麦の穂をゆらす風の作品情報・感想・評価・動画配信

「麦の穂をゆらす風」に投稿された感想・評価

アメリカ移民したアイルランド系の人たちへの興味からこの映画の事を知り鑑賞しました。カンヌ映画祭でパルムドールを受賞したことさえ知りませんでしたが、アイルランドにはこのような歴史があったのだという事を知りました。
サッカーのワールドカップでアイルランド代表が不屈な闘志を見せてくれた記憶を思い起こさせたのは、こんな歴史が彼の国にはあったのだと知ったからでもありました。
それにしてもアイルランド人に対して酷い態度を取る英国兵士の場面がいくつか出てきますが、この映画の監督が英国人であるという事にちょっと驚きを感じました。
暗い過去の歴史の映画ですが、一方緑豊かな国でもある事が映像を通して知る事ができ、少しの慰めにはなりました。
midora

midoraの感想・評価

5.0
ここのところキリアン・マーフィーにはまりまくっているということもあり、本日は2006年カンヌを制した、アイルランド独立戦争から内戦に至るまでを描いたこの作品を。

すごく特徴的だと感じたのが、やはりケン・ローチの撮り方。
まるでその場にいた人が、記録のために手持ちのカメラを回して撮っていたかのようなタッチ。ほとんど演出していないかのような俳優たちの自然な演技。
アイルランドの歴史的背景を大局的に描き出すというよりも、登場人物たちの出身地である田舎町を中心に据え、人間関係や心情の動きをとことん見つめていく。
だからでしょうか、どこにでもいる市民が、憤怒に駆られて戦闘に身を投じ、結局は取り返しのつかないところにまで至ってしまう姿、歴史の流れに翻弄される人間の姿が、残酷なまでに生々しく映し出されていたように感じました。

IRAと言えば、幼少の頃にはよくニュースや新聞にその名が踊り、いっときは世界で最も恐ろしい凶悪なテロリストだったという印象があっただけで、深い知識など何も持たずにこの映画を観始めましたが、軍服を着るでもなく普段着のハンチング帽に着古したジャケットを羽織った姿に、まず大きな衝撃を受けました。
戦闘に怯え、叫び声には耳を塞ぐ。当初はそんな普通の人たちの組織だったんですね…
祖国のため、彼らは銃を手にして人を殺め、周囲を巻き込み、やがては仲間さえも失っていく。
キリアンが主演した別の映画を観た時も思ったことですが、映画を通してそういう歴史を知るだけの自分には、何が正しい選択なのか、正義とは何なのかということが、いくら考えてもわかりません。
しかしこういったことは、遠い歴史の向こう側の出来事ではなく、今も世界の中で起こり続けています。
答えは出なくても考え続けなくてはいけないんだということを、この作品によってまた突きつけられたような気がします。
ねぎお

ねぎおの感想・評価

4.5
先日「マイケル・コリンズ」観てアイルランド独立戦争からの内戦を知り、そしてケンローチのパルムドール作品。
****
比べちゃいけないと思いつつ・・ケンローチは身体中が痛くなる。

「ダニエルブレイク」で国賊呼ばわりされたんでしょ。是枝さん「万引き家族」と同じだねって二人笑ってましたけど、今作でもケンローチは英国メディアに概ね好評だけど責められた。

英国軍が残虐に過ぎて、さらにテロ勢力IRAをロマンティックに描いた・・それが理由。

おいおい!それじゃ世界中に転がってるナチス映画はどうなんだ?

お前らの銃撃は正しくてナチスは皆悪魔か!?

