神に誓っての作品情報・感想・評価

神に誓って2007年製作の映画)

IN THE NAME OF GOD

製作国:

上映時間:168分

4.3

「神に誓って」に投稿された感想・評価

akekokko

akekokkoの感想・評価

4.7
初めて参加したイスラーム映画祭、今年で第二回目を迎えられたわけですが、超満席立ち見ありでした。

まだまだ残るパキスタンの、、親が決めた結婚に従わなければいけないとか、他宗教との結婚は認めないとか、シカゴ・ロンドン・パキスタンを舞台に9・11のテロ事件を通してリアルに描かれていた。

主人公の女性が連れていかれたワジリスタンて地域での紛争の事も後のトークショーで詳しく知りました。

神に誓っては、お願いだからと言う意味に当たるらしく、監督の他の二作を合わせると、
お願いだから
声をあげて
さもないと
ってタイトルに繋がるらしい。
後の二作も観てみたいなぁ。

兎に角この主人公の女性がとびきりの美人さんで、自分てものをしっかり持っていて、女性に対する権利剥奪を許さず戦う姿もかっこ良かった。

映画を通して学ぶことっていっぱいあるよねー。
harukapi

harukapiの感想・評価

3.5
おなじ女の目線で観てて、こんなのあり得ないわって思うようなぞっとする場面が多々あった。ほんとに色んなことを感じたけど、神という名のもとでは何でも許されていくかのような宗教の自己都合論はどうにかならないのかと改めて感じたり。
イスラーム映画祭2にて上映。

おそらくパキスタン映画は初めて。
土着性の強い地味な映画を想像していましたが、全く違いました。
意外にも、宗教、民族、紛争、家族、恋愛、サスペンス、裁判、音楽、9.11、、いろんな要素が入った社会派エンタメです。
3時間近くの長さでしたが、飽きることなく最後まで楽しめました。

主役は、パキスタンに住む2人の兄弟と、そのいとこでロンドンに住む娘の3人とその家族。
3人の若者が、それぞれ過酷な運命に翻弄されます。
娘のパキスタン人の父親が、自分のことを棚に上げて、それはあかんやろなことをしでかしますが、それがある意味、国情を表しているのでしょうか?

悲痛な状況が続きますが、過激なシーンは控えめな描写です。
音楽にまつわる心に残るシーンもありました。
兄弟の兄が、アメリカへ音楽留学するのですが、ピアノで故郷の曲を弾いていると、待ってる人種も様々な学生たちが、ひとりずつ手持ちの楽器を合わせて演奏していくところは、純粋に音楽の力でひとつになっていくようで気持ち良かったです。

裁判のシーンでは、宗教に関する、まっとうな議論があり驚きました。戒律や形ではなく、内面が大事だと、、。

ちなみに、本国では大ヒットしたそうです。ただ、やはり保守的な人が多いので、批判や嫌がらせは結構あるとのことです。

中々上映の機会はないですが、観やすいし、一般上映してもいいのにと思います。今日も立ち見がでる盛況でした。

このレビューはネタバレを含みます

長い上に濃密。見終わった時はどっと疲れたけど、最中はずっと集中してた。

あの父親は映画史上最低ではないか? 勧善懲悪は好きじゃないけど、あの父親だけは爽快にケリをつけて欲しかった。でもそうしないっていうのがこの監督の答えなんだなー。難しい

音楽のチープな感じは結構不服
イスラム映画祭2にて鑑賞。
繁華街から少し外れた、のんびりした通りに佇む映画館での上映でしたが、40名の定員に対して、100番近くまで整理券を配る大人気ぶり。この映画館が通勤電車みたいになってるの、初めて見た・・・っ!
初日ということで、主催者さんのご挨拶もありました。ラッキー。(この映画館によく通われていたようで、彼の見た中では、踊るマハラジャ&不思議惑星キンザザに並ぶ大盛況っぷりだとか。笑)

イスラム映画祭2のことはチラシを拾って偶然知ったのですが、拾ったのは上映の前日。
さらに偶然にも、「となりのイスラム」を読み終わった直後だったのです!
これは絶対見ねば!のタイミング。

なので、簡単なイスラムまわりの知識+読書の熱(とても良い本でした)もあり、大変楽しめました。ほんとよかったです。
2時間48分を突っ走るには、やはり鑑賞前にイスラム知識を少しつけておくのが良いかと思います。
ムスリムの方がイスラム教に持つ気持ちっていうのが、日本人でいう国とか、両親に対する思いのような、簡単には捨てられない、かなり根幹の部分を成しているものらしい。ということだけでも念頭に置いておくと違うと思います。(もちろん違う感覚の方もいます)
あとはコーランがどれだけ大切にされてるかとか、女性の扱いとか、基本を抑えるとより映画の世界にのめり込めます。

パキスタンの裕福な家庭で育った音楽好きの兄弟・マンスールとサルマド、そして兄弟の従兄弟で、英国生まれ英国育ちの女子メリー。
この3人の運命がイスラム教と、世界の流れに翻弄される様が描かれます。

兄は音楽の勉強でアメリカへ。平和な日々を過ごすも、2001年になり・・・
弟は自分のイスラム教徒としてのあり方に悩み、原理主義?ともいえる過激派組織に身を投じます。
そしてメリーは、ムスリムの父親の都合で、アフガニスタンに置き去りに。
3人のシーンが次々に切り替わりながら進むストーリーは、退屈する暇を与えません。

