スネーク・アイズを配信している動画配信サービス

『スネーク・アイズ』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

スネーク・アイズ
動画配信は2025年6月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

『スネーク・アイズ』に投稿された感想・評価

3.8
 映画監督エディ・イスラエル(ハーヴェイ・カイテル)は、念願の企画だった『鏡のマリア』の製作に取りかかる。崩壊していく夫婦の姿を描くこの映画は、TV界のスターサラ(マドンナ)と、エディの長年の友人であるバーンズ(ジェームズ・ルッソ)が主演を務め、クランク・インする。だがこの映画の撮影はやがてエディの妻マドリンも巻き込んで狂気のドラマへと姿を変えていく。映画界の内幕を、虚構と現実の混濁する様を力強いタッチで描いたNY派アベル・フェラーラの真骨頂たる1本。冒頭のえらく凡庸な家族の食卓の撮り方に嫌な予感がしたが、あのある種の空虚さは、来るべきクライマックスを暗示している。映画の中には、『鏡のマリア』という映画の中のカメラがまず一つあり、フレームの外の彼らの行動を捉える最もオーソドックスなフィルムとしてのカメラがあり、エディが主演の2人に演出の意図を伝えるビデオ・カメラがあり、三種類の質感も機能性もまったく違うカメラがスリリングに行き交う。それはフィクションとノンフィクションという単純な二極構造ではなく、ビデオ・アートの領海に侵犯し、スクリーンとフィルムの混濁した世界と彼らが行動する現実世界との境目の意識を失わせる。

 ここで撮られている映像の強度は、酒場でカイテルがチラ見するボクシング映像や、雪の降る冬のNYに戻る飛行機内でチラ見するオリンピック広報映像との対比で暗喩的に繰り返される。凡庸な映像との対比が、ここまで明確に描かれているフェラーラの作品は稀だろう。これまでのフェラーラ作品の根底にあった犯罪としての暴力はここにはない。『鏡のマリア』という暴力描写ありきのフィクション映画に2人の俳優が取り組み、それを見守る監督の目があり、静かにゆっくりと暴力が3人の内面の中に入り込んでしまう。映画と実生活という切り離すことの出来ない領域に対して、監督と2人の主演俳優の葛藤が、セックス、ドラッグ、宗教と絡み合いながらやがて一つになる映画の素晴らしさは、90年代のフェラーラ屈指のカタルシスだろう。その倒錯した世界は、エディの妻がNYからハリウッドにフライングで現れたところでピークを迎える。エディの妻マドリンを演じるのは、実際のアベル・フェラーラの奥方であるナンシー・フェラーラその人である。フィクションとノンフィクション、映画監督と俳優、夫と妻、ドラッグとキリスト、それぞれの危ういバランスが音を立てて崩れる時に剥き出しになる狂気の瞬間こそ、フェラーラ映画の真骨頂である。

