タレンタイム〜優しい歌の作品情報・感想・評価

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「タレンタイム〜優しい歌」に投稿された感想・評価

せーじ

せーじの感想・評価

4.8
204本目は、シアターイメージフォーラムで開催中の、ヤスミン・アフマド監督作特集上映のなかからこちらの作品を鑑賞。
60席ほどの劇場で、お盆休み午後の回ということもあるのだろうか、8割ほどの入り。

素晴らしかったです。
鑑賞後は胸がいっぱいになってしまって、地下鉄に乗らなければいけないのに、渋谷駅西口のバスターミナルに出てしまったので、思わず帰り道とは反対方向のバスに乗ってしまいました。車内では、スマホでこの作品に関する様々な記事と、KKMXさんの感想やMarrikuriさんのコメントを読んでまた胸が熱くなって…というようなことをしていたので、その日の夕方、スマホを見ながら泣きそうになっている変な顔したおっさんを乗せたバスが、玉川通りを下って行ったはずです。。。

この作品の何が凄いのか。何がそんなに感動的なのか。
自分は、演者の"純粋な"演技と、それに耽溺せずに隅々まで意味を持たせ、的確にコントロールされた演出が、この作品そのもののコンセプトと最高にマッチしていたから感動できたのではないだろうか、と思いました。
まず何より、主演級の男の子たちと女の子の演技が凄まじく"純粋"でした。自分は評論家でも何でもないですし、マレーシアの映画作品を観るのは初めてなので、彼らの演技が技術的にどうなのかはわからないのですが、どこまでも純粋で素直に思えたんですよね。だから、何気ない「ごめんなさい」という言葉やセリフでも、こちらに訴えかけてくる力が、ものすごく強く感じられるように思えたのです。もちろん、それを受け止める彼らの家族や教師を演じた脇を固める人々の演技も素敵でした。

この作品、お話の内容自体は重いところもあったり、泣かせどころがいくつもあったりして、どちらかというとベタな部類に入る作品なんですけれども、主人公である若い彼らの素直で純粋な演技が、ベタだと思わせないバランスでしっかりとコントロールされ、演出されていたので、全く鬱陶しく感じなかったのです。それどころかストレートに感情が伝わるので、それで胸が熱くなってしまったのだと思います。
また同時に、彼らを取り巻く様々な問題―主に民族と宗教の問題―を、様々な形で彼らの日常に潜り込ませ、それを映画全体でドラマとして組み立てようとしていく構造にしていて、それがとても絶妙なバランスで、とても控えめにさりげなく、けれどもどこまでもストレートに物語ろうとしているというのが素晴らしいなと思いました。世に溢れる映画作品の多くは、泣かせようとする要素があると、それに耽溺してしまう作品がほとんどなのに、控えめな演出を保ったまま、しかもストレートにそれを伝えようとするというのは、なかなかできる事ではないと思います。そうかと思うと、所々で思わず笑ってしまうような仕掛けが施されていたり、「公園のベンチに座る二人の周りに"天使の様な"赤ちゃんたちを配してみたり」や「今際の際に立つ人に"天使"から"果実"を受け取らせてみたり」、そして「クライマックスの重要な場面で、美しい衣装を纏った少女が舞ったり」という映画的で美しい演出がスパークしており、作品全体が泣かせること一辺倒ではないつくりになっているというのも良かったです。
そして何より、音楽ですよね…。飾ることのない素直な彼らが、飾ることのない率直な気持ちを、飾ること無く純粋な思いを込めて歌い、奏でているのですから、そもそも感動しないはずが無いのです。あの、奇跡のようなクライマックスの展開でぐにゃりと画面が滲み、それ以上は何も言えなくなってしまいました。。。

その生涯をかけて「恣意的に分断されてきた人と人とを結びつける」ために映画を撮り続けてきたのだというヤスミン監督。
彼女が願ったように、対立や軋轢が生まれやすいこんな時代だからこそ、彼らの様にそれらと目を背けずに向き合わなければならないな、と強く思いました。
忘れられない作品になりそうです。
ニケ

