愛の残像の作品情報・感想・評価

「愛の残像」に投稿された感想・評価

鈴渚

鈴渚の感想・評価

4.0
「愛してると言わないで、愛を語らないで」失って初めて気づく本当の気持ち。退屈な日常に戻りたくないから、あえて傷つけ傷つけられて…ワイパーの法則。
フランソワが猫を抱いて鏡を見つめる。「ほら、これがお前だよ」と猫に語りかける。このシーンだけを考えると、鏡の中のキャロルはフランソワ自身だと考えられるけど、ラストでまたその確信も揺らいでしまう。カメラマンであるフランソワは常に見る側の人間だったが、自分自身を見つめた時混乱する。その混乱が後半随所で見られる。あとから考えると
①女優という見られる対象でありながら、カメラを向けられることに拒絶反応を示すキャロル
②カメラマンとして見る側の存在であったが、自分自身を見つめることになったフランソワ
③見られる対象であることを受け入れ、その立場を使ってフランソワをつなぎとめるエヴァ

たった1人の片割れを見つけるまでの道のりは苦しい。「origin of love」を思い出す。
情緒不安定で愛に依存する女性
ローラ・スメットの表情がスゴくいいです
後半の亡霊か幻覚か曖昧な存在に感じる幻想性も不思議な魅力があります
開いた窓と衝撃を静かに物語る最後も良かった

死んでまで愛を求める姿が怖い😅
HK

HKの感想・評価

3.7
『救いの接吻』『ギターはもう聞こえない』などのフィリップ・ガレル監督によるフランス映画。キャストはルイ・ガレル、ローラ・スメット、クレメンティーヌ・ポワダッツなどなど

一人の男性カメラマンが被写体となるモデルの女性と恋に落ちる。しかし彼女は所帯持ちで禁断の恋であった。そのことに怖気づいて彼から関係を終わらせるが、次第に彼女は精神を病み亡くなってしまう。その後カメラマンは違う女性と結婚するが、次第にモデルの女性の残像に取りつかれ…

フィリップ・ガレルによる悲恋を題材にした映画なのか、現代は夜明けの境界というものだが、邦題は『愛の残像』とより明確に分かりやすいようになっている。実際前述したように簡潔な内容のためにあまり台詞を負わなくてもすんなり見ることが出来る。

画面が常に二人の関係性を捉えていて、それでいて一つ一つの機微から彼らの心情が伝わってくるような映像構成がとても良かった。

他にもベッド越しでは煽りのショットで二人の身体的撮り方というものが対比的に入れ子構造になっているというのも、如何にも二人の関係の依存度を高めているようであってそこがとても良かった。

一番の見せ所はやはり鏡を駆使した彼女の幻影を映し出すような終盤の演出である。鏡を用いて彼の心情のトラウマ的要素や心残りの要素を映し出すというのは、カサヴェデスの『オープニングナイト』を思い浮かべた。

最後の絶望的なラストも何というか、鬼火などでも見かける暗いフランス映画の当たり前の結末のようにも見える。そこまで暗いようにも見えず当然の結末のようになるのがいかにもフランス映画的というか。

やはり、後追い自殺というのはどうしても美化されてしまうし、ルイ・ガレルの美貌も含めてやはり美化されてしまうという所、後味悪いのが好きな自分としてはあまりそこは装飾しないでほしいようにも思える気はする。

やっぱり自分はロングショットを撮る場合はもうちょっと被写体の動的な物が目立ち常に驚きを与えるような物が好みのようで、今回のはある意味静的な物が強いようにも感じられるが、そういうのでもモノクロの映像だからこそできる被写体の陰影が人間の内面的な暗さを物語っているようにも思えた。

彼女が何故か病院内で意味ありげに床を這いだりする所とかは良かったと思う。

ポストヌーヴェルヴァーグは、ヌーヴェルヴァーグ的な在り方を更に追求したジャン・ユスターシュみたいな人間とジャック・ドワイヨンのようなそうでない在り方を追求した人たちもいるというのが現状の考え方としてもいいかもしれない。フィリップ・ガレルはどっちに入るんだろう。

