ラストムービーの作品情報・感想・評価

「ラストムービー」に投稿された感想・評価

CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

4.0
【ヒッピーとはビューティフル・ドリーマーだ!】
長らく鑑賞不可の幻の作品とされていたデニス・ホッパーの作品が最近リマスターされたらしい。日本でもそのうち上映されるでしょう。

先日、TSUTAYA渋谷店に行ったらまさかのVHSが出土した。なので一足早く観てみた。話はあってないようなもの。サミュエル・フラーがペルーで西部劇を撮るのを淡々と映す。そして撮影が終わると《THE LAST MOVIE》というタイトルがドンと出る。後は、ペルーに残った役者のサイケデリックな日常(『イージー☆ライダー』のドラッグシーンのよう)がただ描かれるだけだ。

本作はなんなんだろうか?

1969年ウッドストックフェスティバルを頂点に、世界中で起きていたカウンターカルチャー、学生運動が収束する中で社会から隔絶された人々がヒッピーになる様を暗示しているように見える。

祭のような映画撮影。その渦中にいながらも、どこか蚊帳の外に感じていた者が、祭の終わりの仄かな香りを求め虚無を彷徨う。現実に戻れなくなってしまった姿を、ペルーでの映画撮影に置き換えている。

祭に取り残された人々の哀愁ある熱気、まさしく押井守が『ビューティフル・ドリーマー』で描いてみせた景色がここにもあった。

これはアメリカ文化史の観点から非常に重要な作品である。
AS

ASの感想・評価

4.0
葉巻をふかしながら、ビリー・ザ・キッド役の俳優に「男らしく死ね」と演技指導するサミュエル・フラーの貫禄。
映画開始15分程で出現するDennis Hopperのクレジットに鳥肌。後半カオス
I

Iの感想・評価

-
祝祭に飲み込まれていく映画、それを映し出す映画も引きずられるように正気を失っていく。

大勢の群衆と木製カメラの前で人を殺したら確かにラストムービーだろうなと。

前半フラーが撮っていたハチャメチャな西部劇は面白かったんだけど、中盤はLSDキメながら適当に考えたとしか思えないイージーライダーの失敗作みたいな話がダラダラと続き苦痛。
ペルーで撮影する西部劇のスタントマンがクルー達の乱痴気騒ぎに嫌気がさし、自らも酒とドラッグに溺れる様を描いた作品。まさに『イージーライダー』撮影後の当時のデニスホッパーそのもの。

本当に開始26分も経ってタイトルクレジットがバーン!って出てきてたまげた。

地元宗教に狂うように本当の殴り合いや実弾を使って映画撮影の真似事をする住人やアメリカ人女からの侮辱、時折突然挟まる"scene missing"の画面などカオス極まりないが、擦り切れたデニスホッパーが身の上をぶつけた作品であることは間違いなさそう。

ジャケットがそこはかとなくダサくて舐めてかかったらとんでもない作品だったもう一回観たい。
イージーライダー同様、監督デニス・ホッパーの凄さを思い知らされる怪作

映画の映画的側面のあるこの作品だが、冒頭からサミュエル・フラーの仕切る撮影現場の風景が混沌とした様相を呈していてこの時点でヤバさが如実に伝わってくるが、その劇中映画の銃撃戦はワイルドバンチ以上のクオリティがあって普通に西部劇作っても力作になっていたろうにあえてそうしないところにロックを感じ、それでいてデニス・ホッパーの漂わせる孤独な哀愁がしっかり伝わる描写をしている点に監督として俳優として地力が見え、と思いつつ見ていたら20分経ってようやくタイトル出たことにもおったまげ、こいつは凄いと驚嘆した

そこから終盤までは、ペルーという地やそこに住む人間を侵食する文明の毒というテーマを感じさせつつ、猥雑ながら少し大人しめな展開になったもののと相変わらずネジが飛んでる描写の連続に流石だと思っていたら、そこからラスト30分前でまた冒頭のような頭おかしい展開に戻って唖然としたけど、その点にも普通のドラマを撮ろうとしたら結局カオスへと立ち戻る性みたいなものが見えて色んな意味で常軌を逸していた

といった具合に、編集の遊びを要所要所で取り入れていたこともありゴダールやフェリーニ、グラウベル・ローシャばりの滅茶苦茶さがある訳わかんない作品で実に素晴らしかったのだけど、特に気に入ったのは映画の真似事をして暴徒と化す住民の一連のシーンで、カメラがないから結局過激だけど無意味なごっこ遊びにしかなっていないのにそれを外側からちゃんと撮っているため実際映画になっている点にメタ的な意味が感じ取れて、作品に深遠さが生まれていたように思えた

しかしデニス・ホッパーの監督作品はイージーライダーを除いて不当な低評価を下されたものばかりで、彼の生み出す暴力的作品の数々は今こそ正当に評価されるべきだ
なにこのかっこいいラスト!
こんなに美しくて破壊的な映画を撮っちゃうホッパー。バーから抜け出して少し泣くホッパーと一緒に泣いてしまう。10代のころからずっと大好きだけど、まだまだ好きだなーデニスホッパー。
ユミコ

ユミコの感想・評価

4.8
大好き。
賛否ありますが私は勿論、賛成派です!!
初見は数年前になりますが苦労して探し出しやっと観ることが出来たんです。
同じくデニス・ホッパーが監督の前作「イージー★ライダー」は絶賛されましたし実際 素晴らしい作品だったから次の作品も!って期待されていたのでしょうがこちらは酷評だったようです‥‥ 何故?!
デニス特有の前衛的芸術の嗜好?‥‥ が前面に出すぎておりストーリーも有るのか無いのかハッキリしないような内容でドラッグ漬け感満載の作品になってしまったのが原因か(イージー★ライダーでもそんな節は有りましたが‥ )。
でもイージー★ライダーのビリー役のデニスよりかなりスマートでテンガロンハットが似合いすぎていて私にとってとても嬉しい作品でした。デニスにとってはイージー★ライダー以上に自信作だったようでした。
出演者のミシェル・フィリップスは60年代に活躍したママス&パパスのメンバーで、この映画でデニスと出逢い結婚した2番目の妻だった女性ですが わずか8日間?で離婚の運びとなった曰く付き。笑

ちょっと言わせてください↓
デニス好きです大好き! デニスになら殺されてもイイ! (但し苦しくない方法でね)デニス最強! 1番イケメン! デニス全部好き!!!
(‥‥‥大変失礼しました)

特に監督としての意欲満々だったデニスが監督&主演をなさった、デニス・ホッパーを語る上では欠かせない大切な作品です。
この全ての彼から醸し出された感性は驚嘆に値します。私の嗜好とピッタリ一致!!
最後の映画にする為に、映画を破壊する為に、デニス・ホッパーが毎日膨大な撮影フィルムをアルコール、マリファナ、LSDをキメながら編集した映画が『ラストムービー』だ。断絶、天国の門、アギーレなどと共に語られるべき大傑作。
のどかな風景がたまに映るんだけど、どこかドラッギーに見える。
とんでもない傑作! 
スタントマンのホッパーがペルーの田舎の村で撮影された西部劇に参加。映画クルーが去ったあと、映画の撮影な影響を受けた村人が暴徒化する(笑)
グラウベル・ローシャのようなロケ地に、神代辰巳のような編集が炸裂!

映画内映画である西部劇の銃撃戦が洒落にならんくらい凄い。(因みに映画内映画の監督はサミュエル・フラー!!)
滝のとこでヤってると子供の行列が通過したり、ラストの「金をどうやって見分けるんだ」の掛け合いだったり結構笑えるシーンが多かった。
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