似太郎

ゴーン・ベイビー・ゴーンの似太郎のレビュー・感想・評価

ゴーン・ベイビー・ゴーン(2007年製作の映画)
4.0
【叙情派サスペンス】

のちに『アルゴ』でアカデミー賞を獲得する映画作家=ベン・アフレックのデビュー作。原作は『ミスティック・リバー』や『シャッター・アイランド』など闇のノワールを得意とする作家デニス・ルヘイン。

これはルヘインの原作小説『愛しき者はすべて去りゆく』(ハヤカワ書房から出版)を予め読んでから鑑賞した。私立探偵パトリック&アンジーのコンビが難事件を解決していく複雑怪奇な探偵小説で、凝りに凝った設定+人間関係などが丹念に描出されている。

最終的にチョイ悪な私立探偵である主人公を弟のケイシー・アフレックに演じさせたのは明断だったと言える。ベンアフ本人が演じなくて良かった。かなりクリント・イーストウッドを意識した重厚且つ味わい深い画面造形で、ボストンに生きる人々の喜怒哀楽が淡々と純文学風に描かれるヒューマンなサスペンスとなっている。

ベン・アフレックは役者としては中途半端なスタンスでたまにイライラするオリラジ中田みたいな俳優だと思っていたが、監督としてはこれとか『AIRエア』とか割と職人気質でコンスタントに良作を撮ってくれたら良いと思う。
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    何思ふ事もなく…。(T ^ T)横浜市在住の30代男性。作り手の情熱と独自性が発揮された映画が好きです。 故・林由美香さん、廣木隆一監督、松江哲明監督とは直に麻生区のバーで会ってお話した経験があり…

    何思ふ事もなく…。(T ^ T)横浜市在住の30代男性。作り手の情熱と独自性が発揮された映画が好きです。 故・林由美香さん、廣木隆一監督、松江哲明監督とは直に麻生区のバーで会ってお話した経験があります。 子供の頃は洋画の方が好きだったけど、歳を取ると古い日本映画に愛着が湧くのが不思議だよね。(笑) たまに日本語がおかしいレビューも書きますが、マイ・わがまま!お許しを。(*_*) 2021.3.13〜

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