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バッドランズ/地獄の逃避行の作品紹介

バッドランズ/地獄の逃避行のあらすじ

1959 年、サウスダコタ州の小さな町。15 才のホリー(シシー・スペイセク)は、学校ではあまり目立たないが、バトントワリングが得意な女の子。ある日、ゴミ収集作業員の青年キット(マーティン・シーン)と出会い恋に落ちるが、交際を許さないホリーの父(ウォーレン・オーツ)をキットが射殺した日から、ふたりの逃避行が始まった。ある時はツリーハウスで気ままに暮らし、またある時は大邸宅に押し入り、魔法の杖のように銃を振るっては次々と人を殺していくキットの姿を、ホリーはただ見つめていた──。

バッドランズ/地獄の逃避行の監督

テレンス・マリック

原題
BADLANDS
公式サイト
https://badlands2025.com/
製作年
1973年
製作国
アメリカ
上映時間
94分
ジャンル
ドラマ
配給会社
コピアポア・フィルム

『バッドランズ/地獄の逃避行』に投稿された感想・評価

ぶみ
3.0
夢の終わりが、はじまる。

テレンス・マリック監督、脚本、マーティン・シーン、シシー・スペイセク主演による実話をベースとしたドラマ。
交際相手の父親を撃ち殺した主人公の逃避行を描く。
主人公となる青年キットをシーン、彼とともに過ごすこととなるホリーをスペイセクが演じているほか、ホリーの父親としてウォーレン・オーツが登場。
物語は、ゴミ収集作業員であるキットが、街中のゴミを集めるシーンでスタートするのだが、そのゴミ収集車がボンネット型トラックであったり、はたまた市街地の道路が未舗装であったりと1959年当時のサウスダコタ州の雰囲気がムンムン。
以降、交際を始めたホリーとキットなのだが、交際に反対するホリーの父親をキットが射殺してしまったことをキッカケに二人の逃避行をホリーの回想という形でナレーションが入りつつ展開。
何より、ゴミ収集の仕事をクビになるも悲壮感はなく、逃避行中においても何の躊躇いもなく人を殺し、何事もなかったかのように過ごすキットを、劇中でもジェームズ・ディーンのようだと語られるほどイケメンなシーンが好演しており、その何が悪いのか、今が楽しけりゃ良いじゃないか、的な立ち振る舞いは、現代において特殊詐欺に簡単に手を染める若者たちを見ているかのよう。
そもそも、本作品は公式サイトによれば1950年代末のアメリカで殺人を重ねながら逃避行を続けたチャールズ・スタークウェザーと、その恋人キャリル・アン・フューゲートをベースとしたマリック監督のデビュー作であり、かつ70年代当時、日本ではスクリーンでの公開が見送られ、地上波の深夜枠で『地獄の逃避行』なる邦題で放映された程度であるのに加え、米国国立フィルム登録簿へ保存されるなどしてアメリカ映画史上の最重要作の一本とされている伝説の作品であるため、その視点で観るのも面白い仕上がりとなっている。
また、とある街中だか駅のコンコースだかのシーンで、電話ボックスのようなブースに入り、お金を入れてマイクに向かって喋ると、その声が録音されたレコードが出来上がるという光景があり、当時そんなサービスがあったのかと驚いた次第。
クルマ好きの視点からすると、キットの愛車が、流麗なフォルムが美しい漆黒のマーキュリー・クーペであったことに加え、逃避行中の途中に富豪の家庭から奪ったのが、テールフィンが懐かしいキャデラックのシリーズ62であり、そんなキャデラックがフカフカかつリジッドアクスルのサスペンションにより、派手にテールスライドさせながら荒野を駆けていくカーチェイスは迫力満点で見逃せないポイント。
二人の逃避行が、荒涼としたアメリカ中西部の自然を舞台として閉塞感漂う社会とは隔絶されたユートピアかのような美しさで描かれており、シーンの転換でかかる劇伴が、チープなドラマか学芸会のそれのようであったのが、御伽噺感に拍車をかけていたなと思うとともに、伝説となる位置付けまでだったかどうかはよくわからないものの、ロードムービーとして普通に楽しめる仕上がりであり、突然銃声が鳴り響く大地はバッドランズでしかない一作。

長い孤独より、愛する人との1週間を選んだ。
テレンス・マリックの監督デビュー作。

15歳の少女ホリー (スペイセク)との交際を禁じられた25歳のキット (シーン)は、彼女の父親を殺害し、ふたりは逃避の旅に出る。
1958年にネブラスカ州で実際に起こった「スタークウェザー=フューゲート事件」を基に、ジェームズ・ディーンに憧れる若者と純真無垢な少女の逃避行を描いたロード・ムービーだ。
調べによると、当時19歳のチャールズ・スタークウェザーは14歳のキャリル・フュゲート(本作においてのキットとホリーである)と共に、僅か2か月の逃避行の間に11人を殺害したという。
またその撮影手法は、後の『セブン』やタランティーノ監督作品などに、物語は『ナチュラル・ボーン・キラーズ』や『トゥルー・ロマンス』など、数多くの作品に影響を与えた。

