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麦の穂をゆらす風
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目次

『麦の穂をゆらす風』に投稿された感想・評価

【名作を観ようシリーズNo.96】

《愛するものを奪われる悲劇を、なぜ人は繰り返すのだろう。》

”わたしはダニエル・ブレイク〟”家族を想うとき〟のイギリスの巨匠ケン・ローチの最高傑作‼︎

この作品を初めて観たのは約5年前…
魂を揺さぶる映画とよくいうけど、この作品こそふさわしい表現だ‼︎
魂を揺さぶられすぎて、しばらくは余韻から抜け出せなかった。
この作品を購入せずしてどうするという気持ちになり…。
ソフト所有で再鑑賞作品。

日本人には馴染みが薄いアイルランド独立戦争〜内戦を舞台にしている。イギリスとの独立戦争で団結していた同胞が内戦となり、家族・友人が敵味方に分かれて殺し合う不条理を描いた物語。

人間の本質を描く天才・ケン・ローチのリアリズムな演出に、アイルランド出身のキリアン・マーフィーの入魂の演技が溶け込み、切なくもパワフルな作品となっている。

平常心ではいられないクライマックス、そしてラストに心が打ちのめされる…

建国以来、モンゴルやロシアの脅威にさらされながらも、第二次世界大戦まで他国に統治されることなく独立を維持してきた日本。今の平和を謳歌する私たち日本人からすると独立国家日本は当たり前のように思える。
が、しかし世界基準からすると当たり前ではない。

真剣に民族のこと、国のことを憂い、イデオロギーの対立で兄弟、友人が殺し合う悲劇。
日本でも明治維新〜西南戦争がそうだったように…。
ひとつの民族が独立し、国家として繁栄していくための対価はとてつもなく大きい。
そんなことを、この作品は教えてくれます。
kuu
4.0
『麦の穂をゆらす風』 
原題The Wind That Shakes The Barley
製作年2006年。上映時間126分。 
英国、愛蘭土(アイルランド)、独国、伊太利亜、西班牙(スペイン)合作。
1920年代の愛蘭土(アイルランド)紛争を描いた悲劇映画。

小生は、娯楽としての米国映画を好んで観る。
その娯楽を度外視した多くの欧州映画の真摯に取り組む作品はあまり観てこなかった。
難解なのが多いからなのかもしれない。
この作品は欧州の品格を感じる映画やった。
以前、小生はこの作品の時代に興味を持ち書物を漁った時期がある。
浅はかな知恵で烏滸がましいが、1920年当時の愛蘭土の時代考証が今作品は比較的出来とると思う。
愛蘭土の美しき田園風景、
貧しき中にも気高さが溢れる気概。
それらをシャープに美しく描かれていた。
だだ、小生が映画界に無知故にやろうけど、主要な位置に起用されている俳優に馴染みがなかった。
まぁ、それ故に固定観念なく闘う愛蘭土人の不断の努力が却って現実味を増して観れたんやと思うが。
ごくごくフツーの家庭と仲間たちが、反英武力闘争の運命に立ち向かっていく、なんとも云えん勇気の記録を素直な心で観た。
祖国や同志への愛、
友情と使命。
その一方で
家族や恋人への愛。
そして、
その葛藤が繊細に描かれていた。
監督が描きたかったんは民族の独立や自由の尊さやと見てとれたし、それを得るためには己の命をも厭わない犠牲心は、将に、人間の勇気とその美しさへの賛歌や。
加えて、大義での組織防衛の為なら心を鬼することに苦悩する姿を描いてるのは胸が締め付けられた。

