『アリゾナ・ドリーム』
原題 Arizona Dream
製作年 1992年上映時間 140分ジョニー・デップ主演による人間ドラマ。
ベルリン映画祭銀熊賞受賞作品。
監督はエミール・クストリッツァ。
フー・ファイターズの曲"Enough Space"のインスピレーションを受け今作品は構想を練られた。

アクセルは、叔父の結婚式の為にアリゾナへやって来た。
そこで彼は、夫を射殺した過去を持つ未亡人の家に住み込み、自殺願望癖の娘と恋に落ちる。
そして、それぞれの夢を抱いた人々は、自ら破滅の道を辿り始めるが。。。

エミール・クストリッツァ監督の『アンダーグラウンド』(1995年)のような濃密で壮大なスケールの作品から、今作品のようなおとぎ話のような悲劇的ロマンスに移行するのは善き意味で奇妙かな。
さらにこれまた善き意味で奇妙なのは、ジョニー・デップ、ジェリー・ルイス、フェイ・ダナウェイ、リリ・テイラー、ヴィンセント・ギャロというキャスト。
今作品では、登場人物が夢を語ったり、映画がシームレスに夢をスクリーンに映し出したり、『夢』ていう言葉が少なくとも十数回は出てくる。
そして適切なんは、雪の荒野でエスキモーが両目が同じ側にある奇妙な魚を捕まえるちゅう、10分間の夢のシークエンスから始まること。
（夢のシークエンスだとわかるのは、その後に語られるから）。
そこからは、ニューヨークで魚のタグ付けをする夢想家のデップ演じるアクセル・ブラックマーに出会う。
彼らの魂を見て、彼らの夢を読み、そして彼らを僕の夢の中に入れる。
そこに俳優志望の従兄弟ポール・レジェール(ヴィンセント・ギャロ)が現れ、叔父レオ・スウィーティ(ジェリー・ルイス)の結婚式のために一緒にアリゾナに戻るようデップに頼む。
アクセル・ブラックマーはアリゾナに戻り、叔父の夢であったキャデラックを売る仕事を引き受けるが、自殺願望のあるカメに取りつかれたアコーディオン弾きのグレース・ストーカー(リリ・テイラー)と、快活で飛ばし屋で性的に攻撃的な母親エレイン・ストーカーちゅう風変わりな母娘に出会う。
アクセル・ブラックマーとエレイン・ストーカーは、実にあっけらかんとした、すべてを飲み込むような関係を始める（彼は仕事も叔父の家も捨て、離れようとしない）。
少女時代に空を飛びたいというエレイン・ストーカーの夢を聞いたアクセル・ブラックマーは、彼女に飛行マシンを作ろうと決意し、映画の大半を費やす。
一方、グレース・ストーカーはマシンに妨害工作を仕掛ける。
ヴィンセント・ギャロは演技の練習に余念がない（『北北西に進路を取れ』の農薬散布機のシーンを再現した彼の演技は、史上最高のコメディのひとつである）。
ギャロとテイラーの演技は個人的にどれもいい。
脚本もとても良く、ジャン・ピエール・ジョーヌのような雰囲気がある（細かいディテールや云い回しがすべて）。
『たとえズボンをはいていなくても、帽子さえあれば、自分のお尻を恥じて通りを歩く必要はない。。。』とか、
『何の意味があるんだ？
あるいは、リンゴと自転車の違いを誰かがすでに教えてくれているのなら、呼吸することに何の意味があるのだろう？
自転車をかじり、リンゴに乗れば、その違いがわかる』。　
後者の言葉は、主人公のナイーブさと、悲劇を生む欠点を要約している。
アクセル・ブラックマーの人間関係は情熱的で誠実だけど、本質的には子供のようであり、エレイン・ストーカーをどう感じたかを何と名付ければいいのかわからない。
一方、エレイン・ストーカーとその娘は、孤立した田舎の家に閉じこもり、成熟も活力も中途半端な、同じ人間の二分の一である。
映画の大部分は、コミカルな笑顔と、魚がランダムに空を飛ぶシュールなショットに終始するが、終盤になると、夢と人間関係が終わりを告げ、映画は陰鬱なトーンになる。
期待していたほど濃密でシュールではなかったのは否めないもでも、初恋、特にかなり年上の相手との不思議な感覚を的確にとらえている。
登場人物の行動が文字通りに意味をなさない（ロシアンルーレットのシーン）、感情的な断絶の瞬間がいくつかあったが、ギャロを除くほとんどすべての登場人物が抱えている矛盾した感情をより深く感じ取ることができた。
今作品には意表を突かれた。
『アンダーグラウンド』の政治的寓話は、ここでは夢のような感覚、はかない情熱、相反する夢、相反する愛、成長、魔法の魚といった非常に内面的な物語に置き換えられている。
決してムッチャクチャ善き作品とはいわないまでも、個人的な理由で今作品に共感した。
エミール・クストリッツァ作品が好きなら、あるいは言及された俳優の誰かが好きなら価値はある作品と云えるかな。

カンヌ国際映画祭のパルム・ドールを2度受賞し、世界三大映画祭すべてで受賞している、エミール・クストリッツァ監督のベルリン映画祭銀熊賞受賞作品。

ゴラン・ブレゴヴィッチのスコア、イギー・ポップによる主題歌。

ジョニー・デップ、ヴィンセント・ギャロ、ら豪華出演。

荒唐無稽なエピソードをちりばめながら、支離滅裂ともいえなくもない、このシュールなバランス感覚こそがエミール・クストリッツァワールド。

いい映画なんだけど、レビューするのはレベルが高いので、無理に言語可せずに留めておくことにした💡

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【ベルリン映画祭映画】最低限みておくべきヨーロッパ映画10作品
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風船

叔父の結婚式に出席するためアリゾナへとやって来たアクセル
叔父が営む自動車販売の仕事を手伝うことになった彼は、未亡人エレインと彼女の義理の娘で自殺願望のあるグレースが暮らす家に転がり込むが……

それぞれのアメリカン・ドリームを胸に秘めた個性的な登場人物たちが織りなす人間模様を、ユーゴスラビア出身のエミール・クストリッツァ監督がジョニー･デップ主演で描いたコメディドラマ

これがアメリカか〜

独特な感じ
不思議な話でした

ファンタジーありでシュール感
印象的な言葉も多数

ただ、しっかりとしたヒューマンドラマで見応えもありました

冒頭寒そう

飛行機がスゴい
娘が強烈キャラです