太陽に灼かれての作品情報・感想・評価

「太陽に灼かれて」に投稿された感想・評価

kino8310

kino8310の感想・評価

3.6
★いいなぁ、ロシアの自然…(前半まで)★
自然豊かな家に住む革命の英雄コトフ一家。そこに現れるコトフ夫人の昔の恋人ドミトリ。彼の出現によって平和な家庭がざわめく。

主役兼監督のニキータ・ミハルコフは、ロシアの田舎の風景や家屋を美しく描いている。ただ一点、後暗い訪問者=ドミトリを除いて。

如何に革命の英雄であっても、連鎖的(ほぼランダム)に粛清に遭う時代であると思うが、この映画は情念や胸騒ぎを終始放り込む。ラストは、美しいロシアの地に相応しくないもの(監督曰く:偽りの太陽)を見せられる。
タケ

タケの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

当たり前だけどロシアにも夏はあるんだな。
映像が素晴らしく美しく、出てくるキャラクターはみんな個性的。前半部分の描き方には惚れ惚れした。
ラスト以外はユーモアに溢れていて戦争の時代を描いているのだということを忘れさせてさえくれる(ドミトリとコトフ大佐の間には常に不気味な雰囲気が流れているけれど)。
まだまだ知らない戦争の姿がたくさんあるのだなと痛感させられる。
最後まで真実を知らされずにいる娘のナージャがすごく印象的だった。
ヤマメ

ヤマメの感想・評価

3.8
楽しい時間が流れる中、物悲しい空気が漂いずっと心がざわつく
どのシーンを思い出しても切ないです

あの気球はゾッと以外ない
mlt

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4.5
不穏な冒頭
牧歌的な中間部
そして再び次第に押し寄せる不穏さ
最後まで見て全部それらがしっくりくる感じ
「偽りの太陽」ってフレーズがずっしり。
いいわあ…好きです。
三部作ということで続くのは知ってるんだけど単体でのこの作品の仕上がり凄すぎるのでは?
ちょっとこの余韻に浸ってから残りは見たいと思います…

このレビューはネタバレを含みます

この作品で最も印象的なのが、軍人にも人の心がある点だ。主人公の大佐はいざいう時には妻も娘を相手国の為に命を捧げる覚悟を持っているも、妻を愛し、娘も愛する。先の二つの作品の軍人たちには人の心がなく、徹底的に暴力を行使して市民を抑圧する悪として描かれているが、この作品の主人公は市民としての軍人の側面も持ち合われている。それは妻と身体を重ね、娘とボートに乗るシーンに見て取れる。彼が作中において暴力をふるった場面もない。DVDのジャケットは主人公と娘が同じ方角を見て笑みをこぼしているカットだが、まさにこの作品を象徴する画となっている。
efn

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4.1
 レーニンを利用して女を寝取った人民英雄がスターリンと共に帰ってきた旧友に殺される。この単純な、愛憎と政治が入り混じった過去が川辺の毒ガス訓練(初恋とそれを邪魔した十月革命)、別の場所では人形劇(21年の粛清と国外追放)を使った御伽話として形を変えながら再演される。
 これだけなら普通の読み替えだが、ロシア映画の叙情的な表現がそれに混ざることで強烈に仕上がっている。ピオニールの赤と共にやってくる白い秘密警察、濁った川を泳ぐ間男と妻、それに背を向けて娘と川辺で遊ぶ夫。この間違いなく母なる大地で起こった、という確信が映画を揺るぎないものにしている。
 拉致の目撃者を車窓からフレームアウトさせた上で長回しのまま処刑(この直前にスターリン気球が浮いている)したり、立場の違いを階段の段差+タップダンスの長回しで風刺するあたりのワンテイクへのこだわりも良い。さすがにアンゲロプロスと比較はしないが、構図と風刺の合わせ技は久々に見たので、それだけで満足。(スターリン気球と処刑はそれまでの作風に比べて直喩的すぎる気もするが)
粛清

前半のまったりとブルジョアな感じとラストとの対比が印象的
ZAKI

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3.0
映像が美しい。1936年裕福なソ連軍人の保養地での暮らしが細やかに見れてよい。バーニャでくつろいだり、民間のグダグダなガスマスク訓練があったり、ガスマスクつけたまま陽気にピアノを連弾したのは良かったな!ピオネール(少年団)の活動とか、水着とか、食事やお茶の様子とか、サモワールとか、サッカーとか。
のどかな暮らしに昔終わった恋のスパイス…と思いきや話の軸は実にきな臭い。
大粛正の前のじわじわ粛正期間だろうか、こんな体制に対して影のある内容でよくロシア検閲通ったなあ…ありがたい。フランス共同制作だから?
スターリンの気球上がるとこで煙草入れからパピロース出して、マッチ指に挟んだまま敬礼する時の表情が凄くない?祖国への忠誠みたいに見えて、直後歯を剥き出した笑顔があまりにもシニカルだ。
あと途中で気づいたけど主人公オレグさんやんけ。若っ!
三部作とのことで二作目もこれから観ます。
kalitan

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3.9
第二部『戦火のナージャ』が良かったので第一部のこちらへ来た。
『戦火のナージャ』はシビアな前線のシーンもある戦争映画なのだけど、
こちらは優雅な保養地暮らしを楽しむ大家族の暮らし。スターリン大粛清の恐ろしさが半ば隠された主軸で、恋愛と夫婦愛と親子愛と子供のいる賑やかな暮らしが描かれる。のどかで楽しい中にスターリン主義の闇が挟まれているのが不気味で怖い。

ところでミーチャは従者がフランス語で話すと「ロシア語で話せ」と注意する。フランス語は上流階級の共通語だったから「革命的でない」というわけなんだろう。老いた従者はロシア語がきちんと話せないほどフランス語中心に生きてきたらしい。

一方、コトフは一緒に暮らす人全員がおそらくフランス語が話せるのに、彼だけが話せない。多分裕福でない出自なんだろう。

そういう日本人が知らない情報がいくつも隠れてるんだろうな、この映画。
ky31

ky31の感想・評価

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遥かなる勝利へを見ようとしたら三部作の三作目だと知り一作目である今作を視聴


牧歌的な映像が流れていく中最後に垣間見せるソ連の闇の部分が印象的を際立たせる
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