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英国式庭園殺人事件
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目次

『英国式庭園殺人事件』に投稿された感想・評価

KUBO

KUBOの感想・評価

3.8
3月2日よりシアター・イメージフォーラム他で開催予定の名匠「ピーター・グリーナウェイ レトロスペクティヴ 美を患った魔術師」の特集で上映される『英国式庭園殺人事件』をご紹介。

17世紀末、英国南部ウィルトシャーの貴族の屋敷が舞台。

屋敷の主人が2週間家を空ける間に、12枚の「屋敷」の絵を描いてほしいと頼まれた若き画家。その契約には、絵を描く以外に「マダムに悦びを与えること」という条件が付けられていた。

屋敷に住まう貴族たちのゴシップばかりのくだらないおしゃべりが、顔のアップを多用した早い台詞回しで続く。

夫との間に性生活のない欲求不満のマダム。

無邪気さと高慢さの二面性を持つ若き天才画家。

「財力」「愛欲」だけにしか関心のないこの屋敷の中で、2人は情事を重ねていく。

そんなとき、留守にしていた主人が死体となって発見された!

蝋燭の灯での陰影、美しい緑の庭園、霧に霞む庭園。ともかく「絵」が絵画的。

原色やシンメトリックを多用したビジュアル。

交互に挟み込まれる「スケッチ」と「庭園」と「会話劇」。

画家の描いた12枚の絵には、事件に繋がる謎が隠されていた! そして13枚目の絵が…

タイトルには「〜殺人事件」とあるが、名探偵が事件を解決するような映画ではない。

だが、誰が、誰を、いつから騙していたのか? 事件の謎解きの背景には絵画やギリシャ神話も絡み、見た目以上に重厚なミステリーだ。

1982年、ピーター・グリーナウェイ、初の長編作品である『英国式庭園殺人事件』は3月2日以降、4Kリマスター版にて上映予定です。

*ときおり出てくる全身ブロンズ色に塗りたくった全裸男だけが、全くの謎。
ワンコ

ワンコの感想・評価

5.0
【ちょっとした解説を試みたいと思います】

「英国式庭園殺人事件」とは、かなり不穏な邦題タイトルを考えたものだなと思ったりするのだけれども、実は、努力の跡も伺えるように感じる。
それは、後で…。

オリジナルは「The Draughtsman’s Contract(ドラフトマンの契約)」で、実はなかなか凝ってるタイトルだと思うし、本当はこのまま使っても良いんじゃないかと考えたりするのは、余計なお世話だろうか。

“ドラフト(draught、或いは、draft)”だけだったら、下書きとかデッサンと云う意味で良いと思うし、”ドラフトマン”になったら、チェックボードゲームのコマという意味があるからだ。

(以下ネタバレ)

確かに、ネヴィルはデッサン画家なのだけれども、ハメられたことを考えるとゲームのコマだったことも明らかだ。

さて、この作品は、こうしたタイトルだけではなく、歴史や歴史認識に対する皮肉も多分に含んでいる。

そもそも17世紀終盤であることが序盤から示されるが、作中の会話の中にオレンジ公の名前や、カトリックへの改宗云々の話題、複数の地主に配慮するような発言があったことからも想像できる通り、これはイギリスの「名誉革命」を間接的に皮肉ってみせているのだ。

日本では名誉革命と訳されることが多いけれども、あちらではグローリアス革命と呼ばれて、無血革命という別名もある。

貴族が落ちぶれて、地主が力を持ち始めた頃とされるが、重要なイベントとしては、イングランド国王ジェームズ2世が娘のメアリー2世に追放され、メアリー2世の夫である”オレンジ公”ウィリアム3世が新たにイングランド国王になったのだ。

カトリック改宗の動きがあったことへの反感や反動、プロテスタントの国オランダによるイギリス政治への介入など背景にあるのだが、「権利の章典」によって国王が政治に介入しないイギリスの議会制度、つまり、立憲君主制、更に、カトリック勢力の影響を排除したイギリス国教会が確立されたことが大きな特徴だ。

何となく、映画のストーリーと照らし合わせてもなるほどと思ってもらえるように思う。

で、グローリアス(イギリス風のアクセントで鼻に抜けるように発音して欲しい笑)革命とか無血革命だとか呼んでいるけれども、裏では権謀術数、暗殺なども行われていて、そんな素晴らしいものじゃないっしょ…ってことなのだ。

方眼のスコープを利用した緻密なデッサンや、オリジナル・タイトルにあるコントラクト(契約)は、実は綿密に謀略が練られていたと云うような意味にも思えるし、華やかそうに見える貴族のあれやこれやも、綺麗なお庭も、流れる音楽も本当はうわべだけで、裏ではとても清廉とは考えられないことが行われていたと、逆説的対比でもあるように思う。

そして、通常ではそこに置かれていないものを描き、違和感をデッサンとして記録していたネヴィルを亡き者にしても、あの屋根から降りてきたり、壁に寄りかかる像や馬に跨る像になりすましていた謎の男を見れば、隠そうとしても隠しきれない汚れた行為が革命の裏であったことは多くの人は知っているのだと示唆しているように思えなくはない。

さて、こうしたことを全て考慮して、これが「英国式」というのであれば、邦題タイトルもなかなか考えたなということになると思う。

イギリス人は怒るかもしれないけどね。
neroli

neroliの感想・評価

4.0
◼️アート×音楽な映画〜🎬◼️
 
 
「死ぬまでに観たい映画1001本」の中に、『英国式庭園殺人事件』という映画が入っていたな〜ぐらいの感覚で知っていました〜
 
何も知らずに見に行きましたが、こんなアート×音楽の映画とは知らず、結構好きなタイプでした〜✨
 
 
建物や庭園、衣裳が美しい〜✨
 
『哀れなるものたち』(2023)のヨルゴス・ランティモス監督は、『女王陛下のお気に入り』(2018)を制作する際、本作の衣装を参考にしたらしい〜

白黒対比の衣装もいいですね〜
 
 
ピーター・グリーナウェイ監督は、画家出身であり、構図も素晴らしいですね〜
 
 
マイケル・ナイマン氏の音楽も耳に残ります♪
 
 
ストーリーは…
こんな感じなのかな〜ぐらいのアバウトな捉え方でいいのかな〜
 
とりあえず、アートを楽しむ方が先って映画なのでしょうね〜
 
 
本作だけ見に行く予定でしたが、同監督の『ZOO』にも興味が湧き、近いうちに見に行こうと思っています〜
 
 

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