グブラの作品情報・感想・評価

『グブラ』に投稿された感想・評価

Baad

Baadの感想・評価

4.4
「細い目」の数年後の物語。
留学から帰った後結婚したオーキッド。
しかし夫婦間には微妙に隙間風が吹き始めている。

父が入院してなすすべもなく悲しみにくれる家族。
テキパキと事務的に手続きをする夫。
その病院での初恋の人の兄との出会い。

夫の浮気が発覚するのだか、浮気相手の女性へのオーキッドの対応が独特だ。
平手打ちを食らわせたりするのだか、この辺は最近見た「ガリーボーイ 」と一緒。なんで相手の女性に矛先が向かうのかいまいちわからないのだが、先に付き合っていた女性の優先権、というのがイスラムの場合強いのか。第二夫人を持つ場合その前に結婚していた夫人の了承が必要、というのが教義だ。当然浮気は言語道断?

初恋の人ジェイソンの兄の存在がこの物語を動かしているのだか、結末は曖昧ながらも明るい未来がみえているような終わり方でした。
「細い目」単独だと私はちょっと飲み込みにくかったのですが、この映画をみてバランスが取れた感じです。どちらかというとこの映画の方が好きかもしれません。

とくに病院で人目も気にせず悲嘆にくれる家族のシーンが好きでした。

(優先権は妻に 2019/11/2記)
Jimmy

Jimmyの感想・評価

4.8
シアターイメージフォーラム渋谷にて鑑賞。

ヤスミン・アフマド監督の「オーキッド三部作の2作目」であり、『細い目』の数年後を描いている。

ヤスミン・アフマド監督特集上映のチラシに書かれている通り、オーキッドが本当に結婚していたが、ジェイソンに全く似ていなくてチョット驚いた(笑)
しかし、やっぱり「夫婦でシャワー浴びるのが日常」のようで、日本の夫婦よりもアツアツな感じがする(^_^;
(※映画と関係ありませんが、ウチでは有り得ません…笑)

オーキッドは、父親の入院をきっかけに、亡きジェイソンの兄アランに出会う。モップで相手を押し返して相手も自分も臭くなる微笑ましいエピソード(^_^)
そして、ジェイソン兄と歩いている時、夫の裏切り現場に遭遇……というオーキッド的物語と並行して、イスラム教聖職者たち、そして売春婦たちも描くパラレル語り口が上手い!

ジェイソン兄がオーキッドの服を見て「マンハッタン的」という件では映画愛を感じた。

やはり、オーキッド宛の手紙シーンが感動しまくり。

本当に素晴らしい映画だった。
灯にはいろいろあっても、
闇の暗さは同じ


眠れない、たくさんの夫婦。眠れない男。眠れない女。様々な夫婦の、様々な愛のかたち。様々な夫婦、様々な男と女、様々な憎しみ。そして、赦しのかたち。


いったい何人が登場したのか、把握しきれていない。神は救うのか。ヤスミン版罪と罰と赦し。


男の人の服を借りて、ダボダボの服を着て、車の荷台で踊るオーキッド。とてつもなく可愛い。最強の可愛さ。まだ彼女は少女で、あどけなくてイノセントだ。でも、時折、オトナの顔を見せる。修羅場も地獄も通り抜けてここまできたのよ、って顔をみせる。勝負服・勝負髪(ヘアスタイル)で。約束して切らなかった髪の毛を、エレガントに巻き上げて。


眠れないこと。
「眠れなかったら、水槽のなかを泳ぐ魚の群れをみたらいい。」昼間おもろいお父さんは、夜になるとそう言う。きっと落ち着くはずだから。水槽の魚も眠らない。夜は皆ひとりだ。抱き合って眠っていたとしても、孤独だ。それは、群れているようにみえる魚も、それぞれ1匹で泳いでいるのと同じことだ。でも、無事に夜を通り過ぎ、朝まで生き延び、横でトントンしてくれる人がいれば。また、きょうを1日、生きていくことができる。


トントンしてくれる人がいなかったらどうなるの?それは、考えない考えない考えないっ!考えないんだからねっ!!! 


あっ、わかった!
だからヤスミン監督がいて、作品群があるんだ。


(書いてたら、なんか映画と全然違う色合いのものになっちゃった。)
「新しい出会いと愛。もう一つの希望と絶望」

「細い目」の続編。

少女オーキッドの三部作の二作目だか、この作品のみでも独立して鑑賞出来ます。

前作から数年後のオーキッドは、広告代理店社員と結婚していて、幸せそうだか、ある時、裏切りに気づく。

オーキッドが語るマレーシアへの想いは、おそらく監督自身の気持ちなのでは?

