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熊座の淡き星影
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目次

『熊座の淡き星影』に投稿された感想・評価

本日11月2日は20世紀のイタリア映画を代表する巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督のお誕生日です。
生きていれば今日で111歳に。

ヴィスコンティが手掛けた作品の中で"唯一のミステリー"と称され、
ギリシャ悲劇「エレクトラ」をベースに新たな姉弟の現代劇を創造した秀作「熊座の淡き星影」

アメリカ人の夫アンドリューが共にイタリア人妻サンドラの故郷を訪れることで徐々に明らかになる彼女の秘密とは…。

トスカーナ地方の歴史ある田舎町ヴォルテッラを舞台に、複雑な家族関係と彼らの隠された過去をサスペンス仕立てで展開してゆくヴィスコンティの手腕は、
前作「山猫」からの冴え渡る覇気で満ち溢れています。
ストーリーを確信的な「画」で語ってゆく綿密な構築にも一切の妥協すら見当たりません。

サンドラを演じるのはその「山猫」でもヒロインを演じたクラウディア・カルディナーレ。
野性的な艶かしさを携え、底知れぬ闇を抱えた女性を見事に演じきります。
入り組んだ大豪邸に困惑する夫は、さながら彼女の謎めいた深層部へと迷い込んでゆくよう。

「エレクトラ」は姉弟の復讐劇でありますがここではそのテーマが異なり、本作はむしろ"エレクトラ・コンプレックス"に起因する比重が大きいと云えます。
ユダヤの名門ながらアウシュビッツ収容所で非業の死を遂げた父親。
それ以来精神を病んで入院している母親。
養父となった弁護士の男。
亡き父を愛し、養父を憎む姉サンドラ。
サンドラの初恋の相手とされる医者。
長年屋敷に住み込む家政婦。
そしてすべての鍵を握る最愛の弟ジャンニ。

イタリアの片田舎にはじっとりとした暗さと寂しさが影を潜め、忌まわしい歴史が呪いのように名門家族の現在をも狂わせている。
そんな退廃的な雰囲気の中、屋敷内の豪華な装飾と調度品をモノクロの映像美で浮き立たせ、
その明暗はやがて姉弟の過去と未来をも分け隔ててゆきます。

そして全編で幾度となく流れるピアノ曲「前奏曲、コラールとフーガ」は我々の心に悲哀の余韻を残したまま、叙情的な幕切れに花を添えるのです。
3.5
1965年 イタリア🇮🇹映画
ヴィスコンティ監督

名門家族の姉弟に隠された過去、唯一のミステリーというふれ込みだが、想像していたものとはだいぶ違った。
 
ヴィコンティの映画の中で、この映画を観ることが一番難しいと思っていた。配信もなく、レンタルに在庫もなかった。半分以上は諦めていたが、ふとしたキッカケで簡単に手に入れることができた。まさに穴場だった。
そう、「図書館」なのだ。
大袈裟にいうが、ちょっと狂喜した。
というのも、この作品だけでなく、かなりの映画がレンタルしなくも図書館で借りれるからだ。「今更!」とほとんどの方は言うだろう。でも知らない人間もいるのです。今回は大きな飛躍!


アメリカ人の夫を持つサンドラ(クラウディア・カルディナーレ)は、長い間父の死に疑問を抱いていた。夫と共にイタリアの故郷へ戻った彼女を待っていたのは、弟ジャンニ(ジャン・ソレル)からの不穏な眼差しと、義理の父からの非難だった。

まず題名、変な題名だと思ったらイタリア19世紀の詩人の詩からとった題名だそうだ。
因みに弟の小説の題名もこれと同じ設定になっている。
ジャコモ・レオパルディの詩「追憶」

『熊座の美しい星たちよ、私は思いもしなかった
父の庭の上できらめくお前たちを
故郷に帰って再び眺めようとは、
子供の頃に住み
喜びの終わりを見た』

実際こんな場面もある。

彼女が結婚相手と帰ってきた故郷の家で、夜の庭を散策するシーンがそれだ。そこで待っていたのが、弟ジャンニ。二人は久しぶりの再会を喜び抱擁し合うが、何やらおかしい、何やら違うのだ。まるで恋人同士。

「私の前て着替えをしないで!」とシャツだけ脱いだ弟を怒る姉。おかしなことを言うと思っていたら、翌日からのこの二人の仕草、会話もずっとこのまんまで、異常に感じてくる。
そしてついに隠された過去が明らかになる…

ヴィスコンティだから、こんな単純な話ではないが、基本線はこういうことになる。

サンドラのお屋敷ワルト・ルッツァンティ邸は時代に取り残された古い家具、絵画、置物、樹木の生い茂った庭、古代ローマの地下水場はまさに本物。
突然、サンドラと同じように、過去の世界に入り込んでしまう。

アメリカ人のサンドラの夫は最初は驚くが、すぐにここは長居はできない場所だということを肌で感じる。しかし、サンドラはここにきた時、すでに過去にハマり込んでしまう。

過去に取り憑かれた弟と過去を抜け出し新しい生活を始めたいサンドラの葛藤が続く。

クラウディア・カルディナーレ主役のミステリーということで楽しみにしていたが、多分ヴィコンティ好みのこの弟がやたら上半身裸になって気持ちの悪く、私には残念な作品だった。

2023.05.15視聴221
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ギリシャ悲劇を下敷きに家族の怪しい愛憎劇。屋敷に古株のお手伝いさん。気の狂った母親にナチスそして近親相姦とくれば雰囲気十分。ありがちでシンプルながら入りやすい物語でした。ピアノが高貴な雰囲気を与え彫像が静かに物語る。

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上映日:

1952年05月22日

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ジャンル:

配給:

  • ワーナー・ブラザース映画
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