前半の音楽を使ったシーンは、イスラム圏出身といっても、私たちと変わらない今時の若者だなって思える、特に楽しいシーンでした。
後半以降はかなり辛い展開が続きますが、憂鬱さを煽るような描き方はされていません。

弟は、日本で育った私から見たら最低な行いをしてるんですが、ナイーブになる気持ちも分かってしまうので、とても悪人とは言い切れない・・・。
メリーは被害者ですが、イギリスにいたころより大きなものを見据える、たくましさが備わったと思える。もともと結構強い女性でしたけど、何かを乗り越えたような。
あれは彼女にとって良い選択になったと心から願いたいです。
兄は・・・理不尽極まりないですが、現実でもきっと、どこかで起こったことなんでしょう。
2001年以降テロは増え続け、イスラム関係の問題を遠い世界のことと思って、ぼんやり考えていたけど、登場人物に共感してしまうと、他人事とは思えないです。

ラストに希望があるか?と言われると、ストーリー上では、深く傷ついた登場人物たちも、再生の希望がある描き方をされてますが、実際の世界情勢のことを考えると、希望がある!とははっきり言えなくて。
私はそんなにグローバルに生きていないので日本人の知り合いしかいない中で生きていますが、彼らがもし将来、隣人になった時に、ふつうに仲良くできたらいいなって思います。

最後に、名古屋でも開催していただき、ありがとうございました!
konomo

konomoの感想・評価

4.3
イスラーム映画祭では満員で涙をのみ、どうかまた機会がありますようにと待っていた作品。外語大の南アジア映画の上映会で遂に願いが(感謝!)。

待ちすぎて膨らんだ期待をさらに超える素晴らしい作品。
女性の権利、イスラム教の解釈、若者の過激派宗教家による洗脳、アメリカでのイスラムフォビア、そしてそして色んな境界や壁を乗り越える音楽の貴さ。そんなこんなをみっしり盛り込み、登場人物それぞれが重く辛い体験をするのに、しっかりエンターテインメントとして見せてくれた。ちゃんと終わり方には光が感じられて、前向きに帰途につけたのも嬉しい。特にヒロインの強さと、どんな目に遭おうとも何をするべきかを見逃さない知性は眩しかった。
帰り道、本当に色んな事を考えた。
はらだ

はらだの感想・評価

4.0
シカゴの音楽学校で歌うシーンがとてもすき。
音楽は国境をこえる、みたいな。

大国と、また男の、傲慢さと無知によって踏みにじられた2人の人生は、決してハッピーエンドではない。
(たぶん)ウラマーの1人が裁判で説いたことばだけが救いのように思えた。
manami

manamiの感想・評価

4.3
パキスタン映画見たの初めてかもしれない。。
インド映画とは違ってハッピーハッピーでもないし歌も踊りもないしとても考えさせられた。社会的事象を扱う内容はやっぱり軽い気持ちじゃ見られないなぁと。。
宗教に対しての理解は本当に難しいけど相手を尊重することが根本にないとダメだなぁと。長いけどあっという間の3時間弱でした。
taghr

taghrの感想・評価

5.0
すごいものを見てしまった、という感じ。終わってからも半日脳がやられるようだった。パキスタン国内の強制結婚の問題と女性の人権、と同時にムスリムと非ムスリム(アメリカ)との軋轢を描いている構造がすごい。9.11を扱っていて、パキスタンのムスリムだというだけでアルカイダの手先だと見なされてしまう。イスラームについて、きちんと知識がないとそうしてひとくくりにされてしまうんだろうな、っていうのが分かりやすく示されていた。挿入歌もすごく良くて、シリアスなのにそこだけミュージカルのような雰囲気があった。「神の下僕よ 身分を超えた存在であれ」の歌詞がすき。

原題は「お願いだから」らしいです。
確かに作品のなかに「お願いだから」って問いかけてる要素は多かった。お願いだから話をしよう、聞いてくれ、戦いはやめよう、尊重しあおう。
ワーリー師が出るシーンはインドで撮られていて、あの場面の役をやりたがるパキスタン俳優がいなかった、っていう裏話を解説で聞きました。それだけパキスタン国内での問題は根強いという印象を持った。
あとタイで色彩調整したインドの版権のバージョンを上映したらしく、日本では一番色合いがいいですよって言ってました、やったー!
みく

みくの感想・評価

5.0
こちらもイスラーム映画祭にて。


3時間近い長い映画ですが、あっという間だったように思います。

音楽を楽しんでいた2人の兄弟。
原理主義に染まっていき、音楽を手放す弟。
アメリカに音楽留学をする兄。
2人が進んだ全く違う道。
色々な視点から見ることができる映画でした。

I LOVE USAからI LOVE USAMAへ。
アメリカが新しい原理主義者を生み出してしまっているような描写はどきりとさせられました。

イスラーム、ムスリム。
またはパキスタン人、イラク人という勝手な枠組みで人を見てしまうことの怖さ。
1人の人、それぞれの考え方、そういう個を見る目が大事だと思った。
何のフィルターも通さずに私は人を見ることが出来ているのだろうか。

今回のパリでのテロのあと、私たちにイスラームを考える上で求められていることではないかと思う。
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