しかしやはりどれも身内芸になるんですよね。そこがなんか個人的には乗れないような気がしなくもない。

いずれにしても見れて良かったと思います。
てるる

てるるの感想・評価

3.3
初フィリップ・ガレル。

フォトグラファーと女優。
アーティスト同士の不倫の話。

また不倫かよ!
なんで皆1回精算してから付き合わないの?
どっちにも感情移入出来ませんけど。

やがて起こる悲劇と、その後幻覚を見始める主人公。

でもラストで「えっ!急に?!」てなります。
まさかこういうアートっぽい映画でラストそれ?!ていう衝撃。
脳がついてけなくてラストについてググッちゃいましたよね。

調べて知ったけど、ガレル監督はベルヴェット・アンダーグラウンドのニコと公私に渡り親密だったらしい。
そのニコを事故で失っており、この自分を重ね合わせたんだろうか。
MIHIRO

MIHIROの感想・評価

3.6
不穏な音楽と落ち着いた会話、女優と恋に落ちた写真家の話なのだけれど最後は予期せぬ展開になります。愛はこんなにも人を狂わせてしまうんだな、、鏡に写ったのは、幻覚なのか霊として現れた彼女の想いなのか、どちらにしても失ってから気づいても取り返すことができない。
愛のワイパー理論は最高なので使っていきたい。
そしてルイガレルはドリーマーズ観た時から大好き。
[原題"夜明けの最前線"より断然良い] 60点

最新作『The Salt of Tears』が"何十年も前の焼き直しみたいな映画"と呼ばれていたが、実際に観たことあるフィリップ・ガレルの作品は『現像液』と『孤高』というハード路線ばかりだったのでなんとも言えないのが正直なところ。同じような映画を大量に撮っているというイメージだが、意外にも本作品でカンヌ映画祭のコンペは初参加、それ以降も選出されては居ない。『自由、夜』『つかのまの愛人』それぞれ別々の部門に選出されたくらい。彼の主戦場はヴェネツィアのようだ。それも、例のアメリカのローカルな映画の祭典に毒される前の。

写真家の男が被写体である女優と恋に落ちる前半はどこかノスタルジックに描かれていて、"資金提供してて監視されてるの"という突然の告白から昔のミューズだったジーン・セバーグぽさを演出しているのかもしれない。女優は案の定自殺してしまい、その後も亡霊のように女優が現れることを考えると、セバーグなりニコなり彼のミューズだった女優たちの亡霊を抱え続けているのだろう。今の妻キャロリーヌ・ドリュアスに捧げられているらしいが、どうみても前妻ブリジット・シィのこと引きずってる言い訳にしか見えないし、シィ以前のミューズたちも絡んできて訳分かんないことになってるのは、最早見えてて笑える。全体的にちょっと感傷的すぎるが、鏡のシーンはホラー映画ぽくてお気に入り。『SAW』でああいうシーン観たことある気がする。

思い出したかのように写真要素が後半で復活するのも笑える。そういえば写真家だったな、と。『鬼火』っぽい鬱なラストも良い。毎回毎回死にたい気持ちを抱擁されてもたまらんので、私の代わりに死んでくれる映画があっても良いんじゃないか。
茅野

茅野の感想・評価

2.9
ごくありきたりのメロドラマだし怨霊こわいけど、美男美女なので良し
さちこ

さちこの感想・評価

3.4
永遠の愛を誓って、とらわれてしまったんだね。

本当に最後の展開が衝撃的だけど、とても綺麗にまとまってた。素敵

愛はワイパーだって本当にそうだなって思う
女優の顔が撮りたい。どうしても女優の顔に寄っていっちゃう。と思いきや男のアップも多い。結局役者の表情に依存するのってどうなのよとは思った。それ以外はいい感じ。
あとカメラがグニョーンてパンして鏡を映して、でまた戻ってきて女優のアップになるのわざとらしくて好きじゃない。それ以外はいい感じ。
精神病院に主人公が会いにいって二人が抱き合ったとき、微妙に明るくなるの泣けるよね。
s

sの感想・評価

3.9
静かに向こう側に行くラストは綺麗だった
残像の様に残るキャロルとモノクロが合ってた
ワイパーの言い回しは酔ったら使おう
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