ニケの感想・評価

4.0
音楽コンクール「タレンタイム」に出場するマレーシアの高校生たちの青春群像劇

数ヶ月前「仮設の映画館」にて鑑賞
田舎に住んでるのでこれ一生観てないかと思ってましたよ笑
素敵な企画をありがとう

宗教や民族の違いから起こる衝突や葛藤。それを乗り越えんとする人々の姿を優しい目線で描いた心温まる作品です。評判通りの素晴らしい映画でした

個人的な話ですがハフィズと母親の置かれた状況が中学時代の自分と重なり「I Go」にはかなり泣かされました。たぶんこれ何回観ても泣いちゃいますね

機会があればまた観たいな
Ruri

Ruriの感想・評価

3.7
2019年
期待しすぎた。
orange

orangeの感想・評価

3.4
穏やかそうな聾唖のイケメン青年ってぐっとくるものがあるよね、という不適切な感想が最初に浮かんでしまった。(でもなんかこういうの絶対そういうタイプだよなー。まあ美男美女が標準なのは映画やドラマでは当たり前か)
あと今ちょっと気になってぐぐったら今は聾唖って言わないらしいですね。単に聾、聾者。発声訓練も浸透したということで私の知ってる若い子も普通に聞き取れるレベルで話せるもんな。ただこの映画の子は会話は無理で手話やメール。
で、あとから気づいたけどこれは恋の障害ではないんだよね。最初こそ誤解はあったけど、周囲もそれで反対したりしない。障害は民族や宗教のほう……。
この映画は群像劇的で、ラストは別の子たちだった。それがとても良かったしもう少し見たかったと思う。
もち

もちの感想・評価

-
しんゆり映画祭にて、ずっと見たかったヤスミン・アフマド監督の作品。ぼやっとしたところから徐々に輪郭を帯びるタイプのストーリー。なんとも言葉にしがたく、一括りにできない深みのある映画でした。大好きな作品になりました。

つい自分だけがうまくいかなかったり、自分だけが苦しんでいると考えてしまうけれど、みんなさまざまな苦しみを抱えて生きているのだなと、人に優しくなりたいなと思いました。
そしてそんな苦しみたちの中で燦然と輝くラブストーリーがあまりに美しくて、気がついたら涙が出ていました。

余白に流れるゆったりした空気も心地よく、すばらしい作品!タレンタイムの歌の良さに、鳥肌が何度もたった。
本当に機会に恵まれて、見ることができてよかったです。

追記
・多民族国家マレーシアの、会話の中でいろんな言語(マレー語、タミル語、英語、広東語)がごちゃごちゃになっているのがすごく新鮮でした。相手によって使い分けるとかじゃなくて、一つの会話の中で複数の言語を使っている…。

・マヘシュもハフィズもめちゃくちゃ男前……!かっこいい

・神様にお祈りをする国。宗教の違いによる衝突・不寛容だったりマイナスな部分もたくさんあるんだろうけど、祈る習慣が生活の中にあるっていいなーと思ったりもしました。
MiMPi

MiMPiの感想・評価

3.6
すごく良かった!!

…と、言いたいところですが
色々予定が入ってしまって
予約していたミニシアターで気持ちよく
1/3ほど寝てしまい…ました。汗

ところどころ見てたけど
サントラよし、映像よし、で美しいアートムービー。
だけど、バックボーンやキャラの関係性の説明がほぼなかったので、途中から
???になったのも事実。。

また観ます!
oimo

oimoの感想・評価

-
言葉で言い表すのが少し難しい映画でした。

苦しい時はつい、自分ひとりだけ
どうして、と思ってしまうけれど
人には人の苦しみがあることを
忘れないようにしようと思いました。

ハフィズのお母さんが
男性の直接的な励ましではなくて優しいユーモアを含んだ言葉に救われてるといいな。

とても優しい歌声でした。
光と闇はいつも隣り合わせ。
そう強く感じた作品。

苦楽を巧妙に描き分け、観客を自分の世界へ連れ込むのが非常に巧かった。

群像劇ということもあるが、登場人物の関係性には仏教の縁のような思想を感じられる。
イスラム教にも似たような思想があるのだろうか。
kefu

kefuの感想・評価

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あーうまく書けないシリーズ。ゆっくり書く覚書形式
素晴らしい。優しい気持ち。感動がやまない。見終わった後に予告を観てまた泣ける。生きることと祈ること。二胡の音色がずっと心に残る。
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