ヴェラの祈りの作品情報・感想・評価

「ヴェラの祈り」に投稿された感想・評価

Toku

Tokuの感想・評価

4.6
気になった言葉
(鍵を)私は失くしたりしない。

彼の子よ。でも、違うの。彼の子なのは事実よ。
でも私たちの子は私たちだけの子じゃない。
私たち自身だって両親だけの子じゃない。分かる?
夜、ふと目を覚まして、彼の寝息を聞いてるの。
彼は私たちを、自分のためだけに愛してる。物扱いよ。
怖いほど孤独なの。

気になった音楽
Kanon Pokajanen/Estonia Philharmonic Chamber Choir
説明書きの一切ない心地良さ。
目に入ってくる情報だけとまっすぐ向き合える気持ち良さ。

静けさの中に広がる感情の熱波。

観終わった後に残るのは、
まるで絵画を鑑賞していたかのような感覚。

ロシアの鬼才、アンドレイ・ズビャギンツェフの長編二作目。全ての作品、タイトルとは何度も向き合っていたけれど今作が初ズビャギンツェフ。出だしっからもう、この人の映像世界が好きだなと直感。
余韻が消えない。
Tyga

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3.8
ただの悲劇ではない。
まるで革命のお話だった。

序盤に続く親子4人のシーンで夫婦2人の目線がほとんど(数えられる限り1度しか)合わない。
ということだけで、その現在の関係がわかる。

黒とヴェラの青いドレスが印象的。
McQ

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3.8
亡き父が遺した田舎の家に訪れたとある家族。そこで妻は静かに語る。

「妊娠したの、、でもあなたの子ではない。」と、、

夫アレクセイは何も言わずにその場を立ち去る。

言語道断だ!ということで、中盤まで2人の間にほとんど会話は無い。

やるせない気持ちを引きずったまま、静かに時は過ぎていく。

アレクセイも「父、帰る」の父に比べたら、そこまで問題のある人間には見えない。

それは恐らく狙ってのことで個々の人物を第三者の目線でしか描いていないようにも見える。

夫婦間の確執など、表面上では決して分からないという事なのだろうか。

単純な目で二分すると、これは男女問わず、結婚して子供を中心に生きるものと、変わらぬ愛を求めるものの温度差が引き起こしたものでは??とも取れるけど、そんな単純なものでも無いらしい、、

後半になると、え、え、え?!
という展開が訪れるのだが、分かりやすい説明など皆無。。

極端に少ないセリフの中で放たれるのは、理解不能で意味深な言葉ばかり。

とてもリアルではあるけれど、映画としては少々不親切。
アートとしては素晴らしい。

その辺で極端に意見が分かれそうだけど、役者陣の演技や美しい風景、その空間を流れる時間の描き方など、どれを切り取っても素晴らしい。

どこかベルイマンチックなその世界は言葉よりも絵の一つ一つで物語るようなパワーが感じられた。
hk

hkの感想・評価

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小さなひびが全体を瓦解させる構造が、いかにもこの監督らしい。

「ギフト」、「隠された記憶」といい、最近の流行りなのかもしれない。
自分の過去の振る舞いが、現在の自分に立ち向かってくる構図は、あたかも過去女性を打擲した人間、そしてそれを許してきた社会全体が浄化されようとしている状況に似ている。
アレックスは自分の支配への挑戦を許さなかったが故に、打ち倒されたのだ。包容が死に、権威も崩落した。
レンタルDVD
「赤ちゃんができたの。さ〜て誰の子でしょう?」ってクイズを出題してくるスフィンクスのような妻に翻弄される旦那の話をこんな長尺かけてやるなよ。
Jeffrey

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3.5
‪「ヴェラの祈り」‬
‪ズビャ作は映像美と緻密な構成とシンボリズムや自作に影響を与えた才能を反映する監督なので本作を観る前にタルコフスキー映画を全て鑑賞して欲しい。観ずに本作を観ても十分な楽しみ方や発見は不可…前作"父帰る"以上に切なく重くそして母性の神秘を大地に映す彼の最高傑作と言える‬。
びっくりするほどタルコフスキー
重要なショットが露骨にタルコフスキーのストーカーの決めショットなのはちょっとねえ
Cem

Cemの感想・評価

3.8
妻の「赤ちゃんができた、あなたの子じゃない」この一言から悲劇が始まります、2時間半の字幕ってだけで見る前から不安だったけど、台詞も少なく終始重苦しくて静かで自然と映像にひきこまれました
私も女だけど奥さんに全く理解できず主人公が可哀想としか思えなかった、話は重苦しいけど映像が美しくて癒やされた。あんなとこに一度は住んでみたい!
たむ

たむの感想・評価

3.9
圧倒的な映像が、深淵な物語が、まさに映画芸術です。
重厚な作風が、崇高な何かを観ている、ある種の謙虚さを観客に与える作品です。
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