並行して低所得者地域のイスラム司祭夫婦と娼婦姉妹の悲しいエピソードも語られる。

特に妹の希望からの落とされかた・・

2つのメインエピソードが並行して描かれるが、登場人物は交わらない。

前作「細い目」の家族がそのまま登場して、オーキッドは、亡き彼の兄に少しずつ惹かれてゆく。

いくつかの新しい出会いと絶望と和解が並行して描かれる。

前作もそうだか、裏切と暴力の影もさらりと描く、辛口なところにも唸る。

今作は英語と中国語の字幕が表示されるプリントで上映されていて、複数言語のマレーシアをさらに感じさせてくれる。
他のヤスミン作品より人間の弱さ、やるせなさが強めで少し苦しかったけれど、隣人が祈りが、光を灯してくれる。『細い目』の時から気になっていた中国系ジェイソンの両親。病院のベッドで彼らの隣になったマレー系家族のそっと手を触れるようなやさしさに泣きました。

結婚生活30年のうち20年はけんかばかりしてきたというジェイソンの両親が、少しだけ本音をもらして心がほどけていくシーンもよかった。初めて見せる母親の笑顔にほっとした。これから幸せに暮らしてほしい。

ヤスミン映画で印象的に使われるクラシック。本作ではベートーベンピアノコンチェルト第5番のアダージョ。オーキッドが夫に感情をぶつけるシーン、オーキッド両親のかわいいダンス、イスラム教聖職者家族の朝食、何気ない人間の営みを包み込むような美しい音楽の使い方に毎回胸がいっぱいになります…
Haco

Hacoの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます


『何を見ているの?』


『愛する人』

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『細い目』に出てくる少女オーキッドの、未来を描いた続編です。オーキッドが結婚した後のお話。

結婚したオーキッドは、父の入院をきっかけに夫の裏切りに気づく。一方で、町の反対側にある低所得者の地域では、イスラム教聖職者とその妻が、近隣者の困難に向き合う。
映画の中では、2つの世界がパラレルに進んでいきます。

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確かに、ヤスミンの映画の中ではシビアな部類に入る作品なのかもしれないです。
特に「夫婦」としての男女にスポットが当てられていて、裏切られたり、言い争ったり、手をあげてしまうこともある。

でも(映画の展開に関わってこないので言いますが)このレビューの冒頭の言葉は、映画の中でとある男女が交わす言葉です。
ただシンプルに、この映画の中で人と人の心が通じる瞬間を見ると、じんわりするなあとも感じるんです。

その苦みと甘みの切り替えがものすごくて、どきどきしながら観ていました。緊張しながら観たヤスミン映画、初めてかも。

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冒頭、食材を並べていく手を映し出す映像。誰かのために作るごはん。
沢山出てくる家のつくりや、家の中の様子の違いを見ているだけで多くのものを読み取れるのも、ヤスミン映画の面白さ。

最後、やっばいですね……。『細い目』『グブラ』『ムクシン』(オーキッド三部作と呼ばれている)すべて観て、一人の女性が生きるのを見ていくって、もしかしたらきっと、こういうことなのかもしれない、と思いました(感動)。
ヤスミンの込めたメッセージ。
harunoma

harunomaの感想・評価

5.0
2012年8月と15年4月そして17年の2月
ヤスミン・アフマド監督特集のときによたび鑑賞。35mmフィルムでした。

ワスレナグサ ヤスミン・アフマド
マレーシアへいつかいきたいと想います
『細い目』の続編的な部分でオーキッドとジェイソンの兄、そして浮気するオーキッドの旦那など修羅場感あるテーマだが、イスラム教が国教の国でも男と女、浮気に売春くらいあるよねーとヤスミンさんさらっと語るような軽妙さ。
smmt705

smmt705の感想・評価

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『細い目』を観た後だと更に、おお〜〜こうなったのかぁ〜!と親戚気分で観てしまった。相変わらず笑わせてくれるオーキッド家族。そしてあらゆる愛のかたち。オーキッドたちとは別で進む娼婦達の暮らし。こんなにも幸せに感じる一瞬があるのに、一瞬にしてそれが奪われるこの現実に目を背けないのが、ヤスミン監督だなぁと改めて思った。
iku

ikuの感想・評価

4.0
細い目を観てから本作観れて良かった
ランプの形はそれぞれ違っても、放つ光は同じ
いや、ほんまにマーラーさんの言う通り
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