この映画の背景は、700年をも英国の支配下にあった愛蘭土の1918年。
その年の総選挙で、シン・フェイン党が勝利した。
1919年に愛蘭土独立戦争が起き、
1921年、英国と愛蘭土は条約を結ぶ。
南部二十六州は英国国王を国家元首に戴く愛蘭土自由国として一応の独立する。
こんな時期の物語。
英国の実にずる賢い自治権授与は、実は愛蘭土内部での紛争のトリガーとなって、同じ民族同志の殺し合いを行わせしめたのは、ホンマなんちゅう運命の皮肉なんやろか。
日本は明治維新より、欧米の帝国主義支配を経験することなく独立でけた。
せやし、愛蘭土人の英国への闘いみたいな経験はないし、身についてない。
もし今後、 かかる事態に陥ったとき、仮に侵略支配されたら日本は、日本人はどうするんやろ。
どうなるんやろ。
平和念仏を唱えて平和が来ると信じる日本人。
果たして断固命がけでテロールも辞せず侵略者を粉砕する強い意思がある人は何人いるんかな。
広島、長崎の原爆投下や東京大空襲て云うジェノサイドはもう遠いむかしのように薄れていってる。。。
日本はえらい方向に行ってもた。
兎に角、そないな物騒な有事を憂う小生には今作品の学ぶところは多々ありました。

最後に映画タイトルの
”The Wind That Shakes the Barley”は、アイルランドの詩人Robert Dwyer Joyce (ロバート・ドワイヤー・ジョイス)の1798年のアイルランド反乱に身を投じた不運な若者を歌った作品から取ったもので抜粋したものを長くなりますが載せときます。
もし良ければどうぞ。

THE WIND THAT SHAKES THE BARLEY / 麦の穂をゆらす風
Robert Dwyer Joyce

I sat within a valley green

I sat me with my true love

My sad heart strove the two between

The old love and the new love

The old for her, the new

That made me think on Ireland dearly

When soft the wind blew down the glen

And it shook the golden barley

'Twas hard the woeful words to frame

'Twas worse the tie that bound us

But harder still to bear the shame

Of foreign chains around us

And so I said, "The mountain glen

I'll seek it morning early

And join the bold United Men

While soft wind shakes the barley"

While sad I kissed away her tears

My fond arms around her flinging

The foeman's shot burst on our ears

From out the wild wood ringing

The bullet pierced my true love's side

In life's young spring so early

And on my breast in blood she died

While soft wind shakes the barley

Then blood for blood without remorse

I've taken to Oulart Hollow

I laid my true love's clay cold corpse

Where I full soon will follow

And 'round her grave I wander here

Now night and morning early

With a breaking heart whene'er I hear

The wind that shakes the barley


緑の谷の奥深く

私は、愛する人と座っていた

私の哀しい心は苦悩した

古い愛と新しい愛のはざ間で

古い愛は彼女のために、そして新しい愛

それは自己をアイルランドに捧げるよう想わせる

そよ吹く風が幽谷を吹き抜けるとき

金色の大麦を、風は揺らす

いたましい言葉を発するのはつらかった

ふたりを絆で拘束するのは一層つらい

しかしさらにつらいのは不名誉に耐えつづけることだ

外国に巻かれた鎖の足かせという不名誉

それで私は言った、「渓谷よ」

朝早くに探しに行こう

探し出して『統一アイルランド連盟』に加わるのだ

そよ吹く風が大麦畑を揺らす間に

悲しくも、彼女の涙をキスでぬぐい

動く彼女を私のやさしい腕が抱き締めている時

敵の銃声が私たちの耳元に炸裂した

野生の森を起点に鳴り響く

弾丸は愛しいひとのわき腹を貫通した

そのあまりに早い青春のさ中

私の胸の中で血にまみれ彼女は死に絶えた

そよ吹く風は、その間も大麦を揺らしている

血を血で酬いて後悔せぬとき

オウラート・ホロウに近しいものを感じた

つめたい、神聖なる最愛のひとの死体を私は横たえた

私も、すぐにあとにつづくだろう

そう思い彼女の墓の周りをまわる

夜となく朝となく

心は痛み常に聞こえる

風の、大麦を揺らす音が
Kota
2.8
“この戦いにそんな価値はあるのか。”

1920年代のアイルランド独立戦争下でのある兄弟の絆と決別を描く。ケン・ローチ監督×キリアン・マーフィーということで期待していたけど、彼の“あまりにもリアル“という特徴がこと戦争映画だと生々しすぎてひたすらに辛くて自分には合わなかった。ラスト辛すぎ。これが2006年パルムドール賞を取っているのか…おそるべしケン・ローチ。

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