美しい風景とは相反し、破滅へと向かう若い男女は、さながらボニー&クライドのようだ。
しかし、個人的には名作『俺たちに明日はない』を超えることはなく、ジミーに憧れる主人公を演じたシーンの芝居が皮肉にもマイナス要素に思えてならなかった。

逃亡から12日目、ふたりは警察に包囲されるとキャリルは車から飛び出し、スタークウェザーに罪の全てを擦り付ける。
わずか14歳とはいえ、自分の父親を殺した男を好きになり、一緒に旅をすること自体が狂気であり、仮に人を殺めずとも決して無罪とは云い難く、その変わり身の早さには恐怖すら感じた。
彼女は終身刑を宣告されるが、76年に仮釈放され、今も無罪を訴え続けている。

22 2022
3.6
空虚な劇場型犯罪が映す、空虚なアメリカ

バッドランズ(Badlands)のタイトルには複数の意味があり、一つは、映画が描く1950年代のアメリカ中西部の荒れ地、荒野。もう一つは、主人公の二人を指す”悪い奴ら”の意味。

本作は1958年にアメリカで実際に起きた、若い男女による連続殺人&逃避行事件をモチーフに、詩的で哲学的な映画を撮るテレンス・マリック監督が長編デビュー作として撮った1973年の映画。

元々哲学者で公の場にほとんど登場せず、特に人気の初期作は作品数が少ないこともあってカルト的な人気を持つ監督作ですが、配信で見れないこともあり、今回、休日に遠征して見てきました。



『若い男女の犯罪者による逃避行』 といえば、1930年代に発生したボニー&クライド事件が有名。

世界恐慌後の貧困下で行き場を失い、銀行や警察など、権力の象徴に果敢に立ち向かった若い男女二人が『悲劇のヒーロー』として英雄的に扱われたのに対し、本作の元になった1950年代のチャールズ・スタークウェザー事件はまさに逆。

第二次大戦を勝利し、車や家電など、豊かな消費社会に移行しつつあった当時のアメリカで、女性の家族や農場主、豊かな老夫婦などを一方的に殺害したこの事件は快楽殺人的なサイコパス・シリアルキラーによる殺人事件として、非難が集中することに。

そんな中、テレンス・マリックが、弱者のヒーローをモチーフに選ばず、無目的で空虚な連続殺人事件を選んだところに、本作の重要な意味があるような気がします。

本作で描かれる若いカップルには、同情する事はできません。
ただ、繁栄を謳歌しつつも、米ソ冷戦は高まり、戦場から帰国した父親による家父長制の重苦しさの中で、行き場を失った若者の叫びのようなものは、はっきりと映し出されていたように思います。

特に意味もなく発砲し、背中からでも平気で撃つ。犯行後はわざわざ有料のレコード録音機に自己アピールとも取れる主張を録音するなど、明らかな劇場型犯罪を繰り返す二人。

100発以上の弾丸を受けて死んだボニー&クライドとは違い、あっさりと警官に身を委ね、むしろ、まるで自分がジェームス・ディーンになったかのように生き生きと振る舞うキット(マーチン・シーン)の輝く眼は、冒頭、ゴミ回収をしていたときの死んだような目つきとは対照的で、不気味でした。

史実でも、スタークウェザー(男性側)の電気椅子にかけられた最期の言葉は『おい、このベルト、緩すぎるんじゃないか?』 だったそうで、反省の色もなく、最期までスター気取りだったそう。

昨今の『京王線ジョーカー事件』のような、SNSと魔合体した劇場型無差別犯行を見ていると、こんな時代が来ることを1970年代から予見していたかのような、哲学者テレンス・マリックの鋭い視点を感じます。



ボニー&クライド事件は、その後「テルマ&ルイーズ」や「トゥルー・ロマンス」のような、悲劇のヒーロー像としての流れを作り、
(最近でも、「KIDDO キドー」で『わたしたちはボニー&クライドよ!』なんてセリフもありました)

本作「バッドランズ/地獄の逃避行」は、「ノーカントリー」や、「ナチュラル・ボーン・キラーズ」のような、不条理で空虚な世界観の流れを作っていったのかなと思います。

そして、忘れてならないのは、自然光を利用した、美しいアメリカの荒野の世界。
これも多くのロードムービーに語り継がれていますが、荒涼とした空虚な、しかし美しい自然の描写は、「ノマドランド」を思い起こさせるものでした。

カタルシスを求めるとしんどい作品かと思いますが、映画史としても、とても大切な作品だったのではないかと思います。

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