 その象徴として『鏡のマリア』内のシーンの1つ1つをカットを割らずに長回しで撮る。途中エディとバーンズのキャンピング・カー内での口喧嘩も長回しで撮り、人間の生理的な喜怒哀楽を捕まえて離さない演出で、俳優陣を追い込んでいく。
菩薩
4.5
なんせあのマッダァンーナ…失礼、ネイティブが出ました、マドンナが映画にレイプされる!とたいそうな触れ込みが付いた作品であり、確かにマドンナは『ラストタンゴ・イン・パリ』よろしく撮影中に寝バックでレイプされてしまう訳だが、確かあのシーンがマジだったと大問題になったのは2013年くらいだったはず…?と、この時点で「フェラーラ、預言者なの…?」と驚嘆せざるを得ないつか、映画関係者の間では公然の事実として流布されていたのではないかなんて気がしてしまう。現実、劇中、劇中劇と3層構造で考えなくてはならず、なおかつ虚構が現実を侵食していくなかなか複雑なタイプの作品、フェラーラ自身が劇中で監督を演じるハーヴェイ・カイテルに投影され、ハーヴェイ・カイテルもまた劇中劇で主演を演じる役者に自らを投影する。リアルを追求するが為に「演技」を超えていく要請してしまう監督、そんな俳優に私生活を侵食されていく監督、確かに酒に酔ったシーンを撮るなら実際泥酔した姿にカメラを向ければこれが撮れる訳だし、ラリっているシーンを撮りたければ実際ラリっているところにカメラを向ければこれが撮れてしまう、それはレイプシーンだって同じ、だがそれは既にフィクションではないしそんな事をするわけにはいかない…が、そもそもドキュメンタリーとフィクションの境目とは?演技ではない真の人間としての姿とは何か…ともう考えるの辞めたくなるでしょ。マドンナはラジー賞常連のイメージしか無いが(全然観たことないけど)、このマドンナはよくこんな役引き受けたなってくらい身体張ってるし、流石におっぱいが超絶綺麗。ちなみに虚構が現実を超越してしまった悪い例(笑)として、『フィッツカラルド』撮影時のヴェルナー・ヘルツォークのインタビューが挿入される。そんなヘルツォークが後年デ・パルマの方の『スネーク・アイズ』で主演を務めたニコラス・ケイジを起用して『バッド・ルーテナント』をリメイクしたのは単なる偶然では無かろう。フェラーラはきっと「映画監督とは何か?」について苦悩していたんだと思う、ってか多分めちゃくちゃ頭良いんだと思う、この作品はちと俺一人の手には負えない…。
Cem
3.0
これは現実?それとも演技?
映画撮影中マドンナがレイプされる!!
崩壊していく夫婦を演じるマドンナとジェームズ・ルッソ。二人は現実でも惹かれあうものを感じていった。やがてその関係は監督をも巻き込み、次第に虚構と現実の区別を失っていく
撮影中は常にピリついた空気でコワイ。男の大袈裟なくらい殺気迫った迫力ある演技は凄いのひとこと

監督と奥さんのパートはイマイチだったかな

『スネーク・アイズ』に似ている作品

ラストムービー

上映日:

1988年10月21日

製作国:

上映時間:

108分
3.6

あらすじ

映画撮影のために南米ペルーの村に赴いたスタントマン、カンザスは、撮影後ドラッグに溺れ、放蕩にふけるうち、映画作りを模した村での奇妙な儀式に巻き込まれる。やがて虚構と現実の境目を飛び越えため…

>>続きを読む

オープニング・ナイト

上映日:

1990年02月

製作国:

上映時間:

144分

ジャンル:

4.0

あらすじ

主演のジーナ・ローランズがベルリン国際映画祭女優賞を受賞したジョン・カサヴェテス監督作品。自身の熱狂的なファンが目の前で事故死したのを目撃してから、心のバランスを崩していく舞台女優の孤独や…

>>続きを読む

ナイツ&ウィークエンズ

上映日:

2024年10月18日

製作国:

上映時間:

79分

ジャンル:

3.5

あらすじ

ニューヨークとシカゴで遠距離恋愛中のマティとジェームズは、数か月ごとにお互いの家へ会いに行くが、2人の心は徐々にすれ違っていく。1年後、別れた2人はそれぞれの道を歩んでいた。ゲームのデザイ…

>>続きを読む

アルタード・ステーツ/未知への挑戦

製作国:

上映時間:

103分

ジャンル:

配給:

  • ワーナー・ブラザース映画
3.6

あらすじ

記憶から意識の頂点へさかのぼることができるという自説を証明するため、生理学者のエディは自らの肉体と精神を実験台にする。強力な幻覚症状を引き起こす薬を使い、実験に没頭するエディは人類の発生時…

>>続きを読む

ゴダールの探偵

上映日:

1986年05月01日

製作国:

上映時間:

105分

ジャンル:

3.5

あらすじ

パリの古いホテルで、中年の男2人が若い女を助手にビデオカメラで窓の外を撮影している。ロビーではパイロットの夫が妻ともめている。部屋でたわむれるボクサーと若い娘たち。そして、ボクシングのプロ…

>>続きを読む

フェイシズ

上映日:

1993年02月

製作国:

上映時間:

129分

ジャンル:

3.8

あらすじ

離婚の危機にあるリチャードとマリア。ある日決定的な諍いを起こし、夫は高級娼婦と、妻はディスコで出会った青年・チェットと、それぞれ一夜を過ごす。翌朝、自殺を図るマリアを助けたチェットは彼女へ…

>>続きを読む