一部ユダヤの意図的な製作は別として、ほぼ全ての映画製作者は「二度と戦争を起こしてはいけない。他民族、他国民への不当な侵略は止めよう」と思っているのは明白。
何かを伝える際、悪を表現する必要があるから仕方ないですよね。
それをね、メディアがあれこれそこ言うのって表現の自由の侵害じゃないの?
あっ、それより読解力なさ過ぎ。

そうそう、これ、イギリスのメディアじゃなくて、途中から日本の国会議員やメディアに向けて言ってますので。

世界中どこでも誰でも同じ。
何物かを攻撃したことあるでしょ、みんな。いまだに歴史を修正して自分たちの悪の諸行を隠そうなんてガキ以下。

みんなでケンローチ観て、おおいに反省し、現実を受け入れて、人間は残虐なんだと認識してから仲良くしましょう。

お互いに許し合って。

そーんな気持ちになる映画でした。

****

ネタバレも何も、映画のことほぼ触れていない!笑
すみません。
ばにら

ばにらの感想・評価

3.5
ケンローチ監督。
ドラマ。
アイルランド独立紛争。
アイルランド田舎町コークに暮らすダミアンとテッド兄弟の物語。
アイルランドはイギリスから厳しい弾圧を受けていた。
兄テッドはアイルランド独立を求めるIRAに身を投じイギリス軍と戦う。
優秀な弟ダミアンは医師でもあったが、兄のもとでゲリラ戦へ参加することを決意する。
これは辛いなあ。
リアルな厳しい描写が多く、悲劇的に物語が進みます。
何が良くて、何が悪いのか。
アイルランド側での描き方ですが、停戦から平和とはならなかった。
イギリスの支配下となるアイルランド、条約に内紛が起こりさらなる悲しみに。
兄弟のその後が映画としての結末となる。
ラストは言葉にならず。
ケンローチ監督作となると、悲劇的な連鎖がベースなのはわかってるけども、どこか希望を探しながら見てしまいます。
20200310
初ケン・ローチ作品です。どうして人は過ちを繰り返してしまうのでしょう。
Yuria

Yuriaの感想・評価

-
決別する兄弟とか友達の話ってほんま悲しい。
悲しいと言うか痛くて見てられんくなる。
BASAMI

BASAMIの感想・評価

4.0
ただただ重くてせつない兄弟の運命
ドラマティックではなく現実をつきつけられる
キリアンマーフィーの幅広い演技力に感銘を受けました
so

soの感想・評価

3.0
アイルランド独立戦争と内戦を描いた映画。
自由を得るために、愛する人を守るために、
敵を倒すしかないという血生臭い思想。
ケン・ローチが観客に見せようとする現実はいつもこの上なく残酷だ。
2006/11/25

お恥ずかしい話、U2が好きな割にはアイルランドとイギリスの違いとかあまり考えた事がなかった。この映画を見ることで初めてアイルランドの悲しい歴史を知りました。
CMとかでおすぎが凄い事言ってて、「泣きの映画」と期待(?)してしまう人が多いかもしれないけど、そういう売り方は私的にはあまり同意しない。正直私は泣きはしなかったし。ただケン・ローチ作品は以前に「スイート・シックスティーン」を見た事があるのだけど、なんか、こう、いつも心臓がえぐられる深い悲しみに襲われる。。。「泣く」とかじゃないのよね~・・・。
主演のキリアン・マーフィ、彼の出演作は結構見てるのだけど(「28日後」「コールドマウンテン」「バットマン・リターンズ」など)正直生理的に好きな顔ではなく(苦笑)、ただ、ラストの兄とのシーンで、彼の吸い込まれるよなブルーの目がとても印象的だった。

このレビューはネタバレを含みます

 アイルランドの抵抗組織のテディ(ポードリック・ディレーニ―)がイギリス軍の拷問を受ける所は本当に酷かった。

 しかし、そのイギリス軍が撤退したにも関わらず、アイルランドでの内戦になり、主人公のダミアン(キリアン・マーフィ)と兄のテディが敵と味方に分かれて戦うことになる。最後の銃殺も悲しい。お互いどうしてここまでしなければならないのか?。何のために戦うのか、を突き付けて来るが、何だか虚しくなる。

 一方で、アイルランドの青年たちが、侵攻してきたイギリス軍を殺す所はあっさり描かれ、痛みは何も感じていないようで、ここがこの映画の限界かと思われた。

 どちらかというと、「わたしは、ダニエル・ブレイク」の方が好きかな(2020.5.16)。
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