミーチャという男が10年ぶりに元恋人マルーシャの家を訪ねる。
マルーシャは革命の英雄コトフ大佐と結婚し授かった女児を育て幸せに暮らしていた。
マルーシャからミーチャを紹介されたコトフは一瞬戸惑いの表情を見せ慌てて平静を装う。それを皮肉な笑みを浮かべつつも友好的な挨拶で返すミーチャ。

過去二人の間に何かあったことを匂わす前半。こう書くと不穏な感じの画っぽいけど、コトフはスターリン政権下の名士なんで広い庭と豪奢な家に住んでてメイドさんやら親類なんかもいて賑々しい。美しい自然に暖かな家族、カメラも演出も朗かさを強調してる空気の中であのやり取りが入る。
だから、観てる側も感じる仕組みになってるんだよね、これは平穏な日常に亀裂が入り、何かによってそれが破壊させる話なんだって。リリカルでうまい演出。

で、過去に何があったかなんだけど、これはかなりベタで俗っぽくそして普遍的なこと。愛し合ってたマルーシャとミーチャを有力な軍人だったコトフがミーチャを外国の諜報活動に出すように仕向け、二人を引き離し、消沈したマルーシャをもうアタックで口説きおとし自分の妻に。

そうミーチャは復讐しに戻ってきた。単なるメロ・ドラマな筋立てなんだけど、そこはロシアきってのインテリ監督だから、ドロッドロしたメロ・ドラマを展開させることで当時のソ連の独裁体制の恐ろしさ、抑圧された空気、そこから滲む滑稽さと愚かさも巧みに画き出してるんだよ。

ミーチャは秘密警察の敏腕諜報員でコトフにあり得ない反逆罪をでっち上げ逮捕しにきたことが後半で明かされる。
このミーチャの復讐は社会が狂ってないと成功しないもんなんだよ。国民を徹底的に監視し密告を奨励したスターリン政権下じゃなければ成立しない手口。
コトフは卑劣な奸計でミーチャから恋人を奪ったが、濡れ衣で死刑にしてもいいのか?ミーチャの始まりは完全な被害者だが権力機構を使って相手を陥れようとした瞬間からコトフと同類に堕ちてしまったんじゃないのか?
そもそも労働者達の安寧と幸福のために起きた革命の終着点が抑圧的で陰湿な一党独裁体制にならなければこんな虚しい愛憎劇は存在しなかったのかも?
美しいリリカルな映像から浮き出るやるせなさを堪能できる傑作。

そして、これ、驚くべきことに実話ベースなんだよ!コトフ大佐て人、本当に反逆罪で銃殺されてんだよ!家族も長い懲役に。「1936年銃殺」「1956年名誉回復」との文字がエンディングに!やっぱ冤罪だったのかと、ビックリ&やるせなさ数倍増しに、、😂

実は公開時、映画館で観たんだけど、このエンディングのテロップのことまったく記憶なかった。当時も出たはずなのに何故だ!?
おそらく、クライマックス以外アクションもバイオレンスもない展開に退屈して集中力切れだったんじゃないかと思う😂
今でこそ、傑作とか書いてるけど、当時はテーマわかるけど退屈だったぜーー!!て感じだったし。
もっと言うと観たくなかったんだよ笑 この時に付き合ってた女性がこーゆーの好きだったんで嫌われたくない一心で映画館へ😬💦
電気羊

電気羊の感想・評価

3.2
ロシア革命後のソ連で、高名な大佐がバカンスを楽しんでいたところに、ある男が現れる。その男はかつての大佐の妻の恋人であり、何かの目的を隠していたのだが。男の心象風景とも思われる小型の灼熱の太陽は、大佐への復讐心で爆発するシーンと、自殺したところで部屋から飛び去って行くシーンで挿入されている。ストーリーとは関係ないが、毒ガス攻撃からの緊急避難訓練とか市民生活の一端が垣間見えたのは面白かった
ソ連、ロシア革命の立役者であるヒーロー、コフト大佐の家庭。幸せな日々を過ごしていたところに、突然、昔馴染みの男が帰ってくる。
そして、その帰郷で、男は、コフト大佐に送られて戦争の犠牲になり、10年も帰国がかなわず、かつての恋人をコフト大佐に奪われたという話を娘へのあるおとぎ話としてかたる。コフト大佐の妻は、この男の帰郷でこの話を聞き、かなり動揺する。

大佐は、突然の男の帰郷には、何か本当の目的があると知り、何故帰ってきたかを問いただす。
軍の諜報部員である昔馴染みの男の突然の訪問の目的を自分を捉えに来たことだと悟り、静かに家をでる大佐。
何も知らない大佐のちいさな娘が最後まで何か分からず、父親と男を楽しく送り出すのが、余計